第640回 名将が醸し出す「すべて勝負」の全体練習 広島新庄(広島)【前編】2019年07月20日

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【目次】
【広島新庄の練習の模様をギャラリーで】
[1]この10年間で残してきた大きなインパクト
[2]グラウンドに繰り広げられる「勝負の世界」

 センバツ1勝の広陵、センバツ出場でシード権も得ている市立呉。春の県大会Vで名門復活の胎動を示した広島商に、新監督が就任しシード権を獲得した如水館崇徳。さらに春県大会ベスト4の広に、8強入りでシード権獲得の広島井口尾道商、市立沼田に最速152キロ右腕の谷岡 楓太(3年)を擁する武田など、7月12日(金)の開幕を前に混戦模様に拍車がかかる「第101回全国高等学校野球選手権広島大会」。その中でこの試合巧者も優勝候補にあげられる。

 2015・2016年には左腕・堀 瑞輝(北海道日本ハムファイターズ)を擁し夏の甲子園連続出場を果たし、昨年も大会決勝戦進出を果たしている広島新庄。1979年・三菱重工広島監督として都市対抗優勝。広島商監督でも2002年春・2004年夏に甲子園に導いた名将・迫田 守昭監督の下、彼らは2014年春を皮切りとする通算4度目の甲子園出場を虎視眈々と狙っている。
 では、そんな広島新庄が「試合巧者」たりえる理由はどこにあるのか?今回はグラウンドでの練習内容、迫田監督から明かされたチームコンセプトと、桑田 孝志郎(3年・投手)・木村 優介(3年・捕手)のコメントから、今までほとんど明かされなかった「広島新庄・強さの理由」について探っていく。

この10年間で残してきた大きなインパクト



学校から約3キロ離れた高台にある広島新庄野球部グラウンド

 「あ、明らかに気温が低い……」

 早くも真夏のような太陽が降り注ぐ「しまなみ海道」から3つの高速道路を使って北に約1時間半。広島新庄にほど近い北広島町・浜田自動車道の大朝インターチェンジを降りると、そこには避暑地のような冷気が漂っている。

 「気温も広島市内と比べて5℃は違います。こここは広島市内に行くより鳥取県や島根県に行く方が近いですからね」。硬式野球部・田津 直樹部長がこう説明を加えてくれた。よって冬になると学校から約3キロほど離れた丘の上にあるグラウンドは雪に覆われ、使用不能になることもたびたび。人工芝を張った縦長の室内練習場こそあるとはいえ、決して彼らは恵まれた環境で練習を行っているわけではないのだ。



広島新庄野球部グラウンド脇にある過去3度の甲子園出場記念碑

 にもかかわらず、この10年間における広島新庄が高校野球界に残してきたインパクトは極めて高い。2013年夏は広島大会決勝で左腕・田口 麗斗(読売ジャイアンツ)が[team]瀬戸内[/team]・山岡 泰輔(東京ガス~オリックス・バファローズ)との0対0延長15回再試合を展開。この時は惜しくも甲子園初出場はならなかったが、その秋には田口の広島新庄左腕魂を受け継いだ山岡 就也(國學院大~JX-ENEOS)が中国大会準優勝。初の甲子園となったセンバツでも再び桐生第一(群馬)との延長15回引き分けを味わいながら1勝1分1敗で駆け抜けた。

 そして2015・2016年には左腕・堀 瑞輝(北海道日本ハムファイターズ)をエースに広島県史上4校目となる夏の甲子園初出場からの2年連続出場で1勝と2勝。広陵をはじめとするタレント集団と比べ、決して戦力的に秀でているわけではないにもかかわらず勝ちにつなげる「試合巧者」ぶりは広島県・中国地区を超え、全国でも知られるところとなりつつある。

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第101回 全国高等学校野球選手権 広島大会
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木村 優介(広島新庄) 【選手名鑑】
木村 優介(高岡第一) 【選手名鑑】
桑田 孝志郎(広島新庄) 【選手名鑑】
田口 麗斗(広島新庄) 【選手名鑑】
堀 瑞輝(広島新庄) 【選手名鑑】
山岡 泰輔(瀬戸内) 【選手名鑑】
広島新庄 【高校別データ】
広島商 【高校別データ】

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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