第629回 総合学科の学校として新しい形の文武両道に挑む 駿河総合(静岡)【前編】2019年07月21日

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[1]静岡南と、静岡市立商が統合した総合学科を設けた新しい学校
[2]独特なウォーミングアップ

 近年の高校で、新しい取り組みとして期待を担っているのが総合学科のある学校だ。学校としては部活動にも積極に働きかけていき、実績を挙げていっているところも少なくない。静岡県内ではそんな学校の一つとして駿河総合がある。今年は、ドラフト指名選手も誕生するのではないかという期待もある。チームも質の高い練習で成果を上げてきつつある。静岡県で新しい風を吹かせている駿河総合を訪ねてみた。

静岡南と、静岡市立商が統合した総合学科を設けた新しい学校



練習前のアップに入る準備

 かつての静岡南と、静岡市立商が統合されて2013(平成25)年に総合学科を設けた新しい学校として駿河総合がスタートした。静岡駅からバスで10分ほど、「駿河総合前」というバス停が、文字通り学校の門の前にある。総合学科とは、従来の普通科や実業系の専門学科とはやや異なった方針でカリキュラムが組まれている。いくつかの系列から柔軟に生徒の志向に沿った形で、「産業社会と人間」を起点としたキャリア教育の充実を目指すという指針である。少人数ゼミなども実施しながら、生徒たちの実践力を高めていくという教育方針だ。

 静岡県内では9番目に誕生した総合学科で、都市型総合学科としての取り組みが注目されている。部活動にも積極的に参加していく姿勢を示している。そんな中で野球部は校内でも学校を引っ張っていく存在として期待も高い。一期生として入学した杉山 一樹は卒業後社会人野球の三菱重工広島を経てソフトバンクにドラフト2位指名で入団している。

 そして、今年のチームは新チームがスタートして最初の公式戦となる秋季県大会中部地区予選では静岡商清水東清水桜が丘などの強豪を軒並み下して1位となり、シード校として県大会に進出して注目された。しかし、県大会では力を出しきれず初戦で御殿場西に敗退。捲土重来を期して基礎練習を中心として冬の練習を積んで春に挑んだ。

 「秋は、割と継投が上手く流れていったので、中部地区大会ではそれが上手く出たけれども、春までは、投手が安定していなかったので、戦い方そのものが不安定だった」と、県大会は初戦で三島北に敗退した戦いを望月俊治監督は振り返る。それが、ここへきて左腕の渡邊光君が安定してきたことで、春季県大会では1番をつけていた森祐二朗君と、試合を作れることが大きいという。

 さらに、今年のチームはU-18日本代表候補として強化合宿にも参加した紅林 弘太郎君がおり、攻守に高いレベルでまとまってきている。それだけに、ノーシードの戦いではあるが、注目される存在にはなっている。実は、このところ夏は期待されながらも初戦敗退が続いているので、まずは初戦の壁を破りたいというのも正直なところである。

 現在は3年生15人、2年生12人、1年生14人と、各学年比較的バランスよく集まって41人が在籍している。公立校だが、選手は静岡県で設定している推薦制度なども利用して入学してきている

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紅林 弘太郎(駿河総合) 【選手名鑑】
杉山 一樹(駿河総合) 【選手名鑑】
御殿場西 【高校別データ】
静岡商 【高校別データ】
清水桜が丘 【高校別データ】
清水東 【高校別データ】
駿河総合 【高校別データ】
三島北 【高校別データ】

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
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