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まずは1勝を掴む!勝利に飢える都立杉並は夏の頂点へ猪突一進! 都立杉並(東京都)【後編】

2019.07.14

 去年の夏、甲子園ベスト4まで勝ち上がった日大三を、あわや大金星というところまで苦しめた都立杉並高校。後編では昨夏の経験者の話や、これから迎える夏に向けての意気込みを伺った。

判断力と決断力を磨く15分間!考えて選手を伸ばす 都立杉並(東京都)【前編】

昨夏の経験をどう生かすのか

まずは1勝を掴む!勝利に飢える都立杉並は夏の頂点へ猪突一進! 都立杉並(東京都)【後編】 | 高校野球ドットコム
ノックを受ける都立杉並の選手たち

 「勝ってやろうという気持ちが出たと思うのですが、試合に勝ってから学校練習をしようと思ったら、選手が試合後に勝手に三高対策の練習を考えてやっていました」

 その練習について1年生から試合に出続け、日大三戦でホームランを放ち、スイングスピードは130キロを超える磯貝愛弥に詳しく話を聞いた。
 「廣澤優投手への対策で跳び箱の上から投げてもらったり、井上広輝投手の速球を打つために9メートルくらいの場所から全力で投げもらったりして目を慣らしました」

 守備はフェンスギリギリで守って強い打球を受けた。ただ「グラウンドは球場ほど広くないため、打球には驚きました」と磯貝選手。しかし打撃では、「打席でボールを見た時に衝撃はなくイメージ通りだった」と振り返る。

 都立杉並はこの試合、日大三を苦しめるも4対7で敗戦。善戦したものの勝利を手にすることまではできなかった。(試合レポート
 「あれ以上緊張感はないので、同じ状況でも落ち着いていられます」と3番手で登板した井島太輝は振り返るように、試合に出ていた今の3年生は次へ向けて夏の経験をプラスに変えていた。

 そして昨秋の都大会のブロック予選の初戦都立杉並日大三と再戦。磯貝や井島、主将の阿部圭一郎など経験者が残っていたが結果は0対9の7回コールド負け。

 「夏はセンターラインがしっかりしていたのですが、秋はそこが不安定で、もちろん準備はやってきましたが負けました。実力不足です」と阿部主将は振り返る。磯貝選手は、「バッティングは良かったですが、守備は連携がうまくできず、やりたいことをやれないまま技術で負けました」と語る。

[page_break:東京制覇の4文字しか見えていない]

東京制覇の4文字しか見えていない

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都立杉並の選手たち

 都立杉並はオフシーズンにウエイトで体を大きくし、打球の飛距離アップを狙ってきた。田北監督も他校のトレーニング方法を取り入れるなどウエイトには力を入れている。

 秋の悔しさとウエイトで鍛え上げた体力で春は勝ち上がる予定だった。だが、結果は都立大田桜台文教大付の連合チームの前にブロック予選の初戦で敗退。

 「たしかにあの時期はけが人が多かったですが、気持ちの部分でネガティブになっていたからだと思います」と磯貝選手が振り返る。

 すると主将の阿部選手は、「去年の夏と同じく、春は連続エラーをして一球に泣きました」と話す。

 田北監督も「負けるべくして負けたと思います。力がなかっただけと思います。あと2か月でどうするかです」と敗戦を受け入れつつ前を向く。それは選手も同じだ。

 「冬場以上にいい練習をして、夏は東京制覇をしたいです」と阿部主将が意気込めば、「自分たちは夏にかけていますので、三高を倒して東京制覇したいです」と磯貝選手は語る。

 捨てるものがなく上に上がるしかない。守るものも怖いものはもないから思い切ってできる。こんな楽なことはない、と田北監督は話す。

 グラウンドの黒板に書かれた「東京制覇」と「猪突一進」そして「まず1勝」の文字。このチームになって公式戦でまだ勝ったことがない。まずは1勝を掴むため、都立杉並が猪突一進で勝利に向かって進んだ先に東京制覇の4文字は待っているはずだ。

(取材・編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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