第632回 お前たちが変わるために俺が動いた 元プロ監督の挑戦  東大阪大柏原【前編】2019年06月27日

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【目次】
【東大阪大柏原の練習の様子をギャラリーでチェック!】
[1]取り組む姿勢の重要性を伝えるために朝早くからグラウンド整備を行った
[2]プロでの経験を惜しみなく伝えている

 2011年に初の甲子園出場を成し遂げた東大阪大柏原。以降も上位進出を果たし、大阪を代表する強豪校として君臨している。
 昨年11月1日から履正社出身でオリックス・巨人で5年間プレーした土井 健大コーチが監督に就任した。土井監督が目指すチーム像とは何か。それはとても深みのあるチーム像だった。

取り組む姿勢の重要性を伝えるために朝早くからグラウンド整備を行った



選手に指導する土井健大監督

 「初めて見た時、なぜ高い能力があるのに、こんなに適当に野球をやっているんだろう。本当に勿体無いと思いました」

 土井監督は2017年のオフシーズンから臨時コーチとして東大阪大柏原を指導し、2018年3月までに、大阪シティ信用金庫を退職し、2018年の4月1日付けから野球部のコーチに就任した。さらに専任のコーチに就任して土井監督は選手に厳しく伝える。
 「選手たちに常々話していたのは、今の1日の過ごし方で、高校野球を振り返られるほど中身の濃いものになるか?ということです。1日の過ごし方に無駄があり、そのムダが積み重ねって、中身が薄いものになってしまう。私はそれが勿体無いと選手に話をしました」

 中身の濃い1日を過ごすことが高校球児にとってどれだけ大切なものかは土井監督自身が身をもって体験している。

 履正社に進んだのは、土井監督の兄が履正社出身で、あと一歩で甲子園出場を逃していたからだ。兄の姿を見て、「履正社に進んで甲子園に行きたい」と決意を新たにした土井監督は履正社に進んで、3年間、濃密な日々を過ごした。

 現在の履正社は選手の自主性を尊重する気風にあるが、当時の履正社は「非常に厳しい野球部でした。ただ、その1日1日はとても濃いものがあり、仲間と一緒に本気で取り組んできたからこそ、振り返られるものができて、高校の仲間たちと、当時の話で盛り上がることができます。今も彼らなりには頑張っているのですが、就任当初は物足りなかったですね」

 取り組みだけではなく、グラウンド整備や掃除などについても、甘さが見られた。土井監督はその都度、選手たちに生活面の指導を行った。生活面がいかに大事なのか全国の指導者は理解している。
 注目したいのはその改善の仕方である。土井監督は「最初は私の言うことを聞かなかったですよ」と打ち明ける。そのため土井監督は自ら掃除、グラウンド整備を行った。

 「今の子供達は口でやっても『お前、できるん?』という感覚で大人を見てくる子が多い印象を受けました。だからただいうだけではついていかないので、私から行動することを示しました」

 土井監督は朝一番でグラウンドに来て、グラウンド整備、グラウンドの石拾い、トンボをきれいに並べ、部室のゴミ拾いを行った。そして選手たちにこう言い聞かせた。
 「お前らがやるグラウンドで、お前らが一生懸命、グラウンド整備やプレーしないといけないじゃないかということをずっと言い続けてきました。でもお前らが一生懸命できる環境を整えるのも俺らの仕事ということも伝えました。

 選手たちは「僕がやるから代わってください」とか、「土井監督とかわってこい」というんですが、そうではないよと。私の顔を見てグラウンド整備するのではなくて、立派な施設で野球をやらせてもらっていることを感謝してやりなさいと。野球を当たり前のようにできるわけではないよということを再三教えていきました。
 でも振り返ると、自分が高校球児はそういう思いでやっていたかというとそうではなかったと思います。彼らと同じですね。自分の高校時代を思うと、納得させるのも無理があるかもしれませんが、少しでも1人、2人でも分かろうとする思いを持ってもらう選手たちが出てくることを期待して、その重要性は伝えています」

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履正社 【高校別データ】
コメント (1)
甲子園へ2019.07.26 川口学
いつも、良いところまで行くのですが、土井監督になり意識が変わり良くなっています。
ただ、私学のわりにコーチを2人ぐらいにしないと選手を指導しきれないと思います。
それが、試合の中でも感じます。
桐蔭との差は、その辺ではないでしょうか!

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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