第630回 野球は格上に勝てるスポーツ だからこそ組織力と思考力が重要  大産大附【後編】2019年06月18日

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【目次】
【大産大附の練習の様子をギャラリーでチャック!】
[1]レギュラー、控え選手もチャンスは平等。甘さが見られるプレーは許さない
[2]野球は組織力をつけて、どう格上に対抗する実力、考えを身に付けていくことができるか

 2018年2月、大阪産大附は新体制がスタートした。元ソフトバンクの強打の捕手として活躍したOBの田上秀則監督が就任した。田上監督は現役時代の2009年には26本塁打を記録し、ベストナインを獲得。かつてプロの第一線で活躍した田上監督が就任したのは、大きなニュースとなった。母校に就任して1年半。田上監督はいかにしてチームを強化してきたのか。後編では冬の練習や春の大阪府大会の履正社戦を振り返ってもらった。

前編はこちら!
プロの世界を知っているからこそ日々の生活と明確な方針にこだわる 大産大附(大阪)

レギュラー、控え選手もチャンスは平等。甘さが見られるプレーは許さない



スクワットをする大産大附の選手たち

 ここまで学校生活を重視することで、選手の取り組みは大きく変わったことを紹介したが、選手に対する評価法も変わってきたということ。

 吉見主将は「田上監督が就任するまでのチームは、あまり選手の入れ替えがなくてずっと試合に出れない人が居たのですが、田上監督はいつも試合に出てる人でもエラーしたらどんどんサブの選手を出していくのでそういう面ではいろんな選手にチャンスが与えられていいなと思いました。いつでもチャンスが巡ってくると思って頑張れていると思います」

 取材日の練習でもそういう風景が見られた。実戦練習で、サードのレギュラー選手が体で止めることができず、ゴロを後逸したシーンがあった。しっかりと捕球する準備ができれば後ろに逸らすことはない打球だった。田上監督はそれを逃さず、サードの選手を外し、控えの選手を呼び、サードを守らせた。失敗することが悪いわけではない。最低限の準備ができない選手には守らせない。その方針が徹底としている。

 また全体練習後の自主練習も選手任せ。
「自主練習をしたから偉いという評価は僕にはないです。体調がすぐれない、しっかりと休んで自主練習をしないというのは自分の体調のことを考えて練習に取り組めているわけですからOKですし、全体練習を行う中で、自分の課題が全体練習で解消しきれない場合は自主練習に取り組む。その考えもOKです。1つだけ忘れてほしくないのは、彼らは学校があっての野球があること。学校生活に支障をきたすような自主練習をする必要はありません」

 田上監督はメリハリをつけた練習スケジュールを行っている。冬場は必ず週1、週2回の休みを設けた。
「僕の場合、やるときはやる。休む時は休む。週2回の休みを設けましたが、練習はきつかったと思いますよ。僕がメニュー作りましたから(笑)。でもしっかりと休みは作ってあげました」

 主将の吉見は冬の練習内容をこう振り返る。
「グラウンドにコーンを置いて行います。4チームに分かれてリレーを約30分やって最下位のチームはペナルティがあります。死ぬ思いで走りました。下半身強化のためのスクワットもしっかりと行ったと思います」

 その効果はしっかりと現れており、田上監督は「今年はスラッガーもいませんし、守備や総合力で勝負するチームではありますが、以前よりもオーバー・フェンスの打球が増えてきています」と手応えを感じている。

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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