第633回 最後の日まで野球をやらせてあげたい。上尾高校をまとめる監督の熱い思い 上尾(埼玉)【後編】2019年06月09日

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【目次】
【上尾の練習の様子をギャラリーでチェック】
[1]投手陣は自己管理
[2]バッティング投手だって、手伝いじゃない

 かつて、昭和時代の後期、埼玉県の高校野球を引っ張り続けた上尾。1958(昭和33)年に学校創立と同時に創部し、5年後に甲子園初出場。75年夏には東海大相模を下してのベスト4進出も果たしているが、その実績以上にひたむきな戦いぶりが全国の高校野球ファンを魅了した。

 しかし、84年夏を最後に甲子園から遠ざかっている。それでも、昨夏の北埼玉大会では決勝進出。昨秋の県大会もベスト8と着実に古豪復活の兆候を示している。そんな上尾のグラウンドを訪ねた。

 後編では夏へ向けた思い、そして髙野監督のチーム方針に迫っていく。

令和の新時代に昭和の匂いを漂わせつつも、新生上尾は意気高らか【前編】
上尾の歴史を背負う選手たちが語る、今すべきこと【中編】

投手陣は自己管理



夏への思いを語る寺山大智君

 昨夏は背番号18でベンチに入り、新チームでは背番号1を背負ってチームの柱として投げていた寺山 大智君は、「昨夏は、3年生のエースがいたんですけれども、自分としてはいつでも行けるような準備はしていました。新チームでは、経験を生かしたいと思って自分しかいないという思いで投げていった」ことが、秋季大会ではケガを誘発してしまい、冬の間はむしろ左ひじのケガを完治することがメインとなってしまった。

 それでも、焦ることなくゆっくりと自分の調子を上げていくなかで、却って最後の夏へ向けて作っていくという意識が育って行った。

 上尾の投手陣は、高野監督の方針でもあるのだが、1週間の練習メニューということで言えば、週末の練習試合に向けて自分で調整プランを作って実行していくということになっている。だから、投げ込み練習や球数なども敢えて決められてはいない。「試合で投げていくのが一番の練習」という考え方でもある。そういう意味では、投手陣は特に自己管理が大事になってきている。もちろん、寺山君もそんな自覚を持って取り組んでいる。

 寺山君自身も自分自身は力で抑えていく投手ではないという認識である。しなやかな左腕というタイプで、「三振を獲るというよりも、得意のスライダーとチェンジアップで、相手をかわしていく、球の出し入れが自分の持ち味」という自覚がある。それだけに、コースが甘くなっていかないことを一番心掛けているという。夏本番まであと1カ月ちょっと、その精度を磨いていくことが今のテーマとなっている。

【次のページ】 バッティング投手だって、手伝いじゃない

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コメント (4)
名門 上尾2019.09.10 吉田 薫
 上尾高校の第8期卒業生です。在校時は体操部に所属、顧問はやがて上尾高等学校校長となる永嶋先生でした。当時は、応援部が中心となり、全校生徒が校歌や応援歌の練習をして大宮公園に行ったものでした。上尾高校の試合の時はできるだけ球場にいくようにしており、校歌を聴くと当時のことがよみがえってきます。時々、学校へ野球部の練習を見に行きますが、私のような者にも気持ちよく挨拶をしてくれるので感動です。今後も野球で培った資質をさらに向上できるよう努力していきましょう。「文武不岐」卒業してからの方が大事ですよ。
一戦必勝!2019.06.21 上尾太郎
いよいよ夏の大会が始まります。3年生にとっては、最後の大会です。これまでやってきた上尾高校での野球を、全て出し切るつもりで頑張って下さい。選手もスタンドも一体となった上高の野球は、昔も今も上高自慢の野球です。今年も応援しています。ガンバレー!
寺山大智くん2019.06.12 オサムシ
最近の試合では登板なかったので気になっていましたが、故障だったとは。主将姿で見かけたので、これからは精一杯チームを引っ張っていって下さい。二階堂くんも大好き。小林陸人くんも素晴らしい。書ききれないけどみんな大大好き。応援しています。
ガンバレ上高!誇りと責任!2019.06.10 卒業生
歴史と伝統のある上尾高校が、今もこうして頑張っていることはうれしい限りです。令和の時代に、上尾高校のユニホームを甲子園で見られることを多くの埼玉県民が期待しています。高野監督よろしくお願いします。夏に向けてガンバレ上高!

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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