第631回 思いを語りぶつけ合う、日誌こそが小山台野球、強さの秘訣 都立小山台(東京)【前編】2019年06月12日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
【都立小山台の練習の様子をギャラリーでチェック】
[1]新チームスタート時は、最弱のチーム
[2]都立小山台の伝統「野球日誌」

都立小山台の伝統「野球日誌」



野球日誌をピックアップした小山台野球部だより

 それは、都立小山台の一つの伝統にもなっている「野球日誌」にも象徴されている。図らずも、この日は、「日誌について考える」というテーマで話し合われていた。「毎日、日誌を書くことが、負担になっているのではないか」という指摘が、一部の父母からの話であったということも踏まえて、福嶋監督が、「それならば、日誌について選手たちで真剣に討議して意見を出し合ってみよう」ということで提案されたものである。

 そもそも、都立小山台の野球日誌というのは福嶋監督が「ペンの野球」と言うように、技術的なこと、精神的なこと、あるいは日々の学校生活で気づいたことなどを日誌に記していくのだ。そして、それを他の仲間が読んでいくことで、お互いの考え方やモノの捉え方などを理解していくというものである。さらに、その中で印象的なモノ、是非全員に読んで欲しいというページは福嶋監督がピックアップして全員に配るというシステムである。

 「小山台にとって日誌は絶対に必要であり、小山台の命」
「日誌に何を書こうか、ということを考えることで、視野も広くなっていく」
「日誌はメンタルトレーニングの一環でもあり、心が磨かれていく」
「相手のことを理解できるようになるし、人のことを考えられるようになる」
「直接は言いにくいことや、他人には言えないことを日誌には書ける。そのことで、心が強くなれるし、文字として残っているので後で見返すこともできる」

 こういった意見がまとめられて次々と各グループの代表が発表していった。しかも、その発表の姿は、いずれもが堂々としていて、まるで企業の新企画のプレゼンテーションのようでもあった。

 「いい日誌を書こうとしなくてもいい。心の思いをしっかりと書いていくこと」これが日誌を書く心構えとして伝えている。

 「小山台は日誌で育った。選手たちの日誌を読むことで、自分も指導者として考え方も変わってきたところもあるし、日誌を読みながら『ありがとう』と言う気持ちになっている」

 福嶋監督の日誌に対しての思いでもある。

 今回はここまで!次回は夏へのキーマンを中心に、さらに都立小山台の強さを追及していきます。次回もお楽しみに!

 【後編】太く強固な84本の矢となって東東京を勝ち抜く!都立小山台(東京)

(取材・手束 仁

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第966回 【秋季東京都大会一次予選展望】日大豊山と東海大高輪台が初戦で激突!第21ブロックAは激戦区に【大会展望・総括コラム】
第16回 【U18日本のライバル国紹介】大半がプロ内定!去年のアジア覇者・韓国の要注目の選手【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
第1027回 加藤 雅樹(早稲田実業ー早稲田大)ドラフト候補へ駆け上がるきっかけとなったコーチの存在 【2019年インタビュー】
都立東村山西vs二本松工【2019年 練習試合(交流試合)・夏】
第21回 今年の甲子園は捕手が「トレンド」。甲子園を熱くするバラエティに富んだ逸材野手たち【101回大会特集】
第949回 【西東京大会総括】29歳の青年監督による快挙、そして力を発揮できなかった実力者たち【大会展望・総括コラム】
第948回 【東東京大会総括】役者の揃っていた関東一が3年ぶりの甲子園へ!都立校や好投手の出現も際立った【大会展望・総括コラム】
関東一vs都立小山台【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権東東京大会】
上野学園vs都立小山台【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権東東京大会】
早稲田実業vs國學院久我山【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権西東京大会】
都立高島vs都立小山台【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権東東京大会】
第953回 確立されたロジカルを持つ理論派スラッガー・冨田洋佑の打撃の極意 【2019年インタビュー】
第951回 都立唯一のベスト4・小山台に現れた強打の核弾頭・池本仁志が追求する「一番像」とは 【2019年インタビュー】
第944回 21人目の東京代表・黒川麟太朗(国士舘)が選抜で学んだ最短距離の大切さ 【2019年インタビュー】
第883回 甲子園出場!国士舘を支える投手トリオの課題と収穫 【2019年インタビュー】
試合で役立つメンタルマネジメント
国士舘 【高校別データ】
都立小山台 【高校別データ】
早稲田実業 【高校別データ】

コメントを投稿する

プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
  • ■ 講演依頼はこちら
    講演・セミナー依頼受付中

ベースボールファン
野球部訪問トップに戻る サイトトップに戻る

コラム