第628回 上尾の歴史を背負う選手たちが語る、今すべきこと【中編】2019年06月08日

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【目次】
【上尾の練習の様子をギャラリーでチェック】
[1]主力選手が語る、上尾のユニフォームを背負う覚悟
[2]誇りを持って、埼玉の頂点を目指す

 かつて、昭和時代の後期、埼玉県の高校野球を引っ張り続けた上尾。1958(昭和33)年に学校創立と同時に創部し、5年後に甲子園初出場。75年夏には東海大相模を下してのベスト4進出も果たしているが、その実績以上にひたむきな戦いぶりが全国の高校野球ファンを魅了した。

 しかし、84年夏を最後に甲子園から遠ざかっている。それでも、昨夏の北埼玉大会では決勝進出。昨秋の県大会もベスト8と着実に古豪復活の兆候を示している。そんな上尾のグラウンドを訪ねた。

 前編では髙野和樹監督に話を聞きながらチームの姿を紐解いてきた。今回は選手たちの声を集めながら、よりチームの姿を明らかにしていく。

 令和の新時代に昭和の匂いを漂わせつつも、新生上尾は意気高らか【前編】

主力選手が語る、上尾のユニフォームを背負う覚悟



守備練習から打撃練習へ、準備時間は5分

 兄は群馬県の強豪桐生第一で甲子園にも出場したという齋藤麗(らい)君は、
 「母親が兄の試合を見に、上尾に来た時に(上尾の雰囲気が)気に入ったので、母親に薦められて夏休みの練習会に参加してみました。そうしたら、その雰囲気がとてもよかったので、頑張って入学しました。中学の指導者の縁で下宿を見つけてもらい、そこから通っている」と言う。

 食事は朝と夜は賄付きで、昼の弁当は週末に母親が来てくれて、おかずを作ってくれているので、米を炊いてそれを詰めて通っているという。
 「一人ひとりがそれぞれに伝えあって注意したり、励ましたりできているので、練習の雰囲気はとてもいい。それに、野球部は周囲の人など多くの人に見られているし支えられているので、上尾高校のユニフォームという看板を背負っていると感じている」と、自覚している。

 そのためには、高校生として学校行事などにも率先して参加していくことも心掛けているという。自分自身が実家を離れて自分のやりたいところで野球をやっているということもあり、「自分一人でもやるという覚悟を持ってはいってきた時の気持ちを忘れないようにしたい」という思いは強い。

 背負っているプレッシャーは大きいけれども、それを背負っていかれることを誇りにしたいという思いは、他の選手も同じだ。昨夏の準優勝のチームの時も2年生ながら捕手として出場していた小林陸人君もこう言う。
 「中学の時に、何度か練習を見に来ていて、とても雰囲気がよかったので、どうしてもここで野球をやりたいと思った。重い歴史を背負っているというのは、プレッシャーにもなるけれども、誇りに替えてやっていかれれば、他の学校でやるのとは違うものを得られると思う。野球で勝つとか強いということだけではなくて、プレーヤーとして大事なことが学べて成長できると感じたので上尾を選んで決めました」

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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