第627回 「守備の帝京」に手応えを掴んだ春。総合力を高め、8年ぶりの甲子園へ!【後編】 2019年06月07日

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【目次】
【帝京の練習の様子をギャラリーでチェック】
[1]堅守・帝京の鍵を握る主将・大内の存在
[2]持ち味を発揮した春。夏まで総合力を高め頂点へ

 東東京を代表する名門・帝京。夏の甲子園出場12回、センバツ14回、春夏の合計優勝回数は3回と輝かしい実績を残している。そんな帝京といえば、高校生離れした体格から投手は140キロ連発、野手は本塁打連発なスラッガーがいるイメージが強いのではないだろうか。そんな今年の帝京は従来のイメージとは違う。「守備の帝京」として2011年夏以来の甲子園を目指している。

 前編ではなぜ守備の帝京が誕生したのか。その裏話を伺ったが、後編では春季大会の戦績を振り返ってもらいながら、夏への意気込みに迫った。

 今年は「守備の帝京」で勝負。例年にはないチームカラーを見逃すな!【前編】

堅守・帝京の鍵を握る主将・大内の存在



帝京のノック中の様子

 守備力強化へ。帝京はトレーニングのウエートが多くなる冬の期間でも実戦形式の練習を重ねた。その取り組みについて前田三夫監督は「前のチームの冬より中身の濃い練習ができました。冬の練習はワンパターンになりがちなのですが、実戦形式の練習を取り入れたことで非常に緊張した中での練習ができていました」と充実の冬だったと振り返る。

 前田監督は昨年12月、東京代表の監督としてキューバ遠征を行ったが、自由闊達な動きを見せるキューバの内野手も参考にした。
 「ただ、あくまで日本は基本重視。それで横柄なプレーをした選手は叱りました。その路線を外さない限り、参考にすることは許容しました」

 逆シングルでの捕球練習も取り入れるなど、守備の幅を広げた。ここまで話を聞くと、前田監督は方針を変えたものの、守備について前に乗り出していないところだ。選手に話を聞くと、前田監督が熱心に指導するのは「打撃」。守備については直原大典コーチに任せ、選手の取り組みを尊重しているところがある。それは主将・大内 智貴の存在が大きい。

 今年の都大会前に大内は主将を任されるようになったが、理由として前田監督は「小学校時代から日本代表を経験して、中学でも全国大会優勝を経験しているので、野球を知っているからです」と語る。



大内智貴選手

 大内は小学校6年時、第2回 IBAF 12Uワールドカップを経験。さらに大宮シニア時代は日本一を経験する。大内は中学時代の教えが現在に生きていると語る。
「大宮シニアは中学にしては細かい野球を行っていて、雨が降ってグラウンドで練習ができない日は公民館で、連携や野球のルールの確認を行うミーティングをずっとやっていました。サインプレーをかなりするチームだったので、非常に学びになりました」

 また大内自身、ポジショニングを中学時代に極めた。投手、打者の力量差を感じ取り、打者のインパクトを見て、瞬時にどこへ打球が飛ぶのかを読む練習を繰り返し行ってきた。今では守備範囲の広さ、打球勘には自信を持つようになり、自分の守備だけではなく、レフト、ライトなどにポジショニングや落下地点の指示を出すことができる。

 大内の観察眼は前田監督、選手からの信頼も厚い。前田監督は「彼はレベルの高い舞台を知っているから、指示が的確ですよね。指導者からすれば彼のような存在はありがたい」、セカンドを守る小松 涼馬も「大内さんは視野が広くて、ポジショニングの指示も的確なので、本当に信頼しています」と語る。

 昨秋から着実に固めてきた守備力を武器に春の都大会に臨んだのであった。

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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