目次
[1]中村晃太朗に頼らない投手陣整備
[2]主力野手以外が次々と活躍!

 春と夏の高校野球では勢力図が一気に変わる。この夏、全国に出てくれば一気にリードしそうな勢いがあるのが東海大菅生だ。

 2017年、投打ともに技量が高い選手をそろえ、準決勝までの3試合を圧倒しベスト4まで勝ち上がると、準決勝では花咲徳栄と激闘を演じた(試合レポート)。今年のチームはそのレベルに近い強さがあるという。

 そんな東海大菅生はどんなチーム作りをしてきたのかについて迫っていきたい。

中村晃太朗に頼らない投手陣整備


 今年の東海大菅生は若林監督も「打線や守備については甲子園ベスト4に進んだチームよりも強くなるかもしれない。秋の時点であれば、2017年より上だと思います」と自信を持つ。

 エース・中村 晃太朗、正捕手・小山 翔暉、遊撃手・成瀬 脩人、2年生スラッガー・杉崎 成、強肩巧打のセンター・今江 康介のような全国レベルの選手もいるが、それだけではないというのが今年の東海大菅生の凄さだ。

 それは練習試合や公式戦のシートノックを見るとよくわかる。内野手の動きは素早く、外野手はAチームに入っている野手全員が強肩で、返球はほぼワンバウンドからライナー性のノーバウンド返球。いわゆるシートノックで圧倒できるチームである。

 高校生ではなかなか到達できないスキルを持った選手が多い東海大菅生は、熾烈な競争から選ばれた選手たちだ。

 とりわけ、今年の夏にかける思いは強い。昨秋は東京都準優勝に終わった。関東・東京5枠目を争ったが、惜しくも落選となった。悔しい気持ちを隠し切れない中、若林監督は選手たちに「臥薪嘗胆」という言葉を送った。苦心・苦労を重ねた先に栄光が見えると若林監督、選手たちは考えている。

 主将・石田 隆成は「臥薪嘗胆という言葉はあの時の自分たちにとってぴったりな言葉だと思いましたし、気持ちを切り替えて取り組むことができました」と振り返る。



若林弘泰監督

 東海大菅生はオフ期間、トレーニングと並行しながら、紅白戦を行ってきた。そこでの目的は
・エース・中村 晃太朗以外の投手の台頭
・成瀬、杉崎、小山以外の野手の底上げ
の2つだ。まずエース・中村以外の投手は目途が立ってきた。新2年生左腕・新倉 寛之、144キロ右腕の藤井 翔の2人が台頭した。新倉は130キロ中盤の速球、スライダー、チェンジアップを武器にする好左腕で、若林監督も「晃太朗(中村)以外では一番バランスが取れている」と評する。

 また藤井は168センチながら、50メートル5秒8、遠投100メートル超の抜群の身体能力を誇る。真っ向から振り下ろす右のオーバーハンドから繰り出す140キロ中盤の速球は回転数が高く、決め球となる120キロ後半の縦スライダーは高回転で鋭く落ちる。

 エースの中村も「あのスライダーは僕にはない切れ味」と評し、捕手の小山も「スピンがかかって鋭く落ちます」と絶賛する。さらなるステップアップとして「スプリットなど抜けるボールがあり、さらにまとまってくれれば」と期待を込める。

 2人の成長について若林監督は「夏は晃太朗1人では勝てないですから、紅白戦や練習試合ではそういう投手を見出すことがテーマで、あとは実際に春の公式戦で使って自信をつけさせてあげたい」と話していたように、実際にその舞台が訪れた。

 春の都大会の3回戦、明大中野八王子戦(試合レポート)で先発のマウンドに登ったのは新倉。打力がある明大中野八王子打線相手に好投。7回途中まで投げて1失点の好投を見せた。藤井も自慢の速球で無失点の好投、成長した姿を見せた。

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