第600回 「信頼される」主将の宣誓から始まるセンバツ4度目制覇の道 広陵(広島)2019年03月22日

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【目次】
【広陵の練習の様子をギャラリーでチェック!】
[1]みなぎる緊張感と頂点獲得への意欲
[2]新主将・秋山、冬に仕掛けたチーム内改革

 3月15日(金)の組み合わせ抽選会で秋山 功太郎(3年・捕手)主将が選手宣誓を行うことになった広陵(広島)。昨年の新チーム発足から11月末までの練習試合・公式戦計35試合で敗れたのは明治神宮大会2回戦の星陵戦のみ。豊富な投手陣と堅実な打撃・守備を強みに優勝候補の一角にあげられる彼らの冬の取り組みと、センバツ4度目制覇への青写真を聴いた。

みなぎる緊張感と頂点獲得への意欲



力強いボールを投じる広陵・河野 佳(新3年)

 どんよりとした雲の間から徐々に光が差し込む2月28日夕方、広島県広島市安佐南区。広島市中心部を眼下に見やる広陵グラウンドには徐々に先輩たちの名前も記された練習着を着た選手たちが集まり始めた。

 この日は期末試験前、雨上がりということもあり練習はセンバツメンバー候補20名ほどでの室内中心2時間程度のメニュー。それでも、彼らの醸し出す雰囲気は「頂点を狙う」獲物を狙う者たちならでは緊張感に満ちていた。

 ショートダッシュでは自分たちの声でテンションを上げ、最速148キロ右腕のエース・河野 佳(3年)に加え、昨秋公式戦登板経験を持つ石原 勇輝(3年)、森 勝哉(3年)、そして「冬に入って急成長した」とコーチ陣が評する高 太一(3年)の左腕コンビが投げたブルペンでは、バッテリーが試合も想定しながら投球を形作る。その横では野手陣がプラスチック製の小さなボールでティー打撃。これも彼らはことごとく芯を捉え続けていた。

 「明治神宮大会での星陵戦は自分たちから崩れて7回コールド負けに終わりましたが、あれをいい負けにしないといけないし、力を出し切れば詰められる差。ですので攻撃では打てるボールを絞り、低めに手を出さない。守備ではいらない点をやらないことを意識してやってきました」

 名将・中井 哲之監督の描く構想と「チーム全員で日本一を獲って、中井選手を胴上げしたい」と異口同音に語る選手たちの意思は完全に合致している。

 そして、そんな選手たちの輪の中心にいるのが……。河野が「この代はとっても個性が強い選手が多いので、1年冬からマネージャーをやってくれている石岡(洋介・3年)と、努力家でミスをしても誰にでも言える彼がいなかったらまとまらなかった」と全幅の信頼を寄せる主将・秋山 功太郎(3年・捕手)である。

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広陵 【高校別データ】
広陵 【高校別データ】

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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