第592回 真の全員野球を体現して強豪私立に挑む! 検見川(千葉)野球部訪問 vol.22019年03月12日

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【目次】
【検見川の練習の様子をギャラリーでチェック!】
[1]自分が背負った使命を試合で理解させる
[2]私立に勝つために生み出した育て方・戦い方

 vol.1では検見川高校野球部の酒井光雄監督が歩んできた教員生活を中心に、検見川高校の基盤となる部分に迫っていった。vol.2では検見川オリジナルの取り組みについて迫っていった。

 チームの基盤を作り上げた特別な4年間 検見川高校 野球部訪問 vol.1

自分が背負った使命を試合で理解させる



ティーバッティング中の検見川の選手たち

 酒井光雄監督は、特別支援学校勤務時代に、そこで出会った子どもたちに心を動かされた。そして、野球の基盤だけではなく、生きていくための基盤をそこでの4年間で作ってもらえたと感じていた。
 同時に、「子どもたちの想いをつなげていくためにも、いつか高校野球の監督として、活躍してやる」と決心したのだった。

 そんな強い決意をもっている酒井監督は、いくつかの取り組みをしている。そのうちの1つが、全員が試合に出場するというモノ。それは大会中であればベンチにいる20人全員が試合に出場、練習試合であれば部員全員が試合に出るという取り組みだ。

 なぜこの取り組みをしているのかと問いかけると、2つの答えが返ってきた。
 「生きている以上、人には必ず使命があります。その使命を果たすために、自分の使命は何なのか、それを気付かせる野球というか、自分の立場を考えさせるためです。でもその立場は、決して自分優先ではなくて他人優先です。」

 他人優先の立場についての具体的なチームの取り組みとして、ホームランの話をしてくれた。
 「打席のバッターがホームランを打ったとしても、次のバッターがいます。ウチのチームは打ったことを喜ぶよりも、次のバッターに対してその選手がどういう声をかけているのか、打った直後に次のバッターのことを考えてどんな打席を迎えさせるのか、それを選手たちに考えさせています。」



選手たちに指示を出す酒井光雄監督

 さらに、全員を試合に出す意図の2つ目についてはこう話す。
 「人間は一人では生きていけないので、自分優先で生きていると何も意味がないです。なので、常に選手には自分自身がリーダーとして生きていく中で、周りとどうやって関わっていかなければいけないのか考えてもらいたい。リーダーっていうのが自分優先ではなくて、そういうことができるリーダーとして試合に出場させたいんです。」

 この2つの想いがあるからこそ、検見川は勝っていても負けていても、全員が試合に出場する。そうやって選手全員が自分の役割を果たすのが全員野球だと酒井監督は考え、本当に全員野球をしているのは検見川だけだろうと自信を持っている。

 しかし、 時にはこの方針を理解してもらえないこともある。
 「『何で全員出さないといけないんですか。それじゃ勝てないじゃないか』と。しかし、自分のことだけではなく、リーダーとして周りが見える人になってほしいので、大会だけではなく練習試合も含めて試合に全選手を出しています。」

 監督という立場であればどうしても試合に勝ちたい、気持ちよく勝ちたいと思ってしまうが、それは考えられない。なぜなら、選手たちが野球をやっているのは、自分の人生のためであって、監督の人生のためにではない。だから勝利を最優先にはしない。

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