スーパースターよりもコミュニケーションをしっかり取れる人間に!久留米商(福岡)【後編】
今までのところで、「コミュニケーションをとる」「人の意見を聞けるようになる」の2つの軸が中村 祐太監督(久留米商)の指導方針の中心にあるのは分かっていただけただろう。そして、この2つを達成することで「皆に応援されるチーム」という結果が待っている。
前編:小屋松を中心としたバッテリーが飛躍への鍵を握る 久留米商(福岡)
中編:監督就任1年目の中村監督が掲げるのは「コミュニケーション力」久留米商(福岡)
1人では出来ない!周りの協力があってこそ!
「皆に応援されるチーム」を目指す中村 祐太監督(久留米商)
「うちはスーパースターは誰もいないので、いろんな人の力を借りて、自分を成長させていくという感じです。スーパースターだったら自分一人で頑張って、自分一人で結果をだせば良いんですけどもね」
スーパースターはいないが、コミュニケーションをしっかり取れる人間を作りたい。中村監督の教育者としての顔である。
監督就任4ヶ月で、中村監督がやってきたこと、そして今後やりたいことを紹介したい
「(昨年)12月末は生徒をアルバイトに出させたんですね。OBに協力してもらって、近くの運送会社で働かせてもらいました。社会勉強と、やっぱり周りの人たちに頑張ってねと、いっぱい声をかけてもらえる経験をさせたかったからです」
中村監督が監督就任後1ヶ月目で行ったことである。アルバイトで出会った人から応援されることで、選手のモチベーションが上がったり、勝利に対して貧欲になるというメリットもあるだろう。だが、最大のポイントは「皆に応援されるチーム」になるための、コミュニケーションの大切さをアルバイトを通して身をもって知れるという点だろう。まさに、中村監督の考えが詰まった指導法である。
また、1ヶ月に1度、男女問わず異業種や先輩などを呼んで選手に話をしてもらうことも考えている。これも、偉大な先輩方とコミュニケーションを取ることで、自分の人間観を作ってもらいたいという思いがある。
夏までに選手が、中村監督の意図を理解し、コミュニケーションを取り、自分で物事を考えるようになった時、久留米商は[stadium]甲子園[/stadium]出場に大きく近づいていると言えるだろう。また、たとえ[stadium]甲子園[/stadium]に出られなくても、今後の人生に必要となる大切なスキルを身についけているはずだ。
若い指導者と共に、久留米商がどのような成長曲線を描いていくのか、目が話せない!
(文・田中 実)