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23年ぶり選抜出場!チームの主軸が語った中国大会進出までのプロセス 米子東レギュラー座談会【前編】

2019.02.05

 23年ぶり9度目の選抜出場を決めた米子東。昨夏の100回大会は初戦敗退に終わったが、昨秋は県大会中国大会ともに準優勝と快進撃を遂げた。今回はチームの主力である3選手に、新チームでの動きや県大会でのポイントについて話を伺った。

<メンバー>
福島康太(2年)二塁手
森下祐樹(2年)投手
福島悠高(2年)捕手・一塁手

違和感なく新チーム始動

23年ぶり選抜出場!チームの主軸が語った中国大会進出までのプロセス 米子東レギュラー座談会【前編】 | 高校野球ドットコム
左から、森下祐樹、福島康太、福島悠高(米子東)

―― 100回大会の夏は初戦敗退。そこからの新チーム始動になりましたが、始動初期の雰囲気はどうでしたか?

福島康太(以下、福島康) 夏の大会が終わってから約1ヶ月は、交代制で2年生全員がキャプテンを務めていました。そこから自分が正式にキャプテンになったんですが、旧チームから試合に出ている選手も多かったので、特別やりにくさはなく、今まで通りに近いスタートになったと思います。

森下祐樹(以下、森下) 学年関係なく、仲の良いチームだったので、僕も特別な違和感はなかったです。

福島悠高(以下、福島悠) 今まで3年生の先輩方に頼り過ぎていた面があったので、「大変だな」と最初は感じました。自分たちが一番上の学年になったので、引っ張っていかなければ、と気負ってしまったところも僕はありました。

―― 福島康太主将は人生初の主将?

福島康 いえ、小学校のときもキャプテンでした。中学ではやっていなかったので、それ以来です。

―― 新チーム発足直後の目標を教えてください。

福島康 第1目標として「センバツ出場」を掲げました。センバツに出るには中国大会で最低2勝する必要がある。その「中国大会2勝」を達成するために、個人個人で達成シートを使った目標設定を行いました。

―― 個人ではどういった目標を立てましたか?

森下 秋は県大会も中国大会も土曜日、日曜日の2日連続で試合を行うので、「2日連投でも球威を維持する」ことを目標にしました。

福島康 自分は何かひとつの個人目標に力を注ぐというよりも、「チームの勝利に貢献すること」を第一に考えようと思っていました。チームが目標を達成するにはどんな練習をすればいいのか、そのために自分ができることを考えてやっていこうと。

福島悠 夏以降の練習試合で4番を打つことが増えてきていたので、「打撃でチームに貢献する」ことを目標にしていました。今までは期待に応えられていないと感じていたので、新チームでは何とか貢献したいと思っていました。

―― 福島悠選手は捕手から一塁手へのコンバートもありましたね。

福島悠 捕手のときは守備で頭がいっぱいいっぱいになってしまうことも多くて…(苦笑)。一塁にポジションが変わった分、少し余裕ができたかな、と思います。

―― 新チーム発足時に力を入れた部分について教えてください。

福島康 旧チームから試合に出ていた選手がいるけれども、基礎の部分を疎かにしないように、と決めてやってきました。プレーに必要な関節の可動域だったり、「身体作り」の部分にもう一度立ち返ってやっていきました。そこから、守備であればいきなりノックをするのではなく、ゴロ捕球で基本的な動作を確認するという風に、「もう一度基礎から」を意識しました。

森下 まだまだ身体が小さいと感じたので、「センバツに出るため、中国大会で勝つためにはもっと身体を大きくしよう」と考えて取り組みました。そのなかでピッチングの土台となるような使い方を身につけることも目標としていました。

福島悠 自分も必要な可動域が不足している状態だったので、そこを改善するための練習やドリルを積み重ねていきました。

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選抜出場へ 県大会のターニングポイント

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主将の福島康太(米子東)

―― センバツ出場に向けた第一関門である鳥取県大会は準優勝。戦うなかで感じたことを教えてください。

福島康 大会に入るまでは不安の方が大きかったかもしれません。それでも、戦うなかでチームの成長も実感できましたし、一戦一戦課題も見つかりました。“完璧”といえる試合はなかったので、「次はこうしよう」、「その次はここを直そう」というように大会を通じて成長できたと思います。

森下 県大会は苦戦を強いられることが多かったんですが、試合を通じて成長できた実感は投手としてもありました。

福島悠 自分は故障があってほとんど出られなかった(準決勝、決勝に出場)ので、消化不良というか…。その分、中国大会ではチームに貢献したいという気持ちが強くなりました。

―― 森下投手は、バッテリーを組む捕手が新チームから変わりました。違和感などはありませんでしたか?

森下 (福島)悠高とは中学時代からのバッテリーだったので、捕手が変わるのはかなり久々のことでした。でも、試合で投げて意見交換をしていくなかで、徐々に噛み合っていったと思います。

―― 県大会でターニングポイントと思える試合があれば教えてください。

福島康 中国大会がかかった準決勝(倉吉東戦)です。あそこで勝ち切れたのはチームとしても大きかったと思います。ただ、大会を通じてビハインドの展開がほとんどだったので、そこが課題になってくるとも感じていました。

森下 自分は準々決勝の鳥取工戦です。終盤まで1点ビハインドで、チャンスらしいチャンスも作れていませんでした。追い込まれながらも8回に逆転して勝ち切れた(結果は3対1)ので、この試合を経験できたのは大きかったです。

福島悠 自分も準々決勝が印象に残っています。

 前編はここまで。後編では中国大会での戦いや春に向けた目標について伺っていきます!お楽しみに!

(取材・井上 幸太

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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