第516回 伝統を受け継ぎ、アップデートを続ける国分中央(後編)2018年10月03日

【目次】
[1]すべての土台となる掟
[2]強豪私立に勝つために必要な徹底力
[3]上積みしていく国分中央野球
前編では国分中央のモットー「全力疾走・最大発声・真剣勝負」の3つから、夏に強さを発揮する理由を考えた。後編では、国分中央の柱ともいえる3つの資料。そして、鹿児島を代表する3校と渡り合うための取り組みについて、お話を伺った。
すべての土台となる掟

監督の話に耳を傾ける国分中央野球部
国分中央の前監督、下村幸太郎氏(現・鹿児島玉龍顧問)の指導方針を大事にしている床次隆志監督。そのため、前監督の言葉をまとめた「国分中央の掟」を作った。
「2年間下村先生と一緒にやってきた中で大事だと思ったことは、メモをしました。」
中身を見ると、文章ではなく、単語やキーワードが多く記されている。その中の一つに、「いいボール・セーフ」とある。
この言葉について聞くと、
「セーフでもいいからいいボールを投げるようにさせます。慌てて暴投をしてミスを広げるより、良いボールを投げることでプレーを完結させるという意味が込められています。」
実際にこの日のノックでも選手たちは、「いいボール・セーフ」を投げる瞬間に口にしていた。選手たちにも国分中央の掟は浸透している。
他にも「トン・パ」というゴロの処理の方法もキーワードとして記されている。選手たちは国分中央の掟を守って、今もプレーをしている。それを守るのは、過去の実績があるからだ。
今のチームの主将・桑原航汰は、「伝統やルールを守れば勝てることを先輩方が証明している」と話す。
一学年上の先輩たちは、春の県大会でベスト4に入った。好投手・松本 晴を擁する樟南を相手に8対10で敗れたものの、接戦を演じた。こうした実績が国分中央の野球は間違っていないという証明になっているのだ。
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