目次

[1]「日本一の補欠」を目指す
[2]「重心」を同化させる
[3]南薩大会を忘れない!

 前編では枕崎監督・小薗健一監督が現在に至るまでの経緯。そして選手を人として育る上で大切にしていることに迫りました。後編ではテクニカル面でどのような指導をしているのか迫ります。

「日本一の補欠」を目指す


 主将の小湊晴矢(2年)は枕崎市内の立神中出身。兄は鹿児島実で野球をしたが「地元の学校で甲子園を目指す」ことに自分の高校生活をかける気持ちで枕崎を選んだ。

 同級生からは「就職や進学は大丈夫か?」と心配されたが、小薗監督率いる野球部なら自分の夢が実現できるのではないかと思った。

 左腕のエース上野 倖汰(2年)も「小薗監督の存在」が決め手になったという。枕崎中1、2年の頃は何となくやっていた野球だったが、3年夏の最後の県大会で準優勝し、「上のレベルで野球をやってみたい」気持ちになった。

 強豪私学などからも誘いはあったが、小湊と同じく地元から甲子園を目指す道を選んだ。2人とも自宅から通えるが、1年の頃から試合に出ていたこともあり、2人で話し合って1年秋から寮に入った。


上野倖汰

 寮生活で厳しく躾けられるのは「時間を守ること」(小湊主将)。6時起床、朝練習をして朝補習があるときは7時35分、ないときは8時15分の登校時間に間に合うように、寮生は全員そろって行動する。

 授業中に寝ないことも意識し、体育祭、文化祭などの学校行事はクラスのリーダーとして率先して取り組むことを心掛けているという。

 野球で心掛けているのは「日本一の補欠になる」ことだと小湊主将は言い切る。「補欠」とは練習でも試合でも、常に「チームのために」動ける人間だ。チームのために身体を張ってゴロをさばく。チームのために送りバント決めて塁を進める。

 練習前の道具出し、練習後のグラウンド整備、上級生下級生関係なく全員で取り組む。そんな集団になることを日々目指している。「1年生で入った頃は何も分からなかった子たちも、2年、3年と進んでいくごとにそういうことが分かってくるようになるんですよ」と小薗監督は頼もし気に語った。

 「そうやって人間的にも磨かれた集団が出来上がって、厳しい勝負になった時グッとまとまって勝つ力になる」と信じている。