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執念で甲子園出場を! 6年ぶりの出場を狙う名門・倉敷商(岡山)の課題

2018.07.16

  岡山を代表する名門・倉敷商。春3回、夏10回の甲子園出場を誇り、プロ野球選手では今年1月に逝去した星野仙一氏、元ヤクルトの大投手・松岡弘氏、北海道日本ハムの若き強打の外野手・岡大海など6名のプロ野球選手を輩出している。そんな今年は6年ぶりの甲子園出場がかかっている。甲子園出場のためにどんなことを課題において取り組んできたのか伺った。

筋力強化で打線強化

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倉敷商野球部

 すべては夏の大会のために標準を合わせてきた。新チームスタート直後、1年夏から活躍しているエース・引地秀一郎が中心。引地をカバーできるチーム作り。打力強化、第二投手の強化、引地を盛り立てる守備力強化の3つが課題となった。まず秋は左腕・小引智貴が成長を見せた。「努力もしっかりしているし、取り組む姿勢が素晴らしい」と森光監督が評価する小引と引地が両輪となって秋の県大会では優勝。秋では打力が仕上がらなかったが、それでも2人を盛り立てるようにしっかりと守ることができた。

 

 そうして迎えた中国大会だったが、盈進(広島)に敗れ初戦敗退を喫し、選抜を逃す。ここで倉敷商は課題だった打力不足を解消するため、筋力アップに着手。ただ筋力トレーニングに励むのではなく、専門家と提携し、専門的な知識を入れることで最大限に効果が発揮できるよう努めた。そのため練習のサイクルも変わったと森光監督は変わる。

 「ウエートを重視して、あまり練習量を増やさないようにしました。やはり筋肉量をつけるためには休養も必要なのでオーバーワークを防ぐ配慮もしました。ウエートする以外ではバッティングの量を増やしました」

 一冬超えて各選手の筋力的な数値は上がり、打球も鋭くなった。そして県大会に突入したが、打線爆発とまではいかず、最多得点は6。それでも決勝で関西を破り、中国大会出場。初戦の宇部工戦では11対3で勝利したが、準決勝の広島新庄戦では1対3で敗れた。この試合で左腕・小引が8回途中まで3失点の好投を見せたが、広島新庄の好投手を攻略できなかった。夏へ向けて「好投手攻略」が課題となった。

[page_break:強力投手陣、守備、打撃を充実させ、ライバルに打ち勝つ]

強力投手陣、守備、打撃を充実させ、ライバルに打ち勝つ

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倉敷商野球部

 夏も近づいてきた。森光監督は打力強化は課題と語りながらも、まずは秋、春の大会で好投を見せてきた引地と小引が夏のキーマンと話す。

 「相手投手陣を打つ事も意識したいですが、逆に引地を中心に投手陣が(相手打線を)打たせない、守り抜く事も考えていきたいなと思います。両方求めないといけないと思います」

 

 決勝まで進めば5試合。引地には、万全の調子で大会を迎えることを求めている。

 「まず大事な初戦である17日。ここを万全の状態で迎えてほしい。彼が4試合投げることを考えていますが、その4試合でしっかりと投げられる調整もしてほしいし、こちらもそれができるようサポートやアドバイスをします」

 また小引などほかの投手陣については「できれば5試合のうち2試合は引地が投げない形で勝てれば理想です」と彼らの活躍にも期待をしている。

 

 そして今年は準々決勝では強打のおかやま山陽、準決勝では150キロ近い速球を投げ込む侍ジャパンU-18代表の一次候補に選出された西を擁する創志学園と対戦する可能性がある。全国レベルのチーム相手に勝たなければ甲子園の道はない。森光監督はそのキーマンとして主将の中江に期待している。

 「彼がどれだけ出塁できるかにかかっています。出塁して、打線がうまくつながってくれれば」

 中江は「試合の一番最初に打席にたたせてもらっているので、チームに勢いをつける為に初球からどんどん振って、チームが『いける』と勇気が持てるようなバッティングをしたいと思います」と意気込む。さらに投手の引地、小引も長打力があり、打線の柱として期待される。また2年生ながらクリーンナップを任される谷 勇波も期待の左打者。打線全体がつながり、投手陣をアシストしたい。

 倉敷商のチームスローガンは「執」。何事においても執念を燃やし、2012年以来の甲子園出場をつかむ。

(文=[writer河嶋 宗一[/writer])

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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