福井工大福井レギュラー座談会「2012年から遠ざかっている夏の甲子園、チーム一丸で掴み取る」
田中公隆新監督の下で甲子園出場を目指す福井工大福井。昨年はセンバツに出場したが、2年生のベンチ入りは0。新チームは公式戦の経験は全くない状態でのスタートだった。それでも秋は北信越大会に出場するなど力のあるところを見せている。今回はレギュラーとしてチームを引っ張る3人にこれまでの戦いや冬場の練習、夏に対する思いを語ってもらった。
【座談会参加メンバー】
準決勝で敗退した春、ツーアウトからどう抑えるかがチームの課題
左から猪奥毅、津野一樹、植田理希選手(福井工大福井)
―― 監督が変わりましたが、新チーム結成当初はどのような状態でしたか?
津野一樹(以下、津野): 全然、練習試合も勝てなくて悩んだこともありましたが、秋の大会で北信越大会まで行くことができて。センバツには届きませんでしたが、いい経験ができたと思います。
植田理希(以下、植田): 去年のチームでベンチに入っていた選手が一人もいなかったので、勝っていけるのかという不安はありました。
猪奥毅(以下、猪奥): 植田と同じですが、メンバーに誰一人入っていなくて、本当に一からのスタートでした。監督も変わられて本当にやっていけるのかなという不安はありました。
―― 秋は北信越大会まで進みましたが、振り返ってみてどうでしたか?
津野: みんな緊張や不安があった中で、その時の自分たちの力は出し切れたと思うのでよかったと思います。
植田: 僕たちは守備からリズムを作るチームを目指していたので、秋の大会でも守備からリズムを作って勝つ野球ができたのでよかったと思います。
猪奥: 接戦で負けてしましましたが、接戦に持ち込んで粘り勝つ野球を目指していたので、そこはいい経験になったと思います。
―― 秋を終えて、冬場の練習に入りましたが、冬場の練習で思い出に残っていることはありますか?
津野: 連続ティーです。20球1セットで1日1000球近くは打ち込みました。スイングスピードは速くなりました。
植田: 技術練習をした後にウエイトや走り込みをして下半身の強化やパワーが上がったと思います。
猪奥: 僕も連続ティーです。ボールに対して強く振る力が付いたと思います。
―― それぞれの長所とそれを伸ばすために取り組んできた練習を教えて下さい。
津野: 自分は打撃が持ち味なので普段から強く振ることを意識してずっとやっています。
植田: 中軸を打たせてもらっているのでチャンスで一本を出せるように練習のシートバッティングやフリーバッティングで集中して取り組んでいます。
猪奥: 僕は足です。練習の中から練習の中から常に先の塁を狙って相手にプレッシャーをかけられるような走塁を目指してやっています。
―― 春は準決勝敗退でしたが、振り返ってみてどうでしたか?
津野: なかなか初戦からチャンスでの一本が出なくて点を取ることができませんでした。準決勝の坂井戦でもチャンスで一本が出なくて勝ち切れなかったので、夏に向けてチャンスで一本が出せるようにするのと、守備面でツーアウトからどう抑えるかがチームの課題だと思うので克服していきたいです。
植田: 秋と違って春は点を取られてからの試合が多かったのですが、追いついて逆転したり、追いつく力が付いてきたのがわかった春の大会でした。でもミスが出たりチャンスで一本が出なかったりまだまだ甘い部分があるので、それをこの夏までの期間を利用してミスをなくしたり、チャンスでどう一本を出すかを工夫していきたいです。
猪奥: 大会でも何とか自分の野球ができるようになったと思うので、1点をどう守ってどう取るかを夏までに突き詰めてやっていきたいです。
[page_break:甲子園に出るために福井へ来た、そのチャンスもあと1回]甲子園に出るために福井へ来た、そのチャンスもあと1回
2012年以来となる夏の甲子園を目指す
―― 今年のチームのいいところはどういう所だと思いますか?
津野: 一度ノると止まらないところです。
植田: 守備面でミスが出てもその後にカバーできたり、みんな一人ひとりの信頼があってチームワークがいいチームだと思います。
猪奥: 元気があって面白いところだと思います。
―― 皆さんの出身はどちらですか?
津野、植田: 大阪です。
猪奥: 僕は奈良です。
―― 関西から福井工大福井に行こうと思った理由は何ですか?
津野: 甲子園に行くためです。
―― 部員も多いですが、どうやって競争を勝ち抜いてレギュラーを勝ち取れましたか?
津野: 1年生の時から何とか目立とうと練習してきました。打撃面で目立とうと思ってやっていました。
―― 部員が多い中で全員が同じ練習をしていますが、それについてはどう思っていますか?
津野: 全員が同じメニューをやることによって、個人でその練習の中で自分が出られるかを考えられると思うので良いことだと思います。
猪奥: 同じ練習をやっていく中で自分ができていて他の人ができていないことであったり、その逆もわかるのでいいことだと思います。
―― 津野君はどんなキャプテンですか?
植田: 普段の練習中では、みんなを集めて士気の上がる言葉を言ってくれています。人数が多い中でしんどい練習を率先してやってくれているので、津野に着いていこうとみんなが思っています。
猪奥: 野球と普段の生活のギャップと言いますか、普段はおちゃらけている感じはありますが、野球では俺についてこいという感じです。
―― 夏に向けての意気込みをお願いします。
津野: 去年、一昨年とセンバツには出ていますが、夏の甲子園は2012年から遠ざかっているので、何としてでも自分たちの代でしっかり夏の甲子園に出たいという気持ちが強いです。
植田: 自分が1年生の頃から夏の大会は簡単に勝ち上がれないのを見て感じていますが、チームが一つになれば夏の甲子園に出られると思うので秋、春と負けた悔しさを持って練習から全てを夏のためにやっていきます。
猪奥: 甲子園に出るために福井に来て、そのチャンスもあと1回しかないので、何とか出たいという気持ちを持って、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。
100回記念の夏に、彼らが福井でで旋風を巻き起こすのを楽しみにしたい。
(文=馬場遼)