目次

[1]全てにおいて0からのスタート
[2]100回大会は1年目の集大成


 福井県の強豪校として名の知られている福井工大福井。春5回、夏7回の甲子園出場経験を持ち、近年でも昨年のセンバツで16強と存在感を示している。そんな福井工大福井で昨年、大きな変化があった。16年間にわたってチームを率いてきた大須賀康浩監督が昨夏限りで勇退し、新たに田中公隆監督が就任した。かつては大阪桐蔭中田 翔(日本ハム)や森 友哉(西武)などをコーチとして指導した実績を持つ田中監督。新監督となって初の夏を控えるチームに密着した。

全てにおいて0からのスタート


 昨夏から就任した田中公隆監督は、大阪桐蔭の2年生時に控え捕手として1991年夏の甲子園優勝を経験。その後、福井工大で野球を続け、卒業後に静岡学園でコーチに就任し、指導者としてのキャリアをスタートさせる。静岡学園でコーチを4年、監督を2年務めたのち、2003年に母校である大阪桐蔭のコーチに就任。そこで中田 翔森 友哉といった一流選手を育て上げた。そして2013年から福井工大福井に着任し、主に打撃指導を担当。そして昨夏の大会終了後から監督として指揮を執っている。

 昨夏、新監督の下で津野一樹主将(3年)を中心に新チームが指導した。昨年は3年生が73人と多く、ベンチに入っていたのも全員3年生。1、2年生に公式戦の経験がある選手がおらず、監督、選手ともに0からのスタートだったのである。

 経験の少なさゆえに新チーム結成当初は練習試合で勝てないことも多かったという。選手たちにも勝っていけるのかという不安はあったが、秋の福井県大会は3位で北信越大会の切符を掴む。北信越大会では1回戦で日本文理に敗れたが、津野は「不安があった中で力を出し切れた」と手応えを感じることができたようだ。

 冬場は「とにかく自分の技量と精神力を向上させるためにその土台にあたる体力を付けようということで、体力強化を重点的にやってきました」(田中監督)と体力強化に力を入れてきた。特に力を入れたのがウエイトトレーニングだ。「サイズアップを実感しながらやっていくことが良いのではないか」という田中監督の目論み通り、リードオフマンを務める猪奥理希(3年)も「振る力がついた」と効果を実感している。「技術を身に付けて伸びた選手が、秋まではできなかったバッティングやピッチングができるような実感を持てるところがたくさん見受けられました」と田中監督は選手たちの成長ぶりには満足しているようだ。