第468回 報徳学園 (兵庫)「基本」土台に、試合と「直結」し「魂」を出し切る2018年03月07日

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【目次】
[1]名門・報徳学園の練習環境、意外にも……
[2]「実戦直結への」報徳流基本守備
[3]厳しい状況設定で「球際の強さ」を出す
[4]冬の修正と「報徳魂」で夏の頂点へ


 兵庫県西宮市にある聖地・阪神甲子園球場から市内を7キロほど北に車を走らせた武庫川沿い居を構える報徳学園高等学校。過去春21回・夏14回の甲子園出場。うち1974年センバツ、1981年夏、2002年センバツは大谷 智久投手(早稲田大~トヨタ自動車~現:千葉ロッテマリーンズ)を擁し頂点に到達するなど、1932年の創部から現在に至るまで全国的な強豪として知られている。
 しかしながら、そんな名門の練習環境は決して恵まれているわけではない。では、彼らはなぜそんな環境でも「名門」「強豪」であり続けられるのか?今回は報徳学園の守備を中心にスポットを当て、球児の皆さんにも参考になる強さの形成方法を探っていきたい。

名門・報徳学園の練習環境、意外にも……


グラウンドはラブビー部と共用で使ってる

 兵庫県西宮市の武庫川沿いにある近畿地区私学の雄・報徳学園。2017年は永田 裕二監督の勇退大会となったセンバツでベスト4入り。今年も侍ジャパンU-18代表の小園 海斗(2年・遊撃手)をはじめ、有望選手たちが頂点への研鑚に励む。
 ただ、聖地での勝負強さから「逆転の報徳」の異名も持つ名門の威光を前に、身を正してグラウンドに足を踏み入れた筆者の前に広がっていたのは、意外ともいえる光景だった。

 レフト側へ縦長のグラウンドにおいて、野球部専有のスペースは内野ダイヤモンドのみ。センターからライトのスペースは先の第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会で、ノーシードからベスト8入りしたラグビー部が共用。さらにその奥はサッカー部がボールを蹴る。よって打撃練習はバックネットに向かって打ち込むのが日常風景である。

 室内練習場もない。雨が降った際の練習はセンター後方にある自転車置き場を活用しての羽根打ちやトレーニング程度。教室の1室を使ってのトレーニング施設は整っているとはいえ、専用球場・室内練習場を持つ他の強豪校と比べて圧倒的なハンデを抱えている。

 しかしながら、昨年4月からチームを率いる大角 健二監督は極めて前向き。「他の部とはメニューによって、時間を分けて使いあっています。これでも外野を人工芝にしてから、砂埃が上がらなくなってよくなったと思いますよ」。確固たる自信が言葉に宿っている。

 そんな自信を生み出すベースとなっているのは報徳学園の伝統である確立された基礎練習、さらに実戦に直結させるノックがある。幸いにも取材日の練習は1年生を中心とした守備が主体。ここで彼らの成長過程を探っていくことにしよう。

【次のページ】 「実戦直結への」報徳流基本守備

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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