第453回 県立三本松高等学校(香川)「甲子園優勝」への中期・短期・日々目標設定【後編】2017年10月30日

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[1]経験を「発展」させ、甲子園ベスト8へ
[2]「100回大会世代」へ向けたアドバイス

 2017年9月。
「応援ありがとうございました」の張り紙が校舎に掲げられるなど、いまだ真夏の甲子園ベスト8の余韻が残る香川県立三本松高等学校。3年生は「愛顔つなぐえひめ国体」を控えているとはいえ、すでに1・2年生中心となった通常練習直前のベンチ前には横長のホワイトボードが掲げられた。

 左上に「最大目標」として大書きされたのは「甲子園優勝」。これは3年生たちもたどった道のり。では、三本松はいかにして、最大目標に近づいていったのか?今回はその設定法と具体的なアプローチを日下 広太監督と3年生たちの証言から迫ってみたい。

「甲子園優勝」への中期・短期・日々目標設定【前編】から読む

経験を「発展」させ、甲子園ベスト8へ

川﨑 愛弥(三本松)

 自立・自律を求め、「球種」でなく「高低」を求めてきた佐藤 圭悟の活躍によって春の四国大会もベスト4進出。ただ、三本松はあえて夏に佐藤の活躍を排したアプローチをかけた。
「佐藤は夏は研究されると思ったし。香川大会では予想通り打たれた」5番を打った川﨑の冗談は本音も多分に含まれている。

「春の四国大会準決勝の敗戦で香川大会では打線を固定した方がいいと思いましたし、早稲田実との県高野連招待試合では佐藤、渡邉のバッテリーが甲子園を想定した配球をしてくれた。それとその1週間前、打てるし走れる愛工大名電(愛知)と練習試合で対戦した経験が一番大きかった。香川大会でも選手たちに聞いたら『でも、愛工大名電の方が上です』と言ってましたから(笑)」(日下監督)

 甲子園優勝へのあらゆる可能性を排除せず、発展させていく。これが香川大会防御率3.16と佐藤が苦しんだ中、スタメン9人中7人が打率.350、チーム打率.387での24年ぶり香川大会につながった。

 よって、三本松にとって甲子園の2試合は「甲子園優勝」を目指し、香川大会までの集積を最大限発揮する場となった。中でも3回戦の二松學舍大附戦では「最最最最最大集中」の指揮官号令で序盤をしのぐと、「セオリー通り低めに集めて、併殺を取りにいくことがはまってくれた」佐藤 圭悟渡辺 裕貴のバッテリーに内外野守備が連動し、4併殺を奪っての5対2快勝。9回表には3得点と攻守に持ち味を出した。

 だからこそ周囲が称賛するベスト8に対し、日下監督はもちろん全部員は誰も満足していない。
「悔しい思いしかない」副主将・川﨑の絞りだし方は3年生たちを代表する弁である。

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渡辺 裕貴(三本松) 【選手名鑑】
三本松 【高校別データ】

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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