目次

[1]走塁に付随する打のプレッシャーのからくり
[2]打たないことでプレッシャーをかける
[3]センバツで魅せた土壇場でのダブルスチールの真相

健大高崎(群馬)「対応は柔軟、プレッシャーは一貫」【Vol.1】から読む

 なぜ機動破壊は全国で猛威を奮うのか。それは相手の心理を突くことを一貫して行うことができているから。今回は勝率を高めるための逆算の理論に迫ります。

走塁に付随する打のプレッシャーのからくり

練習風景(健大高崎)

 ランナーを出せばあらゆる角度から動揺を誘ってくる。これだけでも相手チームからすれば相当のプレッシャーがかかるが、健大高崎の場合、ここで話は終わらない。

 勝率を高めるための「逆算の理論」が整っているのだ。
引き続き毅コーチの解説に耳を傾けてみよう。
「ランナーが一塁にいたとしても、基本的にバッターの邪魔はしたくないんです。つまり、走るまで待ってもらうようにはしない。ランナーはランナーで勝手にやるから、バッターは好球必打のスタンスです。でもピッチャーはランナーが気になる。結果、ボールが浮く、コースが甘めに入る。そこできっちり打つ。甘いボールを打つ確率の高さは、当初思い描いていた姿に近づきつつあります」

 機動力でピッチャーにプレッシャーをかける。すると投球が甘くなる。だが、絶好球が来たからといって必ず打てるとは限らない。打率を上げるためには相応の打力が必要になる。健大高崎はこの打力の必要性を、機動破壊を始めて以来ずっと感じており、たゆまぬ努力を続けてきた。毅コーチの意見に、美峰コーチも同意する。

「自分の中の『機動破壊』は打つチームほど完成に近づく。仮に打てない試合が出てきても、機動破壊を使って攻略するのが最終目的地です」