目次

[1]選手の中身を大きく変えた毎朝の30分~40分の学習時間
[2]勉強ができる選手はなぜ野球もうまくなるのか?
[3]上昇のきっかけとなった夏のつくば秀英戦

 茨城県水戸市にある常磐大高。昨秋は県大会ベスト4まで勝ち進み、関東大会まであと一歩に迫った。過去数年、早期敗退が続いていた常磐大高がなぜ大きく変わったのか?その改革の中身に迫った。

選手の中身を大きく変えた毎朝の30分~40分の学習時間

海老澤 芳雅監督(常磐大高)

 常磐大高は、2007年夏には菊池 保則投手(東北楽天)を擁して、茨城大会準優勝。さらなる躍進に期待がかかったが、そこから春・秋では地区予選敗退。夏は初戦敗退の年もあった。そして2014年夏岩瀬日大に2対4で敗れ初戦敗退。2014年秋は地区予選水戸商に0対8で敗れ、苦しい時期が続いていた。常磐大高はこの状況を打破したい思いで、水戸桜ノ牧で監督を務めていた海老澤 芳雅監督に野球部再建を託した。

 海老澤監督の歩みを振り返ると、水戸農時代は速球派投手として活躍し、卒業後は日体大などでプレー。平岩 了監督(都立豊多摩)、岡田 龍生監督(履正社)、有馬 信夫監督(都立総合工科関連記事)など、その後高校野球で監督を務める方々と一緒にプレーしていた。指導者になると茨城東時代は、監督として1997年夏の甲子園出場を果たし、そして水戸桜ノ牧に赴任した後も高い指導力を発揮。2006年、2009年の夏は茨城大会準優勝、2008年2009年には2年連続で秋季関東大会に出場を果たすなど、水戸桜ノ牧を強豪校に育て上げた。

 そして2015年春、海老澤監督は常磐大高の監督に就任。初めて私立校の指揮を執ることとなった。海老澤監督がまず行ったのは、朝の学習時間を取り入れたこと。
「私が赴任する前の野球部員は、学業の成績も低く、そして野球の成績が芳しくなかったということもあって、学校側からお荷物扱いされている見方がありました。これではいけないと思い、野球部は朝の始業前に30分~40分の学習時間を毎日行おうと決めました。そしてテスト1週間前になれば勉強会を集中的に行い、まずは勉強ができる生徒になることを目指す。朝の勉強は学校の先生から信頼を得るためにスタートしました」

 この取り組みにより、多くの選手たちの評定平均が大きく上がった。正捕手の石川 大悟は進学コースだが、なんと学年トップの5.0。エースの平野 龍翔は入学時の評定平均は3.0ぐらいだったが、4.4まで伸びた。バッテリーだけではなく、他にも3.0台から4.0台まで上げた選手が続出。毎日の朝学習の成果が実を結んだ。

 学業面が大きく伸びたことで野球部の校内の評価は急上昇した。
「学業が良くなると、中学時代までやんちゃだった選手がだいぶ真面目になりましたね。学校の先生から『野球部の生徒のみんなは頑張っていますね!』と声をかけられ、応援してくれる先生も多くなりました」と海老澤監督は選手たちの成長に目を細めた。

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