これまで春夏合わせて7度甲子園に出場し、初出場した1994年夏はベスト4に進出している佐久長聖。今年も夏は長野大会決勝で敗れ甲子園出場こそ逃すも、春は北信越大会を制し、秋は北信越4強に進出した。
佐久長聖を2012年4月より率いているのが、藤原 弘介監督だ。
PL学園の監督時代、3度甲子園出場を果たした藤原監督は、12年夏と14年夏の2度、甲子園へと導いた。
長野の強豪の一角として存在感を示している佐久長聖の藤原監督に、この秋の戦いを振り返っていただくとともに、オフのテーマや取り組みなどをお聞きしました。
新チームは前年秋から始動し、1年計画でチームを作る

マウンドに集まる佐久長聖ナイン
【秋季北信越大会準決勝 佐久長聖vs敦賀気比レポートより】
佐久長聖は今秋、北信越大会の準決勝で敦賀気比に3対7で敗れた。
敦賀気比は秋の北信越を制し、神宮大会でも準優勝を果たしている。
藤原 弘介監督は「敦賀気比さんは力がありましたね。どんな局面でも慌てないですし…パワーの差も感じました」と振り返る。が、すぐにこう続けた。
「確かに底力が違うのかもしれません。でもスコアブックをよくよく見直すと、勝てた試合だったかもしれない。こちらのミスで相手に流れを渡さなければ、3対3のまま終盤まで持ち込めたはずだし、5対3で勝ちたかった試合でした」
この試合、佐久長聖は6回まで3対0でリードして試合の主導権を握っていたが、7回に1点差に詰め寄られると、8回には5点を奪われるビックイニングを献上してしまった。
この敗戦を踏まえ、オフは「接戦になった時の、バットを振る力を蓄えていく」そうだが、一方で「ここまでやってきたことへの手応えは感じています」と藤原監督は言葉に力を込める。
実は新チームがスタートしたのは、今年の3月。
長野大会決勝で上田西に敗れた、夏の大会の後ではない。来年夏に結成される次のチームは、今秋、すでにスタートを切っている。
「それまでは夏が終わったら、全員にチャンスを与え、そこからレギュラーを絞り込んでいたのです。長野の場合、秋の予選は選手の入れ替えができるので、例年、予選が始まってもレギュラーは確定していませんでしたね。でもウチは(現チームも1、2年生合わせて100人近くと)大所帯なので、このやり方だと、どうしても時間が足りない。そこで今年の1月、ウチ以上に部員数が多い聖光学院にうかがい、斎藤 智也監督に、新チームへの移行をどのようにやっているのか、教えてもらったのです」