目次

[1]アーム矯正方法
[2]3つのアーム矯正方法

3つのアーム矯正方法 【取材高校:倉敷高校】

山本監督が提唱するアーム矯正法は大きくわけると3つある。

1:クロール
2:医学的矯正法
3:肩回し
その他:缶を使った矯正法

1:クロール

「(水泳の)クロールって、非常に野球の動きと似ているんですよね。故障をする選手っていうのは前で、前で投げようとする。それを肩甲骨から上げようと意識させることでひじのラインが上がる。ひじのラインが下がった状態だと外旋した時に、負担が大きい」。
 ひじを落とさないような動きを覚えることが必要なのだ。「ひじの位置は悪くてレベル。アンダースローでも姿勢がかがんでいるだけで、肩のラインよりひじは上ですからね」とも、山本監督は言う。

  • クロール1
  • クロール2
  • クロール3
  • クロール4

2:医学的矯正法

「一番簡単な方法で、アメリカのトレーナーやドクターなどが故障明けで投げ方を忘れてしまった選手などに教える矯正方法です。右投手なら、右手親指を恥骨のあたりに合わして、そのまま右胸まで上げてくる。そして、そこから腰を回転させる。何をやっても治らない選手は、これで治ります。ちょっと機械的なんですけど、コントロールがつきやすい。ただ、遊びがないかなと思います。」

  • (1)右手親指を恥骨のあたりに合わして
  • (2)そのまま右胸まで上げて
  • (3)そこから腰を回転させる
  • (4)そこから腰を回転させる(正面)
  • (5)そのまま振り下ろす

3:肩回し

「クロールと似ていますが、肩を前に回しながら足をあげて、そこから投球動作に入って、腰を回転させる。そうしたら、自然と肩が上がってきます」

  • 肩を前に回しながら
  • 肩を前に回しながら
  • 肩を前に回しながら
  • 足を上げ、
  • 投球動作に入り
  • 腰を回転させる

その他:缶を使っての矯正法

 他には写真は写せなかったが、缶を使っての矯正法も興味深いので、紹介したい。
缶の中に水を入れて(少量)、上からつかむ。そして、これを持ちながら、軽いシャドウをしてみるのだ。テークバックからトップを作る動作の時、水をこぼれないようにスイングするのだ。アームの選手はこの時点で、手のひらが上に向いてしまう場合が多く、これを、水がこぼれないようにスイングすること、その癖が取れるという。

 山本監督は「すべてが全員に当てはまるわけではなく、缶で治る子もいれば、クロールが合う子もいる」と話す。それは指導者がすべて、強制して教えるものではないということ。大事なのは見極めることで、導いて指導するのが役目なのではないだろうか。インスタントな指導法ではいけないということである。「分からないモノは分からないで、分かる人に聞けばいい。それを分からないのに、教えるから、選手は潰れる」と同監督は言う。

 最後に山本監督はこんな例をあげて、興味深い話をしてくれた。
「クリケットって、知っていますは?野球の基礎になった競技ですよね。あれは、ピッチャー、ひじを使っちゃいけないんです。ルール違反なんです。なんでかと言うと、危ないから。ひじを使うと、速い球を投げすぎちゃうから、上から振りおろす投げ方でしないとだめらしいです。つまり、野球でアームで投げている選手っていうのは、それだけでもハンディを背負っているってことなんですよ」。 プチ、プチっという、指先にボールが掛かる音を感じながら投げるという感覚。投げる楽しみも感じるためにも、ぜひ、アームを強制した投げ方を体得してほしい。

【文=氏原英明

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