手束仁の 都立片倉高校野球部岐阜県遠征同行日記

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第5回 手束仁の 都立片倉高校野球部岐阜県遠征同行日記 ~第二日目~2013年08月25日

【目次】
第一日目:8月2日(金) 第二日目:8月3日(土) 第三日目:8月4日(日)

長良川スポーツセンター研修プラザのお弁当を食べる

長良川スポーツセンター研修プラザのお弁当を食べる

8月3日(土)
 遠征2日目の相手は岐阜城北だ。場所は城北というくらいで岐阜城のある金華山を越えたところで宿泊先から比較的近い場所である。選手たちは、朝6時前後に起床して、三々五々散歩をして体を覚ます。そして、朝7時の朝食に集まった。

 朝食の会場が、時間の都合でいくつのもチームが重なってしまった関係で、施設の都合で2カ所に分かれることになってしまった。ちょっと「えっ?」という感じになったものの、選手は臨機応変に対応。

 ちょっと「えっ?」という感じになったものの、選手は臨機応変に対応。47人の人間が、乱れず行動出来て、すぐ次の対応が出来るかどうかというのは、やはり大変なことだ。こうした中で団体行動を学んでいくことも遠征合宿のもう一つの意義でもあるのだなということも感じていた。責任教師として今回の遠征合宿の宿泊関係や昼の弁当の手配などを行っていた増田直樹部長も、「これだけの生徒が、混乱もなく次の行動へ移れることは、当たり前の大事なことなのだけれども、実は結構大変なことなんですよ」と言っていた。部活動としても、こうした一つひとつもチーム力を高めていくことにつながっていくだけではない。部活動で学ぶ要素の一つとしても大事なことなのではないだろうか。

 出発は8時。岐阜城北は、83年に創立した岐阜三田岐阜藍川を吸収統合する形で、04年に新しく出来た学校だ。原則的に、校舎は岐阜三田だったものを使用しているのだが、野球部のグラウンドは使い勝手もあって岐阜藍川のモノを使用している。だから、正式には「岐阜城北藍川グラウンド」という言い方をしている。甲子園へは岐阜三田時代に2度、岐阜城北になってからも06年春に出場している。その年は、一関学院智辯和歌山神港学園を下してベスト4にしている。プロ野球選手としても、中日の伊藤 準規投手などを輩出している。県内では、実績のある強豪校の一つと言っていいだろう。

岐阜城北・鷲見君

岐阜城北・鷲見君

 岐阜城北藍川グラウンドは、左翼98m右翼93m、中堅が120mだが、右中間には旧岐阜藍川時代の部室が建てられているので、膨らみがないいくらか変形になっている。また、学校そのものが山を切り崩して造られたという感じなので土もやや硬いのかなという印象だ。外野後方は山に囲まれていて、三塁側の向こうは崖の下という景色になっている。そこには道路や民家もあり、飛び出したファウルボールが迷惑をかけないようにと、ホームベース上には飛び出し防止用のネットがかけられているので、ここでの試合はローカルルール適用となる。

岐阜城北 001 000 400=5
都立片倉 001 002 100=4

都立片倉 024 030 000=9
岐阜城北 222 000 100=7

 都立片倉は、夏も背番号1をつけていた長島君がこの遠征で初めて投げたが、予定通りの5イニングを1失点で抑えてまずまずの仕上がりぶりだ。1~3回まで毎回先頭打者を出してしまっていたが、要所は抑える投球だった。試合としては、2番手として登板した矢ケ崎君が7回に四死球で乱れて最後、左腕馬場君のリリーフを仰ぐことになった。

 スピードのある矢ケ崎君は、それが魅力なので多少の制球の乱れは目をつぶるとしても、それが続いてしまうところに、宮本監督としても、次の成長への課題としていた。馬場君は、左腕独特のカーブが武器で、前日同様ここというところで抑えられていた。岐阜城北の鹿野浩史監督は、「こういう競り合った形で、緊迫感のある試合が出来たということはいいこと。ウチとしては、9回に一打同点かという場面で抑えることが出来たのは、よかったと思います」と、この試合を投げた坂君、山本君の投手に関しては、合格点を出していた。内外野の守りも、そんなに穴がなく、岐阜城北は1週間後となっている地区ブロック予選へ向けては、順調のようだ。

 2試合目は、前半はいくらか乱戦気味になってしまったが、中盤片倉は一塁手からリリーフした鈴木 大地君が試合を作り直した。岐阜城北も、5人の投手を起用したが、最後を締めた鷲見君の気合いの投球が光った。

 この日は、長良川の花火大会の日でもある。せっかくだから、日本三大花火大会の一つと言われている長良川花火大会を鑑賞しようというイベントも組まれていた。といっても、宿舎の敷地を出ることなくロビーから少し出て階段のところに陣取れば、フルサイズで花火が楽しめるという好ロケーションなので、皆がそこに座って見ていた。スケジュールもそれに合わせて進行して、16時半に宿舎に戻ると、18時半の夕食までに、各自が入浴と洗濯などをすませた。そして食後、19時10分から次々に打ち上げられる花火を満喫した。

 そして、花火の余韻もそこそこに、21時からはミーティング。ボクも、翌日の相手となる県立岐阜商の歴史などを少し、お話させていただいた。そして、「県立岐阜商のような伝統校と試合をすることで、それぞれが、何かを感じて掴んで欲しい」というようなことを伝えさせてもらった。

(文・写真=手束 仁

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岐阜城北 【高校別データ】
都立片倉 【高校別データ】

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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