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【2015年ドラフト 高校生野手編】今年はスター性のある選手がずらり!東西を代表する野手を一挙紹介!

2015.10.15

 今年はオコエ瑠偉関東一)、平沢大河仙台育英)などとスター性のある選手が実に多い。チームの柱になっていく選手が多くなりそうな、今年の高校生野手を追ってみた。

オコエ 瑠偉、平沢 大河など攻守ともに高い才能を秘める野手が揃った東日本地区

オコエ 瑠偉(関東一)

 高校生野手のナンバーワンはなんといってもオコエ瑠偉関東一)だろう。高校生レベルを超越した走塁、守備を誇り、打撃も飲み込みの速さで一気に上達。球団にもよるが、1年目から二軍ならばすぐにレギュラー起用されるだけの実力は備わっているので、外野手レギュラーの年齢層が高いチームは狙いにいくべき選手だろう。1位候補とも言われているが、どのチームがオコエとの交渉権を獲得するのだろうか。

 そして、次に高く評価されるのが平沢大河仙台育英)。平沢の長所は木製でも広角に打ち分ける打撃センスの良さや、速球に対しても振り遅れないスイングの強さだ。打撃レベルは高校生にしては非常に高く、すぐに二軍レベルならばレギュラーを獲得できるだろう。無駄がなく俊敏な動きが光る遊撃守備、一気に二塁、三塁を奪う走塁技術の高さと、走攻守すべてにおいて高いレベルを誇るが、やや好不調の波が大きいのが課題。また淡泊なプレーになるときがあるので、気持ちの波を少なくし、常に集中力を高めることができれば、早い段階で一軍での活躍が期待できるかもしれない。

 その他、東から有力な野手を見ていくと、昨年の甲子園で本塁打を放ち、捕手に転向した青木 陸山形中央)、優れたキャッチング技術と勝負強い打撃が光る柘植世那健大高崎)、走塁、守備と高いレベルを誇り、岩井 隆監督の指導により木製バットでも長打を打てるようになった強打の外野手・大瀧愛斗花咲徳栄)も外野手候補としてリストアップしたい選手。

 渡邉大樹専大松戸)は、パワフルな打撃、肩の強さを生かした遊撃守備、常に二塁、三塁を狙う走塁と脚力の高さを誇る大型遊撃手で、荒削りな選手ではあるが、うまく嵌ったときは高いレベルでの活躍も期待できそうだ。

 千葉県にはスラッガー候補・網谷圭将千葉英和)がおり、こちらも自慢の長打力を伸ばしていきたい。勝俣翔貴(東海大菅生)は今年の外野手候補の中ではピカイチの打撃技術、長打力を誇る選手でU-18ワールドカップでも二冠王を獲得したように、木製バットにもしっかりと順応しているだけに、上位での指名の可能性も高そうだ。

 下地滉太日大藤沢)はスローイング技術は非常に高いものがあるが、キャッチング、ボールを捉える技術に課題を抱えており、プロに限らず、どのステージにも進んでも捕手として磨きをかけなければならないものが多い。

  U-18で正捕手として活躍した堀内謙伍静岡)は、春に比べて攻守両面でレベルアップを果たした。打撃では逆方向にも強い打球を打てるようになり、また守備でも安定感あるキャッチング、スローイングができるようになり、どっしりとしたプレーができるようになった。タイプとしては近藤 健介(北海道日本ハム)のような活躍を期待したい選手。

 小柄ながら谷川原健太豊橋中央)は勝負強い打撃に加え、正確性のあるスローイングが持ち味の強肩捕手だ。また岐阜大会初戦敗退となったが、強打の遊撃手・米田虎太郎帝京大可児)も候補に挙がりそうだ。投げては140キロを超える速球を投げ込む出口匠津田学園)は打者としても高校通算40本塁打を超える長打力が魅力のスラッガーだ。

プロ志望届け提出選手に関連する記事はこちらから
【インタビュー】オコエ 瑠偉選手・前編(2015年04月04日公開)
【インタビュー】オコエ 瑠偉選手・後編(2015年04月05日公開)
【インタビュー】平沢 大河選手(2015年02月27日公開)
【インタビュー】勝俣 翔貴選手(2015年02月26日公開)
【インタビュー】勝俣 翔貴選手(2015年10月06日公開)


注目記事
・2015年ドラフト特設ページ
・10月特集 今こそ鍛えたい!守備のキホン
・2015年秋季大会特設ページ

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スラッガータイプが集結した西日本地区

 関西地区は強打者が多い。廣岡大志智辯学園)はボールをしっかりとコンタクトする能力や長打力、そして勝負所ほど燃えるメンタリティの強さなど、打者として優れたものをたくさん持っている。さらに、ダイナミックな動きを見せる遊撃守備、肩の強さと攻守ともにバランスがとれた大型内野手で、若手内野手が欲しい球団にとっては絶好の素材といえるだろう。

 高校通算97本塁打の黒瀬健太初芝橋本)は、97本のうち木製バットで打った本塁打が3本あり、木製バットで長打を打つコツをつかんでいる。荒削りな打者だが、現代の野球では数少ないスラッガータイプであり、強打の捕手として台頭できるか。ただこの春~夏にかけて肩を故障していたということもあり、長打力を生かして、内野手を守ることが多くなりそうだ。

 国体2試合で3本塁打を放った春野航輝智辯和歌山)は打球の角度、飛距離に秀でたものがある。この長打力を伸ばして育てたい球団が現れるか。

山本 武白志(九州国際大付)

 姫野優也大阪偕星学園)は投手としても140キロ以上の速球を投げる好投手だが、どちらが将来性があるかといえば、野手としてだろう。技術的な課題はあるが、一発を打つ長打力、俊足を生かした外野守備、そして抜群の強肩で、桁違いの才能を持った選手が多く集まるプロでは、野手としての方が目立つことができるだろう。

 青柳昴樹大阪桐蔭)はパンチ力ある打撃、強肩が持ち味の強打の外野手だが、打撃フォームが固まらず、最後の夏は大爆発とはならなかった。指名を受ければ、大阪桐蔭では2010年から6年連続の高卒指名となる。

 山本武白志(九州国際大附)は甲子園で3本塁打を放ったが、打撃、守備もまだ荒削り。すぐに順応するタイプではないが、打撃では脱力するコツをつかんで、守備面も思い切りの良さを生かすことができれば、幕張のファンタジスタと呼ばれた初芝 清(現・セガサミー監督)のような人気打者になる可能性があるかもしれない。そして山本と同じく九州国際大付岩﨑魁人は、打撃の確実性、メカニズムは昨年プロ入りした清水 優心(北海道日本ハム)より良い。また課題となっていたスローイングも2.00秒前後を計測するようになり、攻守で成長を見せている。プロ側がどう評価するか注目である。

 川瀬晃大分商)はエースの森下 暢仁とともに注目された遊撃手。身のこなしの良さが光る守備、左右に打ち分ける打撃と野球センスは高く、中島卓也(北海道日本ハムファイターズ)を彷彿とさせる選手だ。

 今年は野手の当たり年と言える年で、オコエ、平沢のような二軍レベルならばすぐにレギュラーで活躍できる選手もいれば、姫野、山本、春野、黒瀬のように、時間はかかりそうだが驚くような成長を見せる可能性を秘めたスラッガーもいる。指名するだけではなく、どんなプランを持って育成するかも楽しみである。ぜひプロへ進んだ多くの選手が一軍で活躍することを期待したい。

(文=河嶋 宗一

プロ志望届け提出選手に関連する記事はこちらから
【インタビュー】廣岡 大志選手(2015年01月04日公開)
【インタビュー】黒瀬 健太選手(2015年03月19日公開)
【インタビュー】黒瀬 健太選手(2015年10月07日公開)


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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