第15回 ドラフト高校生 投手編 後編 「西日本を代表する右の本格派と高校生左腕を紹介!」2014年10月18日
【目次】
[1] 立田将太、岩下大輝など西日本、東海、北信越地区の逸材
[2] 九州は小野郁、佐野晧大など多くの右の本格派が揃う
九州は小野郁、佐野晧大など多くの右の本格派が揃う

最速153キロを誇る小野郁(西日本短大附)
九州地区ではトップに挙げられるのが小野 郁(西日本短大附)だ。小野の最大のウリは独特の伸びを見せる最速153キロのストレート。ストレートの凄味という点については今年の高校生でもトップクラスの逸材だ。
また夏には背中が反るようなテイクバックを修正したように、投球を深く追求するようになってきた。そして高校通算25本塁打を放った長打力も魅力だ。打者としても評価する球団も多いだろう。
今年の夏は左手首を骨折してなかでも最速153キロを計測した。左手首の痛みが快癒すれば、さらにプロ入り後、恵まれた才能をフルに発揮することができるだろう。
吉田 嵩(海星)は甲子園で最速145キロを計測し、一気にスカウトの間で急浮上した逸材。肩肘が柔らかく、さらにプロのトレーニングを積んでいけば、球速があがっていくのではと期待を抱かせる右腕だ。素材としては実に申し分ないので、今後さらに投球術を追求できるかが成功の分かれ目となるだろう。
189センチの長身から投げ込む角度ある速球が武器の笹渕 塁嗣 (筑陽学園)。まだ本格化していないので、プロで高度なトレーニングに励めば、爆発的にパフォーマンスを伸ばす可能性を秘めているだろう。
佐野 皓大(大分)はスリークォーター気味の腕の振りから常時140キロ~145キロを計測する速球といい、曲がりの鋭いスライダーといい、とにかく出し惜しみすることなく、自分の武器で勝負する姿勢が良い。好調時では最速152キロまで到達する剛腕だが、細かいことを求めるよりも、フルに高いポテンシャルを常に発揮できる投手を目指すべきではないか。プロは高校とは違い、先発、中継ぎ、抑えと輝けるポジションがいろいろある。佐野はリリーフ向きの投手といえるだろう。
伊波 友和(美里工)は完成度の高いフォームから、140キロ前後の速球、キレのある変化球を投げ分け、まとまった投球を見せる選手だ。この夏、最速147キロまで球速を伸ばしてきており、最後の夏で見せた成長ぶりをプロのスカウトがどう評価するか注目してみたい。

- 編集長 河嶋 宗一
- 出身地:千葉県
- ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
- ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
- ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
- ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。