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先取り!2013年ドラフト候補特集(高校生編)

2012.11.07

先取り!2012年ドラフト候補特集(高校生編)2012年11月7日

来年2013年は、大谷翔平花巻東)や藤浪晋太郎大阪桐蔭)といった「ドラフト1位候補」と呼べる逸材は、この秋の段階では少ないが、現時点でのドラフト候補を紹介していきたい。

来年の中心投手は松井裕樹(桐光学園)!

松井裕樹(桐光学園)

 来年の中心投手は松井 裕樹(桐光学園)だろう。
躍動感溢れる投球フォームから145キロ前後の直球、縦に鋭く落ちるスライダー、カーブ、チェンジアップを織り交ぜ、夏の甲子園1回戦の今治西戦では、大会新記録となる22奪三振を奪い、歴史に名を残した逸材だ。間違いなく来年の上位候補に挙がる投手であろう。
現時点での課題はストレートのコントロール、クイック、牽制だ。各技術が向上すれば、ドラフト1位候補まで上がってもおかしくない。

 全国から各地域の代表する好投手をピックアップ。
北海道は大型右腕・吉尾 洸佑(駒大苫小牧)の成長に期待がかかる。
背番号15ながら全道大会4試合に登板。吉尾は角度ある直球、スプリットを武器に、準々決勝・北見北斗戦で13奪三振を奪う快投を見せた。あと一歩で甲子園を逃した悔しさをバネにどこまで成長出来るか注目したい。

東北では大型右腕・白鳥 翔(一関学院)、砂田 毅樹(明桜)の成長に期待がかかる。

白鳥は、最速139キロの直球、スライダー、チェンジアップを軸にまとめることが出来るのが強み。来年はスケールアップし、高卒プロを狙えるパフォーマンスを披露できるか。砂田は左投手特有のクロスファイヤーが武器の本格派左腕。既に速球の最速は140キロを超える。

関東では、松山 太志(習志野)。1年夏から4番を打ち県内屈指の長打力を持つスラッガーとして注目され、この秋から投手を務め、関東へ導いた。最速140キロを超える直球を武器にする本格派右腕で、夏までレベルアップを遂げていけるか。

最速143キロ右腕・小又 圭甫(千葉英和)、馬力ならば千葉県NO.1の140キロ右腕・林 雅啓千葉商大付)、1年春から関東大会のマウンドに登り、実績抜群の本格派左腕・岩崎 巧(前橋商)もスカウトから大きく注目を浴びる逸材。

最速142キロ右腕・山口 瑠偉(浦和学院)は、角度のある直球を武器にする。

 立川 慎(湘南学院)は140キロ右腕。熊谷 拓也(平塚学園)は横浜桐光学園を破った実力派右腕。神奈川ではこの2人の成長に期待がかかる。

谷岡 竜平(成立学園)

 東京都では伸びのある直球を武器にする中村 祐太(関東一)は投球の総合力を高め、上位候補に名乗りあがりたい。

最速144キロ右腕・谷岡 竜平(成立学園)は投球のスケールアップを。最速139キロながら、スライダー、ツーシーム、チェンジアップを巧みに投げ分ける投球を得意とする内野 聖士郎(創価)はスピードだけではなく、打ち難さを意識した実戦派右腕に成長してほしい。

 東海地区から鈴木 翔太(聖隷クリストファー)に期待がかかる。
 まだ細身ながら、しなやかな腕の振りから振り下ろす角度ある直球、スライダーを武器にする本格派右腕で、来春、以降の成長に注目してみたい。
 愛知では東邦の石田健人マルク三倉 進の二枚看板にチェック。石田は181センチの長身から最速140キロ前後を投げ込む本格派右腕。三倉は登板機会が少ないが、最速143キロの直球を武器にする左腕。三倉は打力もあり、投打で注目したい逸材。1年秋に150キロを計測した浦嶌 颯太(菰野)は主に控え投手だったが、素質は抜群なだけに春先に復活すれば、再びドラフト候補として注目されるだろう。

 北信越地区では、福井県の岸本 淳希(敦賀気比)、中村 文英(福井商業)の2人が筆頭だろう。岸本は右サイドから140キロ台の直球、スライダーを武器にする。中村は140キロ前後の直球に、スライダー、チェンジアップ、ツーシームを淡々と投げ分ける右腕。石川では最速143キロ右腕・北濱 俊介(金沢桜ヶ丘)の成長にも期待してみたい。

藤岡大士(桜宮)

 近畿地区は逸材揃い。大阪では最速143キロ左腕・平田 将(大産大付)、最速143キロ右腕・藤岡 大士(桜宮)、140キロ近くまで速くなった技巧派左腕・東野 龍二(履正社)、兵庫では185センチの長身から最速145キロを計測する中辻 神司(三田松聖)、144キロ右腕・乾 陽平(報徳学園)、和歌山から最速140キロながら、縦のカーブを武器として、実戦力が高い投球を披露する吉川 雄大(智弁和歌山)、最速146キロ右腕・三好 太生(高野山)と逸材が多く、来年の近畿はかなり熱い地区になっていくだろう。

 中国地区では児山 祐斗(関西)に注目が集まる。出所が見難い投球フォームから振り下ろす直球は130キロ後半だが、キレのあるスライダー、シュートをコーナーへ投げ分ける左腕。コントロールも良く、ひと冬の成長次第ではドラフト候補に名乗り挙がる可能性を持った逸材。島根から最速145キロの本格派右腕・増本 凌也松江商)の成長に期待がかかる。

 四国地区では最速142キロ右腕・津村 祐一郎(高知商)、大型左腕・小方 聖稀(明徳義塾)
の2人がドラフト候補だ。

 九州地区では188センチの大型左腕・甲斐 翼(宮崎日大)が一番の注目株。武田 翔太(現ソフトバンク)に続く高卒プロ入りはなるか。大阪桐蔭戦で好投を見せた大竹 耕太郎(済々黌)は来年までに球速、球威面で成長を見せれば、ドラフト候補に名乗り挙がりそうだ。

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打者は全国にドラフト候補点在!

渡邉諒(東海大甲府)

 打者では全国的にドラフト候補となる選手が多い。まず筆頭候補が東海大甲府渡邉 諒大阪桐蔭森 友哉だろう。

 渡邉 諒は、1年春に関東大会に出場。いきなりホームランを打って度肝を抜いた。その後、渡邉は長打力に加え、職人肌のショートストップに成長を遂げた。

 出足が速く、捕ってから投げるまでが速いダイナミックな守備は北條 史也以上だ。打てて守れる遊撃手としてマークしておきたい。

大阪桐蔭の甲子園春夏連覇に貢献した森 友哉は上位候補に入る捕手として注目される。打撃技術はすでに完成されており、甲子園では通算打率.421、3本塁打を記録。木製バットを使用したU-18世界選手権でも打率.323を記録している。守備面も1.9秒台のスローイングに、藤浪 晋太郎の良さを存分に活かしたインサイドワークと攻守両面で総合力が高い捕手。あと一年、他の捕手に追随を許さないパフォーマンス、実績を残していきたい。

森友哉(大阪桐蔭)

 神宮大会に出場する北照からセンター吉田 雄也に注目。逆方向に打ち返す巧みな打撃、守備範囲の広い外野守備、スタートが良い走塁と走攻守三拍子揃った左の外野手だ。

東北では走攻守三拍子揃い、打撃フォームは稲葉(日本ハム)を彷彿とさせる(上林 誠也仙台育英)、夏の選手権2回戦・浦和学院戦で、バックスクリーンへ大きな本塁打を放った全国屈指の強打者・園部聡(聖光学院)、ミート力が高く、フットワークが軽快な守備を見せる望月直也(盛岡大付)の3人に注目したい。

関東地区では大型捕手・若月 健矢(花咲徳栄)、俊足堅守のショート・竹村 春樹(浦和学院)、大型三塁手・遠藤 裕也(東海大相模)の成長に期待してみたい。東京では1年夏から正捕手として出場してきた石川亮(帝京)が注目。攻守両面でワンランク成長を見せることが出来れば、ドラフト指名候補に名乗り挙がる存在だろう。

 東海地区ではミート力のある打撃、フットワークが軽快な守備を売りとする中野 良紀(愛工大名電)、抜群の守備力のある久保田 幸輝(豊川)、吉富 大輝(菰野)は 181センチ、111キロとまさにドカベンのあだ名が付きそうな体格をしており、恵まれた体格から力強い打球を飛ばす。

 北信越地区では今年の長野大会で2本塁打を放ち、甲子園でもシャープなスイングで、鋭い打球を放った小川 大樹(佐久長聖)、強肩強打の捕手・山田 誠也(敦賀気比)、大型内野手・北村拓己(星稜)に注目していきたい。

 近畿地区では大阪桐蔭からは甲子園で通算3本塁打を打った笠松 悠哉、豪快な本塁打を見せる近田 拓矢、PLの大型コンビ・中山 悠輝前野 幹博、投打で高い才能を秘める榎本 和輝(京都翔英)が中心になるだろう。

中国地区では広島の野村謙二郎の息子・野村 颯一郎(崇徳)は県内を代表する大型遊撃手、1年夏から甲子園出場の大型内野手・島崎 翔真(如水館)の2人がドラフト候補の筆頭になるだろう。

 四国地区ではシャープなスイングが光るショートストップ・宇佐川 陸(済美)、強肩強打の三塁手・和田 恋(高知)に注目してみたい。

 九州地区で有名なのは大型三塁手・太田 晃平(九州学院)、抜群の守備力を誇るショートストップ・原田 大陸(佐賀学園)、1年春の九州大会で2本塁打を放ったスラッガー・岩重 章仁(延岡学園)の3人。逸材揃いの九州地区だけに、春先には楽しみな逸材が溢れてきそうだ。

春から夏にかけて、ここで記載した選手以外にもプロ注目の逸材が出てくるだろう。高校生はきっかけを掴むことができれば、大きく伸びていくのが魅力。2013年のドラフトが今から楽しみだ。

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(文=編集部河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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