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先取り!2012年ドラフト候補特集(高校生編)

2011.11.14

先取り!2012年ドラフト候補特集(高校生編)2011年11月14日

今年のドラフトが終わったところだが、すでに各球団は2012年度のドラフトへ向けて動き出している。まだ始まったばかりだが、現段階のドラフト候補を取り上げていきたい。

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スケールを感じさせる投手が粒ぞろい

藤浪晋太郎(大阪桐蔭)

 高校生では、まずこの3人が筆頭候補に挙がるだろう。花巻東大谷翔平大阪桐蔭藤浪晋太郎愛工大名電濱田 達郎
 大谷翔平は、今年の甲子園で150キロを計測。191センチとは思えないバランスの良さと身のこなしの良さを持っており、ストレートの回転の良さ、多彩な変化球を投げ分けられる器用さも際立っている。また、野手としてもリストワークの上手さを活かして左中間フェンス最深部に飛ばす巧さも兼備するなど、最上位候補に挙がるだろう。今秋の東北大会は外野手として出場。来年は、投手として復活し、目玉選手として世代を引っ張る存在になることを期待している。

 藤浪晋太郎も大谷にひけをとらない逸材。190センチの長身から角度と球威を兼ね備えた140キロ台のストレートを始め、スライダー、カーブ、フォークなどを操る投球はとても打ち崩せない。ただ、ここぞという時に勝てない勝負弱さが懸念材料だ。

 濱田 達郎は182センチ87キロと豪快な体格から最速147キロを計測する本格派左腕。高校生離れした大きなエンジンから投じる威力あるストレートに高校生は、まともに前を飛ばせない。元々太めの体格なので、フィールディング、クイックは苦手な印象である。投手としての総合力を高めることができれば、上位指名の可能性は高いだろう。今秋の神宮大会では、評判通りの投球を示すことができるか注目される。

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会田隆一郎(酒田南)

 北海道に現れた最速145キロ右腕・二階堂誠治(女満別)、ともに東北勢の最速143キロ右腕・近藤卓也(秋田商)、復活を目指す会田隆一郎(酒田南)にも注目したい。

 関東に目を向けると、地区的に北関東に人材が集結する。最速144キロの柿田兼章(桐生市商)、同145キロの星知弥(宇都宮工業)、今夏の甲子園4強入りした大谷樹弘(作新学院)らの名前が挙がる。
 さらに個人的に一押ししておきたいのが伊藤侃嗣(常総学院)だ。186センチの長身から振り下ろす140キロ台のストレートに目が留まった。手足が長い投手体型で、肩、肘が柔らかく、足も速い。本格的に投手を始めたのが2年春ということからも、まさに未完の大器といえる。

 山梨では、140キロ右腕・神原友(東海大甲府)、左腕の広瀬直紀(山梨学院大付)、将来性の高さが光る栗原洸(専大松戸)。東京では、甲子園で最速145キロを計測した川口貴都(国学院久我山)の成長に期待。147キロ右腕・山崎誠也と140キロ左腕コンビの石倉嵩也渡辺隆太郎(共に帝京)、187センチの長身右腕・大高光(日大鶴ヶ丘)にも注目してもらいたい。

 毎年、好投手が集う東海地区も見逃せない。岐阜県屈指の左腕・秋田千一郎(市岐阜商)、140キロ右腕・浅川哲志(菰野)、170センチの小柄ながら威力のあるストレートを投じる三浦浩太郎(三重)、長身左腕の小曽根圭吾(至学館)ら逸材がズラリと並ぶ。

 北信越では、最速145キロを誇る波多野陽介(日本文理)、186センチの大型左腕の森山恵佑(星稜)、躍動感のあるフォームから切れのあるストレートを投じる山本翔大(敦賀気比)に要注目だ。

 近畿では、1年時から注目を集めてきた逸材が比較的多い。青山大紀(智弁学園)は、投打ともに高い才能を持つアスリート型ピッチャーで、簡単には崩れない芯の強さも魅力である。田村伊知郎(報徳学園)の成長にも期待したい。さらに最速143キロ右腕・上 賢志郎(市和歌山商)、長身右腕・蔭地野正起(智弁和歌山)の和歌山勢にも目を凝らしたい。

 中国では、143キロ右腕・今井金太(広島国際学院)、今夏の甲子園を経験した矢沢駿(柳井学園)、大越基監督率いる早鞆のエース間津裕瑳も140キロ台を投じる投手だ。四国地区では、右サイドから常時140キロを超える福永智之(明徳義塾)、愛媛屈指の本格派・中川源和(宇和島東)に注目だ。

 九州では、まず巨人・笠原将生の弟・笠原大芽(福岡大城東)の名が挙がる。テークバックが大きいフォームから切れのある直球とスライダーのコンビネーションで勝負する。同じく大型左腕で最速145キロを計測する森雄大(東福岡)、右腕では速球派の柿沢貴裕(神村学園)に注目したい。

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総合力よりも一芸が秀でた野手の成長に期待

小林義弘(山梨学院大付)

 来年の高校生は、総合力よりも一芸が秀でた選手が目立つ。現段階では、総合力の高い選手よりも長打力を前面に出した選手がクローズアップされている。その中で筆頭に挙げられるのが小林義弘(山梨学院大付)と高橋大樹(龍谷大平安)であろう。

小林は、今夏の山梨大会5本塁打を打ったスラッガーで、豪快なスイングからボールを捉え、鋭い打球を飛ばす。技巧派投手にも対応していく器用さもあり、なかなか曲者の打者だ。高橋は、今夏の甲子園の新湊戦でレフトスタンドへ豪快なホームランを放ったスラッガー。全身を使ったフルスイングには迫力があり、ピンポン球のように打球を飛ばしていく。

 さらに一芸を秀でたという意味ならば、中村尋(千葉英和)、高山良介(作新学院)にも注目が集まるだろう。この二人は、関東大会でも本塁打を放つなど公式戦で実力を発揮している。

 走攻守の三拍子揃った遊撃手の石井一成作新学院)にも注目したい。バットコントロールの良さ、打球反応の良い守備、軽快な走塁にはセンスが感じられ、彼に足りない強さが加われば、来年のドラフト候補として注目を浴びて行く存在になるだろう。同じ遊撃手として北條史也光星学院)も華やかな動きを見せ、また、同僚の田村龍弘も一発を打つ長打力だけではなく、逆方向へ強い打球を飛ばす技術に要注目だ。

下妻貴寛(酒田南)

 大型捕手・下妻貴寛(酒田南)、センス溢れる遊撃手・京田陽太(青森山田)、184センチの大型遊撃手・長沢壮徒(甲府工業)、九州学院で1年時から活躍する溝脇隼人とスラッガー萩原英之。さらに野手として素晴らしい才能を持つ佐藤拓也(浦和学院)、俊足堅守の中村優作(石川金沢)、1年夏から甲子園を経験する大型三塁手・杉本京太(鳴門)、投打に渡って高い才能を持つ美間優槻(鳴門工)、島根県屈指のショート今岡寛晶大社)、選抜でアーチを架けた強肩強打の外野手・龍幸之介九州国際大付)にも注目したい。

 また、個人的に一押ししたいのが、186センチの大型外野手・秋山翔太(関東一)だ。まだ殻を破りきっていないが、素質が開花した時のポテンシャルは計り知れないものがあるだろう。

 投手は、スケールのある投手が揃い、ドラフトマニアにとっては結構楽しめる一年になっていきそうだ。野手では、比較的、総合力の高い野手が少なく、現状では物足りない印象だが、一芸が秀でた選手と小柄だけど器用な選手が中心になりそう。まだマークされていない逸材が、多く潜んでいると思われるので、来春にブレイクするような逸材が出てくることを期待したい。

 まずは11月下旬に行われる明治神宮大会で、ドラフトマニアをワクワクさせるような逸材が現れるかにも注目したい。

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(文=編集部河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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