
中澤 恒貴、高中 一樹、高橋 海翔、緒方 漣
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第31回WBSC U-18ベースボールワールドカップに向けたU-18代表候補強化合宿が4日から6日まで開催された。合宿でどんなパフォーマンスを見せたのかを総括していきたい。
今回は東北、関東地区の内野手について総括したい。
巨人・坂本 勇人内野手(光星学院出身)のような成長を期待されている大型遊撃手。
他の選手と違い、アッパー気味のスイング軌道で球の下をたたく打撃メカニズムが特徴。ライナー性ではなく、他の選手と比べて弾道が高く、遠くへ飛ばすことができる。紅白戦でも安打を放った。まだ振り遅れの打球が多いが、今年の内野手で最も長打を期待できる。
捕球の仕方が独特で、殆どの打球に対して体を前傾させシングルハンドで捕りにいく。腰を落として両手で捕球する選手が多い中、独特の捕球の仕方をしていた。実際に捕球してから送球に入るまでの動きがスムーズで躍動感があった。
参加した遊撃手では一番、プロ向きと感じさせられた。
やや上体が高い構えからレベルスイングを心がけ、広角に鋭い打球を打ち返すことができる。本人が「低く強い打球を打つことを心がけています」と語るように、シャープなスイングで紅白戦2試合で4安打を記録。聖光学院は毎年、良い打者を育て上げるが、高中を見ていると納得させられる。
無駄がなく、上半身と下半身が連動した打撃フォームで、次々と快打を飛ばすことができていた。また、二塁守備も機敏。攻守の総合力は高く、今年の福島を代表する野手として活躍してくれそうだ。
今年のセンバツで優勝に大きく貢献した右のスラッガー。センバツが終わり、山梨に戻ったわずか2日間で木製バットの練習を始めた。それでも多くの投手から適時打を記録するなど、勝負強さを発揮した。
打撃練習では、独特のスイング軌道で角度がついた時、遠くへ飛ばすことができる。他の選手と比べると、よくこのスイング軌道でしっかりとコンタクトできるなと感心させられる。高橋は「まだ木製バットに馴染んでおらず、かなり苦労しています。ヒットできたのはたまたま配球の読みが当たったからです」と語る。ほぼ初対戦の投手でも、捉えることができるコンタクト能力もある。
合宿では三塁を守った。世田谷西シニア時代は遊撃手をやっていた経験があり、意外と動きはよく、スローイングも悪くない。まだまだ鍛えるところはたくさんあるが、しっかりと三塁の練習を重ねれば、三塁も守れる選手として評価が高くなるのではないか。ただ、山梨学院のチーム事情から、おそらく一塁手のままだと考えられるが、夏までにセンバツにはない要素を入れて成長することを期待したい。
1年春から注目された遊撃手。守備では、両手捕球を心掛け、基本に忠実で素早い守備を見せている。守備力の高さでいえば、参加した遊撃手の中ではNo.1だろう。
打撃では冬場からずっと木製バットの練習を重ねてきたという。コンパクトなレベルスイングで、ライナー性の打球を飛ばし、紅白戦でもクリーンヒットを記録。振り遅れてもヒットにするなど、粘り強い打撃を見せていた。
それでも参加した選手たちのレベルの高さに驚かされたという緒方。夏までどんな成長を見せてくれるのか。
(記事=河嶋 宗一)