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「エンドランの意識で」名将のアドバイスで世代屈指のスラッガー・真鍋が進化

2023.04.07

「エンドランの意識で」名将のアドバイスで世代屈指のスラッガー・真鍋が進化 | 高校野球ドットコム
馬淵監督の話を聞く真鍋慧(広陵)

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世代No.1右腕、世代No.1左腕、152キロ左腕などU-18代表候補の投手陣の顔ぶれは歴代トップクラス
U18代表候補は世代No.1捕手を筆頭に総合力の高い捕手が揃う
U18代表候補の内野手は世代屈指のスラッガーや、堅守の遊撃手などが選出
U18代表候補に選ばれた外野手は全員バットコントロールが抜群!

 第31回WBSC U-18ベースボールワールドカップに向けたU-18代表候補強化合宿3日目は6日、奈良県内のグラウンドで行われた。

 この日はランニングから活気があり、選手たちの元気な声がグラウンドに響いた。野手は打撃練習、投手はトレーナーの指導のもとエクササイズを行った。

 3日目とあってか、野手陣が木製バットに慣れて鋭い打球を飛ばす選手が増えてきた。普段から木製バットで練習するチームは増えてきているが、わずか短期間で飛ばせる選手が増えた代表候補野手たちの順応性の高さには恐れ入る。

 初日は観察のみに終わっていた馬淵監督をはじめとした代表スタッフ陣も、選手たちに話しかけ、指導するシーンも増えた。馬淵監督は世代屈指のスラッガー・真鍋 慧内野手(広島広陵)と対話しながら、打撃指導を行った。

 馬淵監督は「あくまでアドバイスで、合わなかったら、やめてもいいと話したけど、真鍋くんの場合、打つときに見送ることが多いので、聞いてみたら、打撃練習では打てる球だけ打って、それ以外は見逃していたと。打撃練習はボール球でもいいから、もっとどのコースでも打ってもいいと。そして実戦になったら、見極めようという話をしました」と積極性を見出す指導を行った。

 さらに、ヒットエンドランのつもりで、打ちに行くことを説いた。ヒットエンドランであれば、どうしても打ちに行かないといけないし、それなりの準備をする。馬淵監督は、なかなかバットが出ない選手に対してはこの意識付けを行って、改善していることを明かした。

 1日目の打撃練習、2日目の紅白戦を見てアドバイスした結果だった。紅白戦では、初球の見逃しが多く、難しい球を打って、凡打になっていることが多かった。紅白戦だけではなく、センバツの時からも見えた課題だった。真鍋はセンバツ準決勝後の取材でも「苦手なコースを打てるようになりたい」と語っていたが、改善するための1つのアプローチとして、合宿中のティー打撃でも高めの球を打つなど貪欲に取り組んでいた。

 また、スイング軌道でも、すくい上げて、ヘッドが下がるスイングになる癖があったこともあり、インパクトまで最短で振り抜くスイング軌道を行う意識で振りにいった。すると、次々と快打を連発。さらに色々なコースを打ち返すことができていた。鈍い音が多かった打撃練習だったが、木製バット特有の弾きの良い打球音で、柵越えをする当たりを見せるなど、視察していたNPBスカウトからも驚きの声が上がった。

 これからの練習、練習試合でも試したいと語った真鍋。馬淵監督は「今回の合宿は自分の実力の現在地を確かめる機会になったと思います。チームに持ち帰って、何が足りないのかを練習してほしい」と選手たちへの宿題を語った。

 真鍋の打撃の特性を見極め、それに適したアドバイスを送った馬淵監督の指導力。すぐにパフォーマンスとして表れる真鍋の吸収力の高さが伺えた。

 今回の強化合宿は多くの選手、またいろんな考え方を持った指導者がいるからこそ、今までにない発想が生まれる。それを生かせるか、生かせないかは選手次第である。

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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