森木、小園、達…今年の高校生を代表する好投手が相次いで敗退。甲子園を逃した球児たち【西日本編】
地方大会がスタートした時、西日本の好投手たちが注目された。しかし今大会は注目投手たちが相次いで敗れ、甲子園に進むことができなかった。そんな甲子園を逃した投手たちを紹介したい。
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高校通算70本塁打のスラッガー、151キロ右腕、静岡ナンバーワン左腕など甲子園に進めなかった球児たち【東日本編】
小園、達、森木の注目投手たちが甲子園に進めず
小園健太(市立和歌山)、森木大智(高知)、達孝太(天理)
西日本は逸材投手が多かった。まず小園健太(市立和歌山)は和歌山大会準決勝を終えて、14イニングを投げてわずか1失点の快投を見せたが、決勝戦の智弁和歌山戦では三振も奪えず苦しい投球となり、惜敗となった。とはいえ今秋のドラフトでは1位候補に挙がる小園は話題の中心となるだろう。
天理の達孝太も大会前から注目された。センバツでは26イニングを投げて3失点と抜群の安定感でベスト4入りに貢献。スカウトの評価を大きく上げたが、夏前まで不調が続き、背番号「11」で夏の大会に臨み、ベスト4で敗退も、140キロ中盤の速球で次々と三振を奪う快投を見せた。達は、NPB、そしてMLBで活躍することを目指すことを常に語っており、最後の夏が終わってからの取り組みが大事と語っていた。次のステージへ向けて準備する達にも注目が集まる。
高知の森木大智は注目度でいえば今年の高校生ではナンバーワンだった。大会前の練習試合・大阪桐蔭戦では多数のメディア、スカウトが詰めかけるほどの大盛況で、大会では150キロ台の速球、多彩な変化球を武器に20.2回を投げ、29奪三振。しかし明徳義塾戦に敗れ、一度も甲子園出場ができず、森木の夏が終わった。とはいえ、大きく評価を上げた投手であることは間違いなく、ドラフトも中心投手の1人になりそうだ。
センバツベスト8の福岡大大濠のエース・毛利海大投手も挙げたい。伸びのある快速球を武器に次々と三振を重ねる投球は爽快感があった。
春の九州大会準優勝の九州国際大附の山本 大揮投手、柳川大晟投手も注目されていた。制球力が高い山本投手はさらに球威を伸ばし、カットボールを多用する実戦派右腕へ成長。長身右腕・柳川投手は九州大会で好投を見せたが、夏では不調に終わった。2人とも才能は高い投手なだけに次の進路が気になる。
久野悠斗(報徳学園)も昨秋から高く注目された本格派左腕。長身から繰り出す最速143キロの速球、落差が鋭い変化球、すべてにおいて優れており、夏4強に貢献した。
神戸弘陵の148キロ右腕・時澤健斗は4スタンス理論で体の使い方を覚え、伸びのある快速球を投げ込むまでになった。最後の夏は足の不調で思うようなボールは投げられず、4回戦で敗退したが、大会終了後からすぐに練習を行い、次のステージへ向けて準備を行っている。
[page_break:評価を上げた好投手とスラッガーたち]評価を上げた好投手とスラッガーたち
川口翔大(聖カタリナ)、鴨打瑛二(創成館)、松川虎生(市立和歌山)
九州地区を代表する速球派左腕・泰勝利(神村学園)は、鹿児島大会で最速150キロをマーク。常時140キロ中盤~後半からの速球は威力があり、120キロ中盤のスライダーも精度が高かった。まだ未完成な投手だが、次のステージでどれだけ実戦力を高めることができるか楽しみだ。
鴨打瑛二(創成館)は195センチの長身から繰り出す角度ある直球が魅力の大型左腕。変化球の切れ味も鋭く、評価を高めた。
野手では松川虎生捕手(市立和歌山)は今大会2本塁打を放ち、抜群の強肩、強打・巧打を兼ね備えた打撃は超高校級のものがあった。ベスト4に進んだ高野山のスラッガー・渡邉大和は打撃技術が高く、和歌山大会でも鋭い打球を飛ばした。高卒プロのこだわりが強く、貴重な右の強打者。進化が楽しみな選手だ。
高校通算38本塁打のスラッガー・三木勇人(神港学園)は満塁本塁打を放つなど、パワフルな打撃を披露した。
東海大仰星の中村暖道も、攻守でバランスが取れた遊撃手だ。思うような打撃ができなかったが、卒業後も活躍を期待できる人材だ。履正社のスラッガー・松林克真も主将としてチームを牽引。三塁守備も実に上手い選手だった。聖カタリナの川口翔大も、愛媛県を代表する強打の遊撃手として愛媛大会でも強打ぶりを発揮した。
(記事=河嶋 宗一)