ベストナイン揃い大商大、九州の速球派右腕など大学選手権に出場する逸材たち
6月7日から開催される全日本大学野球選手権。明治神宮球場、東京ドームの2会場で開催される。今回、高校野球ドットコムでは大学選手権特集として、動画特集を行った。前編では東京六大学、東都大学野球の注目選手を紹介したが、今回は動画で紹介した各大学の注目選手を紹介したい。ぜひ動画で選手たちのプレーシーンを見ていただきたい。
桜美林大の多間隼介(北海出身)
激しい優勝争いを繰り広げ、優勝決定戦で帝京大を破り、初の大学選手権出場を決めた桜美林大は、MVPに選出された山本雅樹投手(中越)は140キロ前半の速球とキレのあるスライダーを投げ込む好右腕。
また、多間隼介投手(北海出身)は、最後の夏、阪口皓亮(DeNA)投手とともに甲子園出場。多間投手はエースとして活躍していた。桜美林大では技巧派左腕としてさらなる成長を果たし、この春のリーグ戦では最優秀投手に輝く活躍を見せた。
桐蔭横浜大からは3年生の吉田賢吾(横浜商科大)をピックアップ。2年次からレギュラーに定着。昨シーズンは5番打者として、現西武ライオンズ渡部の後ろを任され、打率0.426と活躍し、リーグ優勝、関東大会優勝に貢献した。今シーズンは正捕手、4番打者としてチームを牽引し、持ち前のリーダーシップでチームを支えている。
2021年春季リーグ戦成績 打率0.380 安打19本 打点9
続いて愛知大学野球連盟代表の名城大だ。2年生ながら主力投手へ成長した松本凌人投手を紹介したい。神戸国際大附時代は右サイドから140キロ中盤の速球を投げ込む全国レベルの好投手。今では最速150キロの直球とスライダーを武器にする豪腕サイドハンドへ成長。この大会で高い評価を得ることができるか注目だ。
リーグ戦成績
7試合 防御率1.69 4勝1敗 26.1回 20奪三振
関西学院大の黒原拓未(智辯和歌山出身)
続いて関西学生野球連盟代表の関西学院大学からはエースの黒原拓未(4・智辯和歌山)投手を紹介したい。智辯和歌山時代から一転して最速150キロを超える剛速球を投げ込む左腕へ成長。誤計測かもしれませんが、わかさスタジアムで最速157キロをマークした。この大会で一躍評価を上げる可能性を持っている。
■今シーズンの成績
8試合登板(6試合先発)5勝1敗 4完投 3完封 防御率 0.70
関西六大学の強豪・大阪商業大も戦力が充実している。なんと行ってもベストナイン・表彰選手の多さ。
投手 伊原陵人(3年・智辯学園)
捕手 碓井雅也(3年・天理)
一塁手 修行恵大(3年・大垣日大)
三塁手 植本亮太(3年・明石商)
遊撃手 家田陸翔 (3年・近江)
外野手 渡部聖弥(1年・広島広陵)
外野手 大谷駿斗(4年・立正大淞南)
外野手 福元悠真(4年・智辯学園)
【平古場賞(新人賞)】
投手部門
上田大河(2年・大商大高)
打者部門
渡部聖弥(1年・広島広陵)
智辯学園時代からドラフト候補として評判だった福元は、打率.350、11打点の活躍。インタビューではチームの勝利、自身のプロ入りへ向けて強い意気込みを語っていた。
修行選手は連盟記録となる8打席連続安打を記録。バットコントロールが実に良い選手です。この2人に並ぶ強打者として注目なのが1年の渡部。あくまでティー打撃だが、豪快なフルスイングから繰り出す打球音、打球速度は別格だった。
投手の伊原は5勝0敗、防御率0.28の圧巻の好成績。智辯学園時代は140キロ前後でしたが、現在は最速140キロ後半まで速くなり、その速球の切れ味は社会人の打者相手でも圧倒できるようだ。実際にブルペン投球を見たが、腕の振りが鋭く、出どころが見にくい投球フォームをしており、ただ速いだけの投手ではない。本物の好左腕だ。
また上田も防御率0.34と安定感抜群の好成績を残し、140キロ後半の速球を投げ込む好投手。取材日のブルペンでも球質の重い直球を投げていた。
九州産業大の荒木雅玖(長崎・海星出身)
九州産業大は、渡辺翔太(3年・北九州)、荒木雅玖(3年・長崎海星)投手の2人の速球派右腕に注目。まず渡辺は、MAX151キロ伸びのあるストレートと決め球のパームボールが魅力。
ピンチの場面に強く、春季リーグ戦では5勝を収めた。荒木も最速148キロを計測する力強いストレートが持ち味。先発投手としてゲームメイクすることに長けている。
渡辺翔太の成績
春季リーグ戦 8試合 40 2/3回 5勝0敗 防御率1.33
最優秀選手賞・ベストナイン(投手)受賞
荒木雅玖の投球成績
春季リーグ戦 5試合 30 2/3回 3勝1敗 防御率1.47
そして1年生の市丸紘樹(唐津商出身)も紹介したい。高校時代は坂本勇人(巨人)とプレーした好遊撃手。強肩強打で広角にヒットを打てて、単打だけではなく長打も打てる。ベストナインも受賞し、神宮デビューではどんなプレーを見せるか。
市丸紘樹の打撃成績
41打数 15安打(1本塁打) 打点7 打率.366
ベストナイン(三塁手)受賞
西日本工業大の隅田知一郎(4年・波佐見)も紹介したい。MAX150キロの本格派左腕。キレのある球で三振を量産。球種も多く、全ての球種で空振りを取れる。大学入学時から体重を10キロ近くアップさせ、力強い投球が可能になった。エースとしてチームを引っ張っていく存在だ。
隅田知一郎の投球成績
14試合中、12試合登板
4勝1敗 防御率 2.12 投球回数 59 1/3 失点 15 (自責点14) 被安打 34 四死球 23 奪三振 74
・最優秀選手賞、ベストナイン獲得
多くのチーム、選手が満足いくパフォーマンスができることを期待したい。
(記事=河嶋 宗一)