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全員が180センチ&通算30本塁打超え。関東地区注目の大型スラッガートリオ!

2021.05.13

 今年の関東地区では3人の大型スラッガーが注目されている。そんな彼らの春の大会の活躍を振り返っていきたい。

豪打だけでも守備も華やかな高校生トップクラスのスラッガー・有薗直輝

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中央学院戦でホームランを放ち喜びを爆発させる千葉学芸・有薗 直輝

 この春から連日、活躍ぶりを取り上げられるようになったのが千葉学芸有薗 直輝だ。今年の春季千葉県大会・中央学院戦で高校通算57本塁打をマーク。春季千葉県大会では打率.385、1本塁打3打点と好成績を残し、優勝に貢献。そして5月5日の幕張総合との練習試合では、千葉学芸グラウンドのバックスクリーンへ本塁打を放ち、高校通算58号。関東大会前最後の練習試合となった八王子戦では、最速149キロ左腕の羽田 慎之介から無安打に終わったものの、そのうち1打席ではセンターへ大飛球を放ち、対応力の高さを発揮した。

 有薗は昨秋の公式戦が終わり、さらに厳しい攻めが多くなることを想定し、スイング軌道やタイミングのとり方を見直し、高校通算26本塁打の板倉 颯汰と話し合ったりしながら技術力を磨いていった。その結果、この春の練習試合から5月8日まで本塁打13本を放ち、さらに才能を開花させていった。8日の練習試合後にロングティーを見せていただいたが、風が強い中でも、軽々とスタンドインさせることができていた。

 有薗は打撃だけではなく、守備にも見所がある。投手としては最速148キロをマークするように、三塁の深い位置からでもダイレクトで投げられる強肩は本物。また守備もほとんど後ろにそらさず、球際にも強い。チームメイトで、2年生ながら千葉県トップクラスの遊撃手・鈴木 結翔から捕球時の手首の使い方を教わり、全体練習後の個人練習で、守備練習をメインに行った。その結果、三塁守備でも評価されるスラッガーへ成長。

 関東大会ではスカウト入場も可能ならば、打撃、守備までチェックが入ることだろう。

[page_break:走攻守三拍子揃った吉野、ビッグサイズの捕手・村山]

走攻守三拍子揃った吉野、ビッグサイズの捕手・村山

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高校野球が終わるまでは坊主で行くことを誓った吉野 創士(昌平)

 また、昌平吉野 創士も埼玉県大会で2本塁打まで放ち、高校通算48本塁打に到達。吉野は低めの変化球でも拾いながら、本塁打にしてしまう技術の高さがあり、また浦和学院戦の活躍を見れば分かるように大事な試合になるほど能力の高さを発揮する勝負強さも魅力だ。

 県大会4試合では打率.357をマークし、しっかりとアピールに成功。また、センターから放たれるバックホームは一級品だ。守備範囲も非常に広く、準々決勝の浦和実戦ではセンターへ抜けそうな打球に追いつく当たりを見せ、黒坂監督からも「一級品」と絶賛。

 千葉県出身の吉野は有薗とは仲がよく、互いに本塁打を打つたびに連絡しあうという。さらに昌平は基本的に坊主ではない方針。吉野はただ1人だけ坊主頭だった。その理由を聞くと、「今年は自分にとって勝負の年なので、高校野球が終わるまでは坊主でいきたい」この1年にかける吉野に注目したい。

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村山 亮介(幕張総合)

 今年から一気にスカウトから注目度が急上昇した幕張総合村山 亮介にも注目だ。千葉西シニア時代は下位を打っていたが、練習試合で交流した明秀日立の金沢監督の打撃理論を学び、体の使い方をマスターし、昨秋から本塁打を重ねた。

 県大会まで27本塁打だったが、大会後から4本塁打を積み重ね、高校通算31本塁打に到達。185センチ107キロと今年のドラフト候補に上がる捕手の中でもビックサイズで、さらに、スローイングタイム1.9秒台の強肩もあり、ポロポロする様子もなく、ディフェンス力は高校生としてはある程度安定しているので、夏までマークされる選手であることは間違いない。

 あとは速球投手やレベルが高い投手に対応できるタイミングの取り方、スイング軌道を身につけられるか。好投手相手にもやれることをアピールできれば、大きく変わっていくはずだ。

(記事:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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