2021年のドラフトの高校生は特に大豊作と言う評判だ。2021年のドラフト高校生編をシリーズ別で掲載。まず来年を代表する好投手10名だ。


森木大智は順調に成長中


 2018年夏、森木 大智高知)は高知中時代に最速150キロをマークし、高校になれば「森木世代」になるといわれていたが、その期待通りの成長を見せている。この秋は初戦敗退に終わったが、最速153キロのストレートに加え、137キロまで到達した高速スライダー・120キロ前半のパワーカーブ、130キロを超えるスプリット系チェンジアップと1つ1つの球種の精度の高さは一級品。怪我無くいけば、順調に1位候補に挙がる逸材だ。

 森木に並ぶ評価を受けそうなのが、畔柳 亨丞中京大中京)。最速150キロを超える速球は勢いがあり、回転数の高さでいえば、中日1位の高橋 宏斗より上回るという評判だ。投げ方も、下半身主導で、軸足にしっかりと体重が乗った躍動感あふれる投球フォーム。さらに速くなる可能性があり、変化球各種の精度の高さも素晴らしいものがある。全国の舞台で評価をさらに高めたいところだ。

 伊藤 樹仙台育英)は、完成度の高さ、メンタルの安定感は2021年の高校生右腕ではトップレベル。140キロ中盤の速球に加え、高速フォーク、切れ味鋭いスライダーなど、見ていて安心できるタイプ。伊藤のような常に試合が作れるタイプはかなりのイニング数を投げがちだが、伊藤を酷使せずに東北大会優勝をしていしまうところに凄みを実感する。来春、選抜が開催されれば、間違いなく注目度トップクラスの右腕。

 松浦 慶斗大阪桐蔭)は最速150キロと言う評判だが、この秋は常時130キロ後半。ただ、わかっていても詰まってしまう異質のストレートは魅力的。スライダーのキレもよく、どんなスケールを持った投手になっていくのか楽しみな存在。1年かけて常時145キロ前後の速球を投げ込む投手になることを期待したい。

  達 孝太天理)は193センチの長身から最速145キロの速球、スライダー、フォーク、チェンジアップ、カーブを投げ分ける。特にフォーク、チェンジアップの精度の高さは一級品で、高確率で三振が奪える。昨年と比べると完投能力が上がり、一本立ちするようになった。惜しくもコールド負けを喫したが、それでも潜在能力の高さは示すことができた。

 羽田 慎之介八王子)は、10月19日の投球を見て、このコラムのトップ10入りが決まった大型左腕。191センチの長身から常時140キロ~143キロの速球の勢いは松浦 慶斗大阪桐蔭)に匹敵するほど。羽田にしかないボールの角度があり、分かっていても詰まらせるほどの球威があり、さらにスライダー、カットボール、チェンジアップ、フォーク、カーブと球種も多彩なうえで、一定以上の切れがあり、低めにも集めることができる。

 課題は制球力で、都大会1回戦の都立富士森戦では6四球を出してしまった。だが、決して自滅はしない。都立富士森戦では本人自らセットポジションにしたり、フォームの強弱をつける工夫を行い、8回3失点10奪三振。そして国士舘戦では8回7奪三振、1失点、1四球に抑える好投を見せた。八王子の安藤監督は羽田の持ち味を引き出すために、ストレートを磨くことを優先させている。それでも勝つために本人になりに工夫ができる姿勢の良さがある。羽田の個性、思考力、ポテンシャルを最大限に引き出す八王子の方針は素晴らしく、ロマンしか感じない。