無名の150キロ右腕、ナックルカーブ使いなど西日本の右腕も魅力的!ドラフトまで注目したい19名の右投手たち
今年は過去最多のプロ志望216名が提出したが、量だけではなく、質も伴っているのがプロ志望の高校生投手だ。もとから前評判が高かった投手だけではなく、無名ながら140キロを超える投手が多い。改めて日本の高校野球のすそ野の広さを実感する。
ドラフト特集コラム「高橋宏斗、中森俊介など2020年の高校生投手トップ9はこの投手たちだ!!」では今年の高校生投手の厳選9名を紹介したが、今回は彼らに次ぐ超高校級右腕を紹介していきたい。
今回は、前回の東日本編に続き西日本編として19名紹介する。
前回の記事はこちらから!
今年の高校生右腕は質、量ともに本物。東日本注目24名の右腕リスト
西日本にいる注目右腕19名
小辻 鷹仁(瀬田工)
今回紹介するのはこの19名だ。
・嘉手苅 浩太(日本航空石川)
・常田 唯斗(飯山)
・高田 竜星(遊学館)
・笠島 尚樹(敦賀気比)
・小辻 鷹仁(瀬田工)
・森本 修都(光泉カトリック)
・松木平 優太(精華)
・野島 勇太(神戸弘陵)
・玉置 隼翔(和歌山東)
・久保田 大斗(武田)
・平安山 陽(松山聖陵)
・片山 維(帝京五)
・則次 叡之(ルーテル学院)
・川瀬 堅斗(大分商)
・木村 駿太朗(大分舞鶴)
・有馬 太玖登(都城東)
・和田 颯斗(都城東)
・桑原 秀侍(神村学園)
・八方悠介(鹿児島城西)
【北信越・東海】
嘉手苅 浩太(日本航空石川)は打者としても注目されていたが、最終学年で投手として大きく成長。140キロ後半の速球、フォークのコンビネーションにする大型右腕。今年のドラフト候補の中でも最も最重量の投手だが、投球フォームを見ると大きな癖がなく、基本をしっかりと押さえている印象だ。
常田 唯斗(飯山)は、この1年で大きく成長。146キロの速球だけではなく、曲がりが大きいスライダーのほかにカットボールが加わり、飛躍的に投球の幅が広がり、スカウトの評価を大きく上げた。
高田 竜星(遊学館)はバランスの良い投球フォームから140キロ前半の速球、切れのあるスライダー、カーブを投げ分け勝負する好右腕。打撃センスも高く、まさに野球小僧と表現していい投手。加藤 優弥(金沢龍谷)は右サイドから最速150キロを計測し、横滑りするスライダーの切れもよい。さらに投球のコンビネーションを武器にする投手だ。
笠島 尚樹(敦賀気比)は右サイド気味から145キロ前後の速球は切れがあり、球速表示以上に伸びを感じさせる球質の良さが魅力の実戦派。そして松村 力(敦賀気比)は笠島にはない角度のある140キロ中盤の速球を投げ込んで勝負する大型右腕。
【近畿】
近畿地区で注目されてきたのは、小辻 鷹仁(瀬田工)。小辻は肘がしなる右のスリークォーターで常時140キロ前半の速球と曲がりが鋭いスライダーで三振を量産する右の本格派。森本 修都(光泉カトリック)は最速150キロを誇る本格派右腕。ただ、長く不調に苦しんできたが、練習会で復調の兆し。角度よく振り下ろす130キロ後半も1年で10キロスピードアップする可能性あり。野手のほうが目立っていたが、動作を見れば、投手のほうが上の世界でいきそうだ。
松木平 優太(精華)はこの夏に急浮上した本格派右腕。投球練習を見れば一目でわかる筋の良さ。しなやかな腕の振りから繰り出す140キロ前半の速球、カーブ、スライダーの切れと体ができれば、どんな投手になっていくのかわくわく感満載の逸材。
野島 勇太(神戸弘陵)も縦回転の投球フォームから投げ込む140キロ前半の速球を投げ込む好投手。どんな舞台でも動じずにコントロールの良い投球ができる実戦力の高さが魅力。玉置 隼翔(和歌山東)は公式戦登板0だが、140キロ前半の速球は光るものがある。故障から復帰したばかりだが、素材を高く評価する球団はあるのか。
平安山 陽(松山聖陵)
【中国】
久保田 大斗(武田)は140キロ前半の速球、ナックルカーブで三振を量産する右腕。変化球の精度の高さは今年の高校生右腕の中でも上位に入る存在。伸びしろはたっぷりある。渕上 竜椰(早鞆)も最速146キロの速球は角度があり、夏には多数の球団も注目した逸材だ。
【四国】
平安山 陽(松山聖陵)は最速147キロの速球、曲がりが鋭いスライダー、ツーシームを武器にする大型右腕で、夏の独自大会決勝では7者連続三振を奪うなど圧巻の投球を見せた。同じ愛媛の片山 維(帝京五)も140キロ前半の速球とスローカーブで勝負する大型右腕。この夏にかけて急成長した投手で、楽しみな存在。
【九州】
九州地区は1位候補にも挙がる山下 舜平大(福岡大大濠)だけではなく、有力どころが多く提出。則次 叡之(ルーテル学院)は練習会で注目を浴びた好右腕。縦回転の投球フォームから繰り出す140キロ前半の速球と鋭い変化球を武器にする投手で、将来性は抜群。さらに、最速148キロ右腕・川瀬 堅斗(大分商)はこの夏、調子が上がらず、140キロ前半にとどまったが、角度ある速球と高校の先輩・森下暢仁(大分商)ばりのカーブで翻弄する右の本格派だ。実力的にはトップレベルに入る右投手に入っていてもおかしくなく、数年後には世代でも上位に入る可能性がある。
木村 駿太朗(大分舞鶴)は、この夏、準優勝に貢献した大型右腕。やや変則的なフォームから繰り出す140キロ中盤の速球と縦の変化球を武器にリリーフとして活躍を見せた。
2年生の時から注目を浴び、2020年の宮崎を代表する右腕として注目されてきた有馬 太玖登、和田 颯斗の都城東コンビも提出。有馬は骨太の体格から140キロ中盤の速球、切れのあるスライダーで三振を量産。和田も下半身主導の投球フォームで、140キロ前半の速球と切れのあるスライダーで勝負する正統派右腕。
そして鹿児島県を代表する投手として注目されてきた桑原 秀侍(神村学園)と八方悠介(鹿児島城西)の2人も提出。桑原はこの最終学年で大きく伸びた投手。昨年まではどちらかというと野手の活躍が目立ったが、今年は魅力的な投手になった。全身を使った躍動感のある投球フォームから常時140キロ後半の速球、130キロを超える縦横の変化球で独自大会で圧巻の投球。そして4本塁打を放った打撃も注目を浴びており、いずれにしても二刀流として注目したい逸材だ。八方は、沈み込んだ右のスリークォーター気味の投球フォームから140キロ前半の速球と小さく鋭く曲がるスライダーを武器にゲームメイクしていく右腕。完成度の高さは全国レベルで、普段は冷静だが、ここ一番で熱いピッチングを見せるマウンドさばきも魅力だ。
【西日本注目名の右腕たち】
・嘉手苅 浩太(日本航空石川)
・常田 唯斗(飯山)
・高田 竜星(遊学館)
・笠島 尚樹(敦賀気比)
・小辻 鷹仁(瀬田工)
・森本 修都(光泉カトリック)
・松木平 優太(精華)
・野島 勇太(神戸弘陵)
・玉置 隼翔(和歌山東)
・久保田 大斗(武田)
・平安山 陽(松山聖陵)
・片山 維(帝京五)
・則次 叡之(ルーテル学院)
・川瀬 堅斗(大分商)
・木村 駿太朗(大分舞鶴)
・有馬 太玖登(都城東)
・和田 颯斗(都城東)
・桑原 秀侍(神村学園)
・八方悠介(鹿児島城西)
(記事=河嶋 宗一)