今年の高校生右腕は質、量ともに本物。東日本注目24名の右腕リスト
今年は過去最多のプロ志望216名が提出したが、量だけではなく、質も伴っているのがプロ志望の高校生投手だ。もとから前評判が高かった投手だけではなく、無名ながら140キロを超える投手が多い。改めて日本の高校野球のすそ野の広さを実感する。
前回の「高橋宏斗、中森俊介など2020年の高校生投手トップ9はこの投手たちだ!!」では今年の高校生投手の厳選9名を紹介したが、今回は彼らに次ぐ超高校級右腕を紹介していきたい。
まずは北海道、東北、関東、東海の4地区を東日本編として24名紹介する。
東日本にいる注目右腕24名
橋本 拳汰(健大高崎)
今回紹介するのはこの24名だ。
・片山楽生(白樺学園)
・小牟田龍宝(青森山田)
・松本遼大(花巻東)
・佐々木 湧生(明桜)
・橘高 康太(明桜)
・長尾 光(明桜)
・氏家蓮(大崎中央)
・黒田 晃大(佐和)
・橋本 拳汰(健大高崎)
・鈴木 威琉(健大高崎)
・蓼原 慎仁(桐生第一)
・西濱 勇星(関東学園大付)
・シャピロ マシュー 一郎(國學院栃木)
・豆田泰志(浦和実)
・内田了介(埼玉栄)
・美又王寿(浦和学院)
・小芝 永久(千葉学芸)
・菅谷 大紀(日体大柏)
・齋藤 鳳人(成田)
・20193(東京実)
・加藤 大(横浜隼人)
・木下幹也(横浜)
・髙橋 楽(静清)
・松山心(松阪商)
北から順を追って紹介する。
まず北海道では片山楽生(白樺学園)は松本航(埼玉西武)を模倣した投球フォームから繰り出す直球は最速148キロまでスピードアップ。小牟田龍宝(青森山田)は野球センス抜群の好右腕。下半身主導の投球フォームから140キロ中盤の速球とカーブを投げ分けるオールドタイプの投手。打撃センスも高く、野手としても面白い逸材だ。
松本遼大(花巻東)は恵まれた体格から最速147キロを誇る本格派右腕。大型投手として将来的にはコンスタントに150キロを超えていてもおかしくないスケールを持った大型右腕だ。
明桜から3人の好投手が提出したが、それぞれ特徴を持っている。
佐々木 湧生はいわゆる正統派右腕で、バランスの良い投球フォームから140キロ前半の直球と切れのあるスライダーを投げ込み、練習会でもアピール。橘高 康太は爆発力のある140キロ台のストレートを投げ込む右腕。この3人の中で最もパワー型だろう。そして長尾 光はこの3人の中で最も変化球の精度の高さが優れた好右腕。120キロ後半のスライダーの切れ味の高さは天下一品だ。
氏家蓮(大崎中央)は140キロ前半の回転数の高い直球と切れのあるスライダーで勝負する本格派右腕。計測器で出した140キロ後半を実戦でも発揮できるよう、体づくりをしっかりしていきたい。
黒田 晃大(佐和)は下級生の時から茨城県内の指導者の中では話題だった右の本格派。懸命に体づくりとフォーム固めを行った結果、この夏は最速145キロに達し、縦回転を使った投球フォームから繰り出す直球は角度があり、スライダーの切れ味も抜群だ。
好投手揃いの群馬県の橋本 拳汰(健大高崎)は190センチを超える長身から145キロ前後の直球と落差抜群のフォークを武器にする大型右腕へ成長した。
そして、鈴木 威琉(健大高崎)も2年春には先発起用され、140キロにも達したが、その後は層の厚い投手陣の競争に敗れ、ベンチ外の日々が長く続いたが、最後の夏に素質を開花。練習会では最速147キロをマーク。躍動感あふれるの投球フォームから繰り出す回転数抜群のストレートは魅力的だ。
蓼原 慎仁(桐生第一)は2年秋まで素材型の印象が否めなかったが、半年間でだいぶ実戦力が高まった。角度ある140キロ前半の速球、曲がりが大きいカーブ、スライダーを高低に投げ分け、安定感抜群の投球を展開する。
西濱 勇星(関東学園大付)は入学当初、100キロ台だったのが、3年間で40キロアップし、最速147キロまで伸びた速球派右腕。体の使い方を見ても実に合理的。まだ大化けする可能性がある。
シャピロ マシュー 一郎(國學院栃木)もこの夏、公式戦初登板を果たした身長191センチを誇る大型右腕。ランナーがいなくてもセットポジションから入り、独特のテークバックから145キロ前後の速球で力押しする。かなり粗削りだが、ピタッと体のバランスが整った時、ストレートのコントロールも安定し、力で圧倒した投球ができる。
豆田泰志(浦和実)
埼玉県では3人の逸材が提出した。まず吉田輝星二世と評される豆田泰志(浦和実)。この1年で体づくりとフォーム固めを行い、ストレートは最速147キロまでスピードアップ。より空振りを奪える投手へ成長。そして内田了介(埼玉栄)は縦回転のフォームから145キロ前後の直球とカーブ、フォーク、スライダーを操る右の本格派。豆田のような伸びのある速球はないが、豆田にはない角度がある。意識も高く、先発型投手として育てていきたいと思わせる逸材だ。
美又王寿(浦和学院)は、2人と比べて荒々しい。右サイドから投じる140キロ後半の速球は威力があり、詰まらせて打ち取る投球を得意とする。さらに曲がりが鋭いスライダーの切れも素晴らしい。いわゆるリリーフタイプだが、ボールの威力を見れば、木製バットでいきるタイプ。ぜひ個性を伸ばし、勝負してほしい逸材。
千葉県では最速146キロの速球とカットボールで勝負する小芝 永久(千葉学芸)、やり投げのようなフォームから最速143キロを誇る右腕・菅谷 大紀(日体大柏)、中学時代に全国優勝経験がある143キロ右腕・齋藤 鳳人(成田)、長身で手足の長さを生かしたオーバーハンドから140キロ前後の速球を投げ込む20193(東京実)、140キロ中盤の速球で押す加藤 大(横浜隼人)、そして木下幹也(横浜)は140キロ中盤の速球と高速フォークを売りとする本格派。最後の夏に思うような投球ができずに苦しんだが、それでも潜在能力の高さは確かなものがある。
東海地区では身長187センチの大型右腕・髙橋 楽(静清)は140キロ前後ながら、ストレートの回転が良く、体づくりをしていけば、さらに大きく化ける可能性を持った投手だ。先天性難聴のハンディを乗り越え、強豪・松阪商のエースに上り詰めた145キロ右腕・松山心も魅力的な右腕。気迫あふれる投球は見応えがあり、強打者相手に内角へ速球、切れのある変化球を投げ込み、夏の独自大会4強入りに導いた。
【東日本注目24名の右腕たち】
・片山楽生(白樺学園)
・小牟田龍宝(青森山田)
・松本遼大(花巻東)
・佐々木 湧生(明桜)
・橘高 康太(明桜)
・長尾 光(明桜)
・氏家蓮(大崎中央)
・黒田 晃大(佐和)
・橋本 拳汰(健大高崎)
・鈴木 威琉(健大高崎)
・蓼原 慎仁(桐生第一)
・西濱 勇星(関東学園大付)
・シャピロ マシュー 一郎(國學院栃木)
・豆田泰志(浦和実)
・内田了介(埼玉栄)
・美又王寿(浦和学院)
・小芝 永久(千葉学芸)
・菅谷 大紀(日体大柏)
・齋藤 鳳人(成田)
・20193(東京実)
・加藤 大(横浜隼人)
・木下幹也(横浜)
・髙橋 楽(静清)
・松山心(松阪商)
(記事=河嶋 宗一)