打率.586、17打点、6本塁打を記録。強打が自慢の智辯学園の中でも突出した成績を残している驚異のスラッガーが前川 右京だ。

 現在2年生だが、177センチ88キロの恵まれた体格から風格すら感じさせる。1年生の夏から4番に座って高校通算は24本塁打を記録しており、同世代のなかでもトップの成績だ。岡本 和真(巨人)などを輩出してきた智辯学園の怪物スラッガーの進化の軌跡に迫る。

下半身の使い方をマスターして球場を沸かせるスラッガーに


 前川は、小坂将商監督など周りの指導者から常々、下半身の使い方の重要性を指摘されてきた。

「言われるまでは特に意識等はしていませんでした。ですが周りからのアドバイスをもらってから使い方を意識し始めたら、打球が伸びるようになりました。また少し詰まってもホームランにすることが出来たり、打率も残せるようになりました」

 下半身の力も利用して打球を飛ばせるようになったことが、打球の質の変化に繋がっていたことが考えられる。では、下半身をどのように使うようになったのか。前川はこのように分析する。

「右足を踏み込んだ時に軸足である左足を素早く回転させるようにしたんです。これをすることで、身体の回転を使ってバットをドアスイングではなく最短で出せるようになりました」

 また、身体が前へ突っ込むことが悩みだった前川。調子を落とした時に、1学年先輩である大橋 誠斗からアドバイスをもらって。練習をし始めた。その結果が、打率と長打を打てるスラッガーへと成長した。

 しかし前川の中では下半身の使い方は完全にマスターできておらず、現在も課題だと感じている。

「高橋投手のような速球に対して力で勝負をしてしまうところがあるのですが、そういう投手にこそ身体の回転や切れで打つことが出来れば、もっと結果を残せると思います」

 中京大中京戦では、最初の内は力んでしまい空振りが多かった前川だが、小坂将商監督から「回転で打て」と言われた。そこから力を抜いて課題としてきた回転を意識した結果、3打数1安打という結果を残した。

「智辯の4番がノーヒットでは終われないので、気持ちといいますか『負けていられない』と思いながら打ちました」と前川は語るが、3年生の最後の試合で勝利を掴めなかったことに悔しさを感じていた。

 新チームがスタートし、前川もいよいよ最高学年になる。これまで以上に注目されることとなるが、目標は日本一だ。

「春夏ともに甲子園に出て、全員で優勝を獲りに行きたいです。なので、甲子園は甘くないことをチーム全員に伝えて、練習から緊張感をもって1日を無駄にせずに過ごしたいと思います」

 また智辯学園の主軸として、スイングと打球で球場を沸かせ、将来的にはプロに行くことを語った前川。その目標を実現すべく、今も前川はバットを振り続ける。

(記事=編集部)

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