第272回 まさに世代屈指の投球!最速154キロを誇る剛腕・関戸康介(大阪桐蔭)の進化のポイントを解説2020年08月09日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   


写真は昨秋の大会より

 8月7日、大阪桐蔭関戸 康介が圧巻の投球を見せた。上宮太子戦で、3回5奪三振の快投を見せた。そんな関戸の投球について迫っていく。

 その投球は、本人が語るように確かにばらつきがあったと思うが、唸るようなストレートは前回の試合と比べても勢いが増している。

 遠投115メートルの強肩を生かすために、投球フォームは体全体の力を生かす下半身の使い方をしている。軸足に体重を乗せて、プレートを強く蹴ることで全体的に勢いを与えて縦回転で投げることを意識している。

 投げるポイントについて関戸は「リリースで100の力を持っていけるかを意識しています」と語るように、勢いがあるように見えても余計な反動を使って投げる意識は見られず、ほどよく脱力ができている。

 最速154キロを計測したといわれるストレート、確かに目測でも140キロ後半は出ていそうで、この夏、最速150キロを計測した風間 球打ノースアジア大明桜)と比較しても変わりないレベルだ。

 さらに縦横のスライダーもしっかりとカウントを稼ぐことができており、変化球の精度も高い。現在はスプリットも習得中だという。

 これほどのストレートを投げながら多少のばらつきはあっても、ピッチングに余裕があり、しっかりと打者と向き合って投球ができる。彼の冷静ぶりが理解できる。

 3イニングで5奪三振。この「奪三振」は関戸の調子のバロメーターを表すものだ。
 「調子がいい時は三振多く取れますし、三振を取れば気持ちも上がっていき、気持ちが上がっていけば球の質が上がってくるので、三振は自分の調子のバロメーターと思っています」

 

 この夏まで、活動自粛期間があっても意識高く持ってトレーニングをしてきた。まだ完璧な調子ではないが、昨秋よりもレベルアップしているのは自覚の高さによるものだろう。

 そして同じ短いイニングの起用でも明確な違いがある。昨秋まで経験を積ませるための登板だったが、現在は明らかに勝ちにいくためのリリーフである。関戸はその起用の変化にやりがいを感じている。
 「今日も少し荒れたんですけれど、チームがいい形でこれていない中で7、8、9回と流れを変えるピッチングというか、チームに勢いをつけるピッチングができました。秋は経験させてもらえる形だったんですけど、チームの勝利ということを意識してやっていけたというところが成長だと思います」
 そして準決勝まで勝ち進めば履正社と対戦する可能性がある。関戸はこの試合へ向けてこう意気込んでいる。
「やはりいい形で交流大会に入ってきたいと思いますし、直接対決ではやはり負けたくないので、良い準備をしていきたいと思います。そこまでもう1試合あるので、そこをしっかり勝って繋げていきたいなと思います」

 西谷監督は「まだ勢いだけで投げているところがあるので、コントロールができていないなというところがあります。本当はもっとコントロールの良いピッチャーなので、次の試合までによくしていきたいなと思います」

 勝ち進むごとにさらに進化を見せるか。関戸のピッチングに注目だ。

(記事=河嶋 宗一

関連記事
第1096回 もう一人の規格外の逸材・関戸康介が明徳義塾中、大阪桐蔭でプレーする理由【前編】
高い意識で野球に取り組む関戸康介(大阪桐蔭)の目標と課題
第1097回 憧れは野茂英雄。世界一、日本一の投手になるために1分1秒を無駄にしたくない 関戸康介(大阪桐蔭)【後編】

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第136回 やんちゃ坊主、甘えん坊でも能力は凄かった2018年U-15日本代表。コーチを務めた元プロ・徳元敏氏が語る侍戦士たち【西日本編】【高校野球コラム】
第134回 執念、チーム力、甘さ。東海大相模が大阪桐蔭との一戦で学んだこと【高校野球コラム】
大阪桐蔭vs東海大相模【2020年甲子園高校野球交流試合】
履正社vs大阪桐蔭【大阪府 令和2年大阪府高等学校野球大会】
第271回 世代屈指の剛腕左腕・松浦慶斗(大阪桐蔭)も順調に成長中!【ドラフト特集コラム】
大阪桐蔭vs香里丘【大阪府 令和2年大阪府高等学校野球大会】
大阪桐蔭vs上宮太子【大阪府 令和2年大阪府高等学校野球大会】
第1022回 夏は大阪の「強いチームを倒す」。近大泉州の脅威の打撃力の秘密と揺るがぬ信念【後編】【野球部訪問】
第1022回 タレント揃いに見えても中学時代の実績はほぼゼロ。無名の逸材を次々と伸ばす近大泉州の育成方針【前編】【野球部訪問】
第1145回 大学3年右腕ではトップの徳山壮磨(早稲田大)をレベルアップさせたフォーム改造術 【2020年インタビュー】
第1141回 中川卓也(大阪桐蔭-早稲田大)屈辱の1年を乗り越え、東京六大学で首位打者を狙える選手へ 【2020年インタビュー】
第1141回 二度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭の主将・中川卓也(早稲田大)が濃密な3年間で得たもの 【2020年インタビュー】
第1131回 捕手兼投手として、創部4年目のチームを近畿大会に導いた大黒柱・景山透唯(立命館守山)【前編】 【2020年インタビュー】
第1124回 最速142キロの野球小僧がスーパー中学生と呼ばれるまで 山田陽翔(大津瀬田ボーイズ)【前編】 【2020年インタビュー】
滋賀選抜vs龍谷大【2019年 練習試合(交流試合)・秋】
関戸 康介(大阪桐蔭) 【選手名鑑】
大阪桐蔭 【高校別データ】

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム