石川に現れた全国区の遊撃手、鳥取期待の大型遊撃手、台湾の留学生など10人の逸材をピックアップ【西日本野手編】
第102回全国高等学校野球選手権大会・地方大会の中止が決定した。しかしまだ46県の代替大会の開催の可能性を残している。
今回は代替大会が開催すれば、評価が上昇する可能性を持った西日本の野手10名を紹介したい。西日本の野手も非常にレベルが高い選手が揃っている。
中津 大和(小松大谷)
中津大和(小松大谷)遊撃手
この春、野球識者の間で急激に評価が上がっているのが小松大谷のショートストップ・中津大和だ。特に評価されているのが、守備である。50メートル5秒8の俊足を活かし、右、左に軽快に動き、次々とヒット性の打球を処理し、アウトを演出。
そして抜群のバットコントロールの高さに加えてパワーもつけた中津は昨夏、20打数12安打3打点と大当たり。一気に飛躍を遂げた。この冬は筋力トレーニングに励み、パワーもつき、スタンドインする打球も増加。
高校通算5本塁打からさらなる量産が期待されたが、残すは夏のみとなった。ぜひ最後の夏は内山壮真に負けない活躍を見せていきたい。
細川砂羽(敦賀)捕手
昨秋の北信越大会進出に貢献した強打の捕手。敗れた星稜戦でも本塁打を放った。スイングが鋭く、腰を鋭く回転させた打撃フォームは光るものを感じさせる。2.00秒前後のスローイングも巧みで、福井県ではトップレベルの選手だろう。
山下航汰(京都外大西)捕手
1年生から活躍を見せてきた近畿地区屈指のスラッガー。2年春には奥川恭伸(星稜-東京ヤクルト)から本塁打を打った経験もあり、昨夏の時点で高校通算30本近く。今後を見据えて捕手にも取り組んでいた。対外試合が解禁されれば、本塁打量産も期待される。
池田 凛(履正社)二塁手
昨夏、プロ注目投手との対戦が続きながら強力打線で次々と攻略し、初の甲子園優勝を果たした履正社打線の中心打者。強打者揃いの履正社の中でも野球センスはピカイチだった。何より目を引くのは140キロを超える投手に対してもしっかりと対応ができる打撃技術の高さ、俊敏な二塁守備、走塁のレベルも高く、まさに玄人受けのプレーヤー。
山地裕輔(天理)外野手
昨秋20本塁打を記録した天理打線。数多くの強打者が揃うが、その中でもポテンシャルはトップレベルのものがあり、縦振りのスイングで本塁打を量産。元プロの中村良二監督からは大きく育ってほしいという意味で4番打者を任されている。そして中村監督は外野守備のレベルの高さは高く評価をされており、打球判断がしにくいグラウンドコンディションでも難なく守れるところを買っている。
崔哲瑋(沖縄尚学)
溝上孟瑠(岡山学芸館)捕手
昨夏の甲子園を経験した巧打の捕手。新チームスタート後から、長打力を身につき、4番打者を任されるまでに成長した。攻守の総合力の高さは県内屈指の捕手に入るだろう。
岡本大翔(米子東)遊撃手
鳥取県西部にある伯耆町(ほうきちょう)にある岸本中出身と、鳥取県民期待の大物遊撃手。二季連続で甲子園を経験し、夏の智弁和歌山戦では3安打1打点の活躍。2年夏の時点で高校通算17本塁打を記録している。鳥取県は平井伸治知事が夏の代替大会、インターハイの開催へ向けて前向きな姿勢を表明しており、岡本の最後の夏の舞台は用意されそう。果たしてどんな進化を遂げるか楽しみだ。
多田聖一郎(三本松)外野手
2016年センバツ準優勝の高松商の原動力となった多田 宗太郎(環太平洋大4年)投手の弟.。高校通算38本塁打を誇る香川県屈指のスラッガーだ。夏の代替大会が開催されれば、本塁打量産となるか。
桑原 秀侍(神村学園)外野手
投打ともに能力が優れた二刀流。投手としても130キロ後半の速球、鋭い変化球を投げ込み、抑え込み、そして打者としても始動の仕掛けを遅くし、ヘッドスピードの速いスイングで長打を量産する。さらに長打力を伸ばし、鹿児島県を代表するスラッガーとして活躍を目指したい。
崔 哲瑋(沖縄尚学)外野手
台湾人の留学生で、昨年の習志野戦でも3安打の活躍を見せた身体能力抜群の外野手。詰まることを恐れず、振り幅が大きいスイングで次々と長打を飛ばす打撃スタイルは台湾チックのものがある。躍動感のあるベースランニングも魅力で、将来は日本、台湾の舞台で活躍が期待できるプレーヤーだ。
改めて振り返ると、全国には楽しみな逸材が多い。しかし全国にはいろんな選手がいる。大会がないからこそ、これからも調査を行い、隠れた逸材に光を当てていきたい。
(記事=河嶋 宗一)
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