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[1]巨人は清宮の次に安田より村上を評価していた
[2]チャンスを与える球団があっても誰にも追いつけない成績を残すのは本人次第

[1]巨人は清宮の次に安田より村上を評価していた
[2]チャンスを与える球団があっても誰にも追いつけない成績を残すのは本人次第


 野球ファンの間で大人気コンテンツとなっている「ドラフト会議」。ドラフト会議で新人選手を獲得することは、プロ野球球団の骨組みを作って行く上で欠かせないものであり、その成果を高めるため12球団は綿密に戦略を練っている。今回は長年、巨人のスコアラー、編成に関わった三井康浩さんにお話を伺い、当時のドラフト秘話をシリーズ別で掲載。第3回は2017年ドラフトの中心だった高校生スラッガーからの考察である。

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巨人は清宮の次に安田より村上を評価していた


 2017年は野球ファンをワクワクさせるような高校生スラッガーが4人現れた。まず1人目は高校通算111本塁打を放った清宮 幸太郎早稲田実業)、2人目は清宮に並ぶスラッガーとして注目を浴びたスラッガー・安田 尚憲履正社)、3人目は甲子園新記録となる6本塁打を放った中村 奨成広陵)、そして4人目は村上 宗隆九州学院)である。

 一般的な知名度でいえば、清宮が圧倒的。そして中村は甲子園新記録の本塁打を達成し、爆発的な知名度を獲得。安田は2年夏から甲子園を経験し、清宮の対抗的なスラッガーとして人気があった。

 3人に比べて村上は1年夏の甲子園以外、出場なし。だからこそ、実力の高さはあまり知られていなかったが、3年生になったとき、各球団が猛マーク。関東遠征となれば、多くの球団が視察。6月には早稲田実業九州学院との練習試合が実現し、多くのスカウトが詰めかけたように、スカウトの中では高評価だった。

 ただドラフトは相対的な評価で決まる。野手の一番人気はもちろん清宮。中村は中日、地元・広島の2球団。安田・村上はハズレ1位。もしくは2位候補として考えていた。

 巨人は当初、2位候補として考えていた。三井さんはこの事情をこう語る。
 「高校生であれくらいの選手はいなかったですね。当時は岡本 和真智辯学園出身)がくすぶっていて、左の大砲がほしいという方針で指名に行きまして。安田も左の大砲ですが、評価は村上の方が上でした。
 ただ2位候補として考えていたところで清宮が取れなかったので、繰り上げて獲得を狙いましたが、ヤクルトに獲られましたので、当日の駆け引きもありますね」

 巨人と同じく、東京ヤクルト、東北楽天の2球団も繰り上げて1位指名。結果的に村上は取り逃してしまった。

 だが村上は素晴らしい選手だったとはいえ、高卒2年目で36本塁打を打つとは思いもよらなかっただろう。逆に清宮は怪我などもあり2年間で14本塁打。安田は2年間で1本塁打、中村は出場なしとこの2年間で実績は大きく開いた。