第253回 2003年世代の野手は吉野創士(昌平)を筆頭に名門校だけではなく、新鋭校にも注目スラッガーが登場!【前編】2020年05月11日
2003年世代の投手は森木 大智を筆頭に投手に逸材が揃う。また野手も非常に能力が高い選手が揃っているのが特徴だ。そんな野手についても前編・後編で紹介。まずは北海道、東北、関東、東京、東海の5地区だ。
前編はこちらから!
2003年世代は投手豊作年!?森木大智、笹倉世那、松浦慶斗など豪腕揃い【前編】
北海道地区~関東地区注目のスラッガーたち

吉野 創士(昌平)
まず北海道地区では強打の宮下 朝陽(北海)に注目。重心を深く沈めたフォームから力強いスイングを見せる。将来的には北海道を牽引する強打者となりそうだ。そして昨秋の全道大会準優勝の札幌日大も決勝戦で本塁打を放った石川 真も打率.455を残し、期待のプレイヤーだ。
東北地区では1年夏から甲子園を経験した野呂田 漸(秋田中央)は1年生らしからぬ落ち着いたリード、立ち居振る舞い、間の取り方の上手さ、地肩はそれほど強くないが、持ち替えが速いスローイングなど捕手としてハイレベル。フィジカルを強化し、成長した姿を見せていきたい。1年春から強打の盛岡大附打線のレギュラーに食い込んだ松本 龍哉は力強いスイングから広角に長打連発。また堂々と自分の間合いで勝負できる度胸の強さがあり、勝負強さを発揮している。
また木村 航大(仙台育英)は冷静なリードが持ち味の好捕手。同じく仙台育英の二塁手・渡邉旭も俊敏な動きがひかる。
健大高崎の小澤 周平は昨秋の関東大会の常総学院戦で本塁打を放ったスラッガー。172センチと決して大きくないが、遠くへ飛ばす技術が突出している。俊敏な二塁守備、1三塁打のタイムで11秒50で駆け抜ける俊足も魅力的だ。
昨年、甲子園に出場した霞ヶ浦は俊足巧打のセンター・飯塚恒介、主軸打者・宮崎莉汰に注目したい。
埼玉の吉野 創士(昌平)はこの世代を牽引する大型外野手になりそうだ。185センチ74キロの恵まれた体格に、50メートル6秒1、ライトからほぼダイレクトで投げ込む強肩、1年秋の県大会前に高校通算21本塁打。順調にいけば、高卒プロを狙える大器になるのではないだろうか。同じ埼玉では豪快なスイングを見せて、本塁打を量産する波多野幹太(山村国際)、また浦和学院の二塁手・吉田 匠吾は俊敏な二塁手に加え、昨秋は埼玉県を代表する本格派・内田 了介(埼玉栄)から本塁打を放った。花咲徳栄の浜岡 陸も打撃技術の高さは光るものはある。
千葉県では2人のスラッガーに注目。まず吉岡 道泰(専大松戸)は1年春から活躍を見せてきた左のスラッガー。広角に鋭い打球を飛ばせる打撃技術の高さがあり、すでに体格や打球の飛距離を見ても例年の専大松戸の主力スラッガーと引けを取らない実力を1年生の時点で持ち合わせていた。あとは全国レベルの実績、高校通算本塁打など突出したパフォーマンスを見せることができるか。ベースランニングやノックを見ても身体能力の高さは伺える逸材であり、ドラフト候補となりそうだ。
有薗 直輝(千葉学芸)も広いマリンフィールドでスタンドインさせる長打力は圧巻。強肩も魅力の三塁手で、全国クラスの右のスラッガーへ育つ可能性を持っている。習志野は俊足巧打の外野手・小林 風太は中央大に進んだ根本翔吾を思い出させるようなプレースタイルを見せる。

- 編集長 河嶋 宗一
- 出身地:千葉県
- ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
- ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
- ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
- ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。