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[1]岡本は巨人の4番を担っていくものがあった
[2]数少ないチャンスをものにした岡本がこのドラフトを成功させた

[1]岡本は巨人の4番を担っていくものがあった
[2]数少ないチャンスをものにした岡本がこのドラフトを成功させた


 今では野球ファンの間で大人気コンテンツとなっている「ドラフト会議」。ドラフト会議で新人選手を獲得することは、プロ野球球団の骨組みを作って行く上で欠かせないものであり、その成果を高めるため12球団は綿密に戦略を練っている。今回は長年、巨人のスコアラー、編成に関わった三井康浩さんにお話を伺い、当時のドラフト秘話をシリーズ別で掲載。まずは巨人の4番岡本 和真の指名秘話である。

岡本は巨人の4番を担っていくものがあった


 12球団の命運を握るドラフト1位。その選手の成否は球団の数年後の明暗を分けるものといっていい。このドラフト1位について、三井さんは非常に難しいものと語る。

 まずドラフト1位野手についてどういう選手が指名される傾向にあるのか。三井さんはこう定義づけている。
「3拍子が揃ったトップの選手が1位、2位候補なんです。候補に入るだけで、圧倒的な打力や守備力があって、『これはすぐに1軍で使える。ドラフト1位で欲しい』と言う選手だからなんです」

 もちろん三拍子が揃わなくても、球団の編成事情でドラフト1位になるタイプがいる。まずはスラッガータイプだ。三井さんは2010年代から編成部に関わり、2018年のドラフトまで関わったが、そのスラッガータイプとして代表的なのが、2014年ドラフト1位の岡本 和真智辯学園)だろう。

 高校時代の岡本の一番のストロングポイントは高校通算73本塁打の長打力。U-18代表の4番打者として活躍し、木製バットでも鋭い打球を飛ばし、岡本とU-18代表のチームメイトだった選手たちは岡本の打球を見て、「同じ高校生?」と目を丸くしたという。巨人も岡本の長打力を最大限評価していた。

「将来としてジャイアンツの4番を狙って指名です。本来は3拍子揃っている選手は1、2位候補になり得るんですが、そこで岡本のような圧倒的な長距離がある、将来1軍のクリーンナップで使える選手だと思えば、ドラフト1位で獲るんです」

 当時のドラフト市場を振り返ると、大学生では有原 航平広陵-早稲田大-北海道日本ハム)、山﨑 康晃帝京-亜細亜大-横浜DeNA)が即戦力投手として高く評価され、高校生では157キロ右腕・安樂 智大済美-東北楽天)、2013年の甲子園優勝投手・髙橋 光成前橋育英-埼玉西武)が将来のエース候補として高く評価されていた。

 その中で、巨人が岡本の単独指名に踏み切ったのは、当時の選手層から「和製大砲』の獲得が一番の補強ポイントと考えていた。
「編成の中で考えた時、投手より岡本を取っておいた方が、近い将来のジャイアンツにハマるだろうと。そういったことを考えるのが編成の仕事です。各ポジションの年齢とかを見ながら、『2、3年後には空くのかな?』と編成はデータを持っていますので。スカウトは持っておりませんが、編成はそういった仕事があるので持っていますが、空いたポジションに当てはまる選手がいれば、その需要にあった選手を指名していきます」