ドラフト候補期待度ランキングベスト20!1位に選ばれたのはあの選手!
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、選抜大会をはじめ、全国的に地方大会が中止となっている。今回は本格的な大会開幕が4月になりそうな高校野球に備えてドラフト候補トップ20を特集!
順位別で紹介をしていきたい。
投手編、スラッガー編、捕手・内野手編はこちらから!
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全国トップ20に選ばれた逸材は?
川瀬堅斗(大分商)
20位 外野手 奥野 翔琉(明徳義塾)
全国的に見ても好外野手は多いが、トップ20に選んだのは、50メートル5秒7の超俊足を生かしたベースランニングにある。明治神宮大会の中京大中京戦で148キロ右腕・高橋宏斗からレフトへ二塁打を放ったが、その時のタイムは7秒41!二塁到達の基準が8秒29以内と考えると相当速いタイムだといえる。また塁間タイムも3.8秒台を計測しており、足の速さは全国トップクラス。
奥野をさらにピックアップする理由として、好投手に強いこと。昨夏の高知大会決勝戦では150キロ右腕・森木大智(高知)からストレートを痛烈にはじき返す適時打を放っている。膝をうまく使って低めの球を打ち返せる技術の高さがあり、ドラフト候補として注目すべき脚力、バットコントロールがあるとみてピックアップさせていただいた。
19位 三塁手 小深田大地(履正社)
昨夏の甲子園優勝経験者。なんといっても魅力は体幹をうまく使ったパワフルなスイング。昨秋まで高校通算29本塁打を放ち、その1本1本の飛距離はけた違い。対応力も高く、欠点が少ない打者である。三塁守備も打球反応が良く、スローイングを見ても地肩が非常に強い、高い守備力と長打と巧打を兼ね備えた打撃力を持った全国レベルの三塁手はなかなかいない。ドラフト候補としてマークすべき逸材だ。
18位 遊撃手 入江大樹(仙台育英)
毎年、右打ち大型遊撃手の評価は高騰する。昨年のオリックス2位の紅林弘太郎(駿河総合)も甲子園未出場ながら日本代表候補入りしたように、入江選手もポテンシャルの高さでは負けていない。明治神宮大会の特大本塁打は強烈な印象を残した。昨秋は公式戦・練習試合を通じて2本塁打と意外と多くない。今年は練習試合・公式戦をすべてにおいて別格な成績を見せていきたい。
17位 遊撃手 宗山塁(広島広陵)
中国地区でまず見てみたい選手を1人挙げれば宗山塁をピックアップしたい。2年春にセンバツを経験。持ち味は速球投手に振り負けないバットコントロールと俊敏な遊撃守備。1年秋の明治神宮大会では星稜の奥川恭伸(東京ヤクルト)の140キロ後半の速球をホットにして、強烈な印象を残した。そして俊敏な遊撃守備にも注目だ。小刻みなステップから打球をさばき、持ち替えも速く、次々とアウトを演出する守備技術の高さ、スピードは一級品だ。
一冬超えてどんな成長見せるのか楽しみにしたい。
昨秋の全道初優勝に貢献した4番エース。ダイナミックな投球フォームから繰り出す130キロ後半の速球と130キロ近いカットボールのコンビネーションで打者を翻弄。全道大会では不調だったが、明治神宮大会ではしっかりと立て直し、12.1回を投げ、自責点3、防御率2.19と大きく改善した。フォーム技術は高く、一冬超えて大きく球速を伸ばせば、支配下登録候補に挙がっている沼田翔平(旭川大高-巨人)のようなタイプに育つかもしれない。また全身を効率よく使い、パワフルなスイングから振り抜く鋭い打球は広角に飛ばすことができる。夏には驚くような成長を見せているかもしれない。
15位 投手 山下 舜平大(福岡大大濠)
186センチの長身から繰り出す最速144キロのストレートが魅力の大型右腕。他の好投手にはない角度の高さは魅力。同校OBの浜地真澄(阪神)投手の以来の逸材ではないだろうか。例年、進学傾向が強いチームだが、十分に高卒プロを狙えるポテンシャルを持っている。スケール抜群のピッチングを見せてくれることを期待したい。
14位 外野手 西川 僚祐(東海大相模)
現役高校生ではトップクラスの高校通算53本塁打を誇る大型スラッガー。甘く入ったボールは高確率で本塁打にできる技術の高さがある。打球速度は高校生のレベルを超えており、大きく育てたいと思わせる選手。今年はいろいろなタイプを打ち分ける対応力の高さが課題。そこで小さくなるのではなく、空振り三振が多くても甘く入れば、軽々と本塁打にできる怖さが欲しい。
13位 捕手 古谷将也(成田)
1年秋から正捕手となった強肩強打の大型捕手。肩の強さ、長打力に関しては2学年上でプロ入りした田宮 裕涼(北海道日本ハム)を上回るものはある。昨秋は県大会で逆転サヨナラ3ランを放つなど勝負強さも折り紙付き。ただ、田宮は捕手として必要な繊細さ、思慮深さを持っていた。
12位 投手 川瀬堅斗(大分商)
福岡ソフトバンクの川瀬晃選手の弟で、1年生の時から140キロ右腕として注目を浴びていたが、現在では最速147キロの速球とカーブを武器にする大型右腕へ成長。大分商OBの投手といえば、森下暢仁(広島東洋)。森下を彷彿とさせる縦回転の投球フォームで、角度の高いストレート、カーブを投げることができる。投球の土台が良いので、全国的な活躍を見せれば、ドラフト上位に浮上する可能性を持った投手ではないだろうか。
11位 投手 笠島尚樹(敦賀気比)
昨年の甲子園3試合では最速145キロのストレートを武器に、3試合22イニングを投げて、自責点7と力投。注目はひざ元へ伸びる140キロ中盤のストレート。分かっていても打てない凄さがある。120キロ後半のスライダーもしっかりとコントロールし、繊細な投球ができる点は、高校生としてはかなりレベルが高い。さらに球速アップに成功し、この夏も全国的な活躍を見せれば、高校日本代表候補に挙がる投手ではないだろうか。
そしてトップ10を発表!1位に選ばれたのはあの投手!
中森俊介投手(明石商)
10位 外野手・捕手 横山 陽樹(作新学院)
昨年、高校2年生ながらU-18代表を経験した強肩強打の大型外野手。アメリカ戦ではホームランを放つなど、上級生野手に負けない活躍を見せていた。まだ確実性を欠くとはいえ、自分のヒットゾーンに呼び込んで、インサイドアウトのスイングで広角に打ち分ける打撃技術の高さ、レーザービームと形容できる強肩と、外野手としてのスキルの高さは昨年の外野手と比較しても負けていなかった。新チームでは捕手を務める声もあったが、いずれにしろ春季大会からチェックを入れていきたい選手だ。
9位 遊撃手 土田 龍空(近江)
超高校級遊撃手。中学校からショートをはじめ、先輩遊撃手やプロの遊撃手の映像を見よう見まねしながらレベルを高めてきた。守備範囲の広さ、スピードともにずば抜けたものはあるが、何より評価したいのはピンチどころのポジショニングの良さ。抜けたと思った打球も正面で捕球し、幾度もチームのピンチを救ってきた。
高校通算20本塁打を超える長打力も見逃せない。将来的には西川龍馬(広島・敦賀気比出身)のように細身でも全身をうまく使ったスイングで長打を連発するタイプになるかもしれない。
8位 外野手・三塁手 井上 朋也(花咲徳栄)
超高校級スラッガー。高校通算47本塁打を放っているが、実戦でも多くの本塁打を打てるのが井上の魅力。右中間に弾丸ライナーの本塁打を放つなどパワーは規格外!2学年上の野村佑希(北海道日本ハム)より評価される可能性は十分にあるだろう。また強肩を生かした守備も注目だ。
7位 投手 高田 琢登(静岡商)
完成度の高い投球フォームから繰り出す最速148キロの速球、切れのあるスライダーの投げ分けは絶妙だ。今年は有力な左腕が少ないだけに、全国的な活躍を見せれば、評価はかなり高騰する可能性はある。父親の高田晋松(しんまつ)監督とともに、親子で甲子園を目指す。
1年春からセンターのレギュラーを獲得。抜群のバットコントロールを武器に安打を量産してきた。ただ当てているのではなく、しっかりと振ったうえで広角に打球を飛ばすことができる。また体勢を崩されてもぎりぎりまで我慢できる反応の良さもある。
昨秋の大会後から遊撃手に転向したと聞き、智辯和歌山グラウンドで細川の遊撃守備を見たが、全国の高校野球ファンの皆様に見てもらいたいぐらいの守備範囲の広さ、スピードがあった。ただ鍛えることはたくさんあるが、ぜひ一級品の遊撃手を目指していきたい。
5位 投手 篠木 健太郎(木更津総合)
最速146キロを誇る回転数抜群のストレートは必見。再現性の高い投球フォームは惚れ惚れするものがある。秋の段階で先発投手ながら平均球速140キロを超える速球能力は全国トップクラス。本人が得意とするスライダーは手元で鋭く曲がり、昨春の関東大会の東海大相模戦で、8回途中まで2失点の力投。昨秋の中央学院戦でも1安打完封勝利と、強力打線相手にも好投ができる。また野球部唯一の特進クラスで、文武両道を実現する秀才型投手である。
4位 外野手 来田 涼斗(明石商)
高校通算29本塁打を放つ大型スラッガー。センバツのサヨナラ本塁打など大舞台の勝負強さは必見だ。狭間監督との二人三脚で取り組んできた打撃改造はラストイヤーで実るのか?4回目の甲子園は中止となったが、まだ5回目の甲子園出場のチャンスは残っている。
3位 投手 高橋 宏斗(中京大中京)
明治神宮大会優勝投手。最速148キロのストレートはさらに威力を増しており、カットボールの切れ味は抜群。1月にブルペン投球を拝見したが、さらに進化した姿を見せていた。篠木や中森俊介などドラフト候補のブルペン投球を間近に見たが、ボールの圧力に関しては全国ナンバーワンだと思う。ただ3位なのは何かが足りない。打たれにくいフォーム、投球術などあらゆることを追求してほしい。
2位 捕手 内山壮真(星稜)
星稜中学、星稜高校とともに全国クラスの名門で、1年からレギュラーとして活躍するエリートプレイヤー。172センチと決して大きくない。中田翔選手を彷彿とさせるスイングは豪快そのもの。間合いを取るのがうまく、昨夏の甲子園でも好投手相手にもしっかりと自分の打撃ができており、対応力の高さは全国の舞台で証明した。
またスローイングタイム1.8秒台を計測する強肩も魅力。林和成監督が絶賛する視野の広さ、クレバーさも見逃せない。捕手でこれほどの打撃力、上手さを持った捕手はいないので、この夏も全国レベルの活躍を見せれば、上位候補に挙がる可能性は持っている。
中森の魅力といえば、実戦の強さ。昨年12月、投球練習を見たことがあるのだが、あまり調子は良くないように感じた。だがマウンドに立つと、スイッチが入り、140キロ後半の速球、スプリット、チェンジアップ、スライダー、カーブを正確無比にコントロールできる投球術が1位を選ぶ理由となった。今年は中森に負けないストレートを投げる速球投手はいる。しかしこの投球のレベルはこの世代の中でも抜きんでている。ぜひこの1年は世代を代表するエースピッチャーとして活躍することを期待したい。
(記事=河嶋 宗一)