牧 秀悟 (中央大3年・内野手)「侍ジャパン大学代表」の重圧は プロ入り果たすための準備期間
「実質・侍ジャパン大学代表キャプテン」の重圧の中で
牧秀悟(中央大)
「打つ方に物足りなさがありました」。2泊3日の代表強化合宿を終え、侍ジャパン大学代表・大久保 哲也監督が発した合宿総括。その「物足りなさ」にはこの右スラッガーも含まれていたことは間違いない。
春は東都大学野球1部リーグ首位打者に輝き、侍ジャパン大学代表としても日米大学野球で主軸を張った牧 秀悟。秋も36打数13安打1本塁打11打点で30季ぶりとなる中央大の東都大学野球1部優勝に大きく貢献。
リーグ戦後には初の最高殊勲選手・遊撃手での1度含め3度目のベストナイン(二塁手)を獲得した牧だったが、合宿中の紅白戦では「よくなかった」と本人も振り返ったように3試合通じて5打数1安打1死球。「トップを作った時の三角形がインパクトでもそのままになってしまっていますね」とあるNPBスカウトが指摘したように、攻守にわたって固さが目に付いた。
ただ、今回の合宿について言えば牧にとっては重圧がかかる状況下にあった。明治神宮大会後には中央大の新主将に就任。侍ジャパン大学代表強化合宿でも大久保監督から実質キャプテンとなる「選手まとめ役」に指名され「紅白戦の試合中にみんなが声掛けしていたのはよかった。前のチームは学年や投手野手問わずつながりのあるいいチームだったので、今回もそういうチームにしたい」と全体を見る気遣いも。侍ジャパンのプライドを伝える作業が彼のプレーに影響を与えたことは想像に難くない。
「学びの材料」仕入れ、大学屈指の右スラッガーへ
このように多忙かつ苦みを伴った坊っちゃんスタジアムでの3日間。それでも牧はダダでは転ばなかった。徳山 壮磨(早稲田大2年)に代表されるスピードボールを備える投手陣に対峙し「東都にはいないタイプ。今季よかったからといって満足してはダメということに気付かされた」。大阪桐蔭 山田健太(立教大1年)からも「強くスイングできる点は凄いと思った」と学びの材料を仕入れて帰京の斗についた。
その先に見据えるものは、もちろん「3年時以上の結果を残せるように底上げして、プロ入りを意識してプレーしたい」。恐らくなるであろう侍ジャパン大学代表のキャプテンとしてハーレムベースボールウィーク制覇を目指し、そして大学屈指の右スラッガーになるために。牧 秀悟は春へ向かって成長の根を伸ばす。
(記事=寺下 友徳)
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