河村 説人 (星槎道都大3年・投手) 回り道を成長の道とし のびしろ開花させる超大型右腕
侍ジャパン大学代表候補合宿での収穫
侍ジャパン大学代表候補・河村 説人 (星槎道都大3年・投手)
これは天からの授かりものか、それとも必然なのか。白樺学園(北北海道)ではエースとして2015年・夏の甲子園出場。札幌学生野球1部・星槎道都大で最速150キロまで球速を伸ばし、3年生にして侍ジャパン大学代表候補に初選出された河村 説人が宿舎の部屋で同じ空間を共有したのは、同じ北海道地区の北海道学生連盟・苫小牧駒澤大3年の伊藤 大海。現在、最速154キロを叩き出す侍ジャパン大学代表の絶対的クローザーである。
「芯の強さや意思を持って練習に取り組んでいる部分など、僕にとってすごく刺激になりました」。伊藤から受けた薫陶について河村はこう話す。亜細亜大1年途中で中退し翌年改めて星槎道都大に入学した彼にとって、駒澤大を1年時で中退した伊藤との初遭遇は「一周回っていい経験になった。今は遠回りしてよかったと思う」同じ境遇だからこそ共鳴する部分があったようだ。
その成果は2回23球2安打2奪三振無失点と「自分の思った以上にやれた」紅白戦での投球内容にも現れた。ストレートの最速は145キロ。常時140キロ中盤と一定の基準をキープしつつ、要所では本人も「1つの武器と思っている」192センチの角度を利用しての130キロ台カットボールやフォークで外国人選手相手の武器もアピール。
「実はもっと躍動感あるフォームから投げたいとは思っているんですが」と本人は苦笑いしながら自己分析するが、力感がないフォームから手元で伸びる球質は「まだ伸びしろがあって面白い」とNPBスカウト陣から概ね高評価が上がるレベルにまで到達していた。
自らを理解し、鍛え、勝負の1年へ
こうして甲子園以来となる表舞台への帰還を果たした河村 説人。加えて成長意欲は無尽蔵だ。「僕は来年23歳。大卒で社会人に進んでもドラフト解禁年が25歳ではプロ入りは厳しくなることも解っていますし、大卒ドラフト指名されるためには今のままではダメだと思います」。彼があえて自分にダメ出しをした後に、2020年の抱負をこう語った。
「個人としては自分の身長をフルに発揮しながらこの秋から取り組んでいる柔軟に加えてパワーアップ。あとは自分の人間的弱さとも向き合うこと。そして大学を春秋全国大会に導きたい。ドラフト上位指名にたどり着きたいです」
大器の香りは十分。その香りを確信に変えるために……。超大型右腕・河村 説人、勝負の1年は[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]から始まる。
(記事=寺下 友徳)
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