第252回 河村 説人 (星槎道都大3年・投手) 回り道を成長の道とし のびしろ開花させる超大型右腕2019年12月13日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

侍ジャパン大学代表候補合宿での収穫



侍ジャパン大学代表候補・河村 説人 (星槎道都大3年・投手)
 

 これは天からの授かりものか、それとも必然なのか。白樺学園(北北海道)ではエースとして2015年・夏の甲子園出場。札幌学生野球1部・星槎道都大で最速150キロまで球速を伸ばし、3年生にして侍ジャパン大学代表候補に初選出された河村 説人が宿舎の部屋で同じ空間を共有したのは、同じ北海道地区の北海道学生連盟・苫小牧駒澤大3年の伊藤 大海。現在、最速154キロを叩き出す侍ジャパン大学代表の絶対的クローザーである。

 「芯の強さや意思を持って練習に取り組んでいる部分など、僕にとってすごく刺激になりました」。伊藤から受けた薫陶について河村はこう話す。亜細亜大1年途中で中退し翌年改めて星槎道都大に入学した彼にとって、駒澤大を1年時で中退した伊藤との初遭遇は「一周回っていい経験になった。今は遠回りしてよかったと思う」同じ境遇だからこそ共鳴する部分があったようだ。

 その成果は2回23球2安打2奪三振無失点と「自分の思った以上にやれた」紅白戦での投球内容にも現れた。ストレートの最速は145キロ。常時140キロ中盤と一定の基準をキープしつつ、要所では本人も「1つの武器と思っている」192センチの角度を利用しての130キロ台カットボールやフォークで外国人選手相手の武器もアピール。

 「実はもっと躍動感あるフォームから投げたいとは思っているんですが」と本人は苦笑いしながら自己分析するが、力感がないフォームから手元で伸びる球質は「まだ伸びしろがあって面白い」とNPBスカウト陣から概ね高評価が上がるレベルにまで到達していた。

自らを理解し、鍛え、勝負の1年へ


 こうして甲子園以来となる表舞台への帰還を果たした河村 説人。加えて成長意欲は無尽蔵だ。「僕は来年23歳。大卒で社会人に進んでもドラフト解禁年が25歳ではプロ入りは厳しくなることも解っていますし、大卒ドラフト指名されるためには今のままではダメだと思います」。彼があえて自分にダメ出しをした後に、2020年の抱負をこう語った。

 「個人としては自分の身長をフルに発揮しながらこの秋から取り組んでいる柔軟に加えてパワーアップ。あとは自分の人間的弱さとも向き合うこと。そして大学を春秋全国大会に導きたい。ドラフト上位指名にたどり着きたいです」

 大器の香りは十分。その香りを確信に変えるために……。超大型右腕・河村 説人、勝負の1年は坊っちゃんスタジアムから始まる。

(記事=寺下 友徳

関連記事
投手MVP・伊藤 大海(苫小牧駒澤大3年) 気合と冷静さを兼ね備えた「火の玉ストレート」
野手MVP的活躍! 6年ぶり坊っちゃんスタジアムで超韋駄天・五十幡 亮汰(中央大)が提示した「打撃」という武器
大学代表候補・森 博人(日本体育大3年・投手) 多彩な落差を出す最速155キロ右スリークォーター

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
旭川実vs白樺学園【北海道 2020年秋の大会 第73回秋季北海道高等学校野球大会】
山梨学院vs白樺学園【2020年甲子園高校野球交流試合】
第268回 夏の代替大会が開催されることを願って…。全国のドラフト・注目野手リスト一覧【ドラフト特集コラム】
第5回 センバツの要注目は来田、中森らの6名!ではブレイク候補だったドラフト候補17名は?【センバツ2020】
第999回 世代屈指の剛腕・高橋(中京大中京)など東日本注目投手16名リスト!【大会展望・総括コラム】
第1081回 覚醒のきっかけはダルビッシュ有。中西健登(国士舘)が東京都屈指のサイドハンドになるまで 【2019年インタビュー】
第253回 牧 秀悟 (中央大3年・内野手)「侍ジャパン大学代表」の重圧は プロ入り果たすための準備期間【ドラフト特集コラム】
第251回 榮枝 裕貴(高知-立命館大3年・捕手) 安定感増した二塁送球で 大卒プロを目指す高知のいごっそう【ドラフト特集コラム】
健大高崎vs白樺学園【2019年 第五十回記念 明治神宮野球大会】
白樺学園vs国士舘【2019年 第五十回記念 明治神宮野球大会】
白樺学園vs札幌日大【北海道 2019年秋の大会 第72回秋季北海道高等学校野球大会】
白樺学園 【高校別データ】

プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム