第251回 榮枝 裕貴(高知-立命館大3年・捕手) 安定感増した二塁送球で 大卒プロを目指す高知のいごっそう2019年12月11日

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意識改革で成長遂げた「二塁送球の正確性」



侍ジャパン大学代表候補・榮枝裕貴(立命館大3年・捕手)
 

 紅白戦の2日間。投球練習を終えるたび、1秒8~1秒9のタイムで背番号「27」から正確なボールがホームから二塁ベース上へと伸びる。かねてから噂は聞いていたが、地肩に頼りすぎ2塁送球タイムは2秒前後で正確性も欠いていた高知中・高知時代を知っている筆者にとって、立命館大3年・榮枝 裕貴の成長度は想像以上であった。

 紅白戦後、声をかけると「お久しぶりです」と言いながら握手を交わしてきた彼にその理由を聞いた。「よく解らないんですけど」と中学・高校時代のままの意図的なワンクッションボケを一発入れた榮枝だが、その後の説明は実に理路整然としていた。

 「タイムであれば1秒8で二塁送球は投げられますが、それも正確性がないと意味がないと思っています。送球がバラついている時は捕球してから伸び上がって投げているので、そこを今はちょっとずつ修正しています。そこはよくはなってきています」

 高校時代から榮枝も知っているNPB某球団スカウトも「成長している」と認める原動力は、こういった意識改革があったのである。

さらなる課題克服し「大卒プロ入り」のステージへ


 とはいえ、課題はまだある。本人も認める打撃に別のNPBスカウトが「まだミット周りの動きに固さがある」と指摘するキャッチング。やや投手がなげにくそうにしていたリード面も成長の余地あり。「現時点でプロへの自信はない」と榮枝も現状に満足はしていない。

 だからこそ……2020年は彼にとって勝負の時だ。最後に榮枝はこう明言した。
 「この冬は高いレベルを目指して、そこに到達するための努力をしていきたいし、全国大会に出ないとアピールもできないので、まずは関西学生リーグをしっかり戦いたい。そして進路を決める時期に選択肢ができるようにしたいです」

 その選択肢とはもちろん「大卒プロ入り」。懐かしき四国の地で成長へのさらなる宿題を得た榮枝 裕貴は、これからもステージを上がるための奮励努力を続けていく。

(記事=寺下 友徳

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
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