Column

大学代表候補・森 博人(日本体育大3年・投手) 多彩な落差を出す最速155キロ右スリークォーター

2019.12.06

 11月30日(土)から12月2日(月)まで愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行われた「侍ジャパン大学代表強化合宿」。50選手中37選手が2020年ドラフト対象選手となる3年生が占める中、24選手の参加が予定されている来年夏のハーレムベースボールウィーク出場選手選考と同時に「スカウト目線」から見ても注目の合宿となった。

 そこで「高校野球ドットコム」では6回シリーズで3年生たちを紹介。第3回は2018年の松本 航(埼玉西武ライオンズ)、2019年の吉田 大喜(東京ヤクルトスワローズ2位指名)とドラフト指名が続いた日本体育大右腕「三本目の矢」。最速155キロ右スリークォーターの森 博人(もり ひろと・投手・右投右打・177センチ80キロ・豊川<愛知>)を本人や周囲の話を交えながら紹介していく。

スリークォーターから投ずる多彩な球種

大学代表候補・森 博人(日本体育大3年・投手) 多彩な落差を出す最速155キロ右スリークォーター | 高校野球ドットコム
最速149キロのストレートと多彩な縦変化でを見せた森 博人(日本体育大3年)

 「上から投げているつもりなんですけど、高校時代からこの投げ方になりました」と本人は笑いながら語る独特のフォーム。だが、このスリークォーターこそが最速155キロ右腕・森 博人(日本体育大3年)最大の武器であり、アピールポイントである。

 

秋の首都大学リーグ戦で出した最速155キロ、今合宿初日紅白戦登板でも149キロを連発したストレートは左打者のインサイドへ切れ込み、右打者の内角をえぐるもの。カーブ、スライダー、縦に切れるカットボール、秋から投げ始めたツーシームという多彩な変化球も装備。加えて「いろいろな縦変化球を持っている」侍ジャパン大学代表・大久保 哲也監督が外国チームと対峙する上での要件を満たしていることも、2回1安打3奪三振1失点の結果以上に大きなアドバンテージとなった。

 合宿最終日には「昨年合宿に参加された北山(比呂・4年)さんから流れは聞いて『がんばれよ』と言って送り出してもらった。ストライクも入ったし緊張せずバランスよく投げられた」と平常心で紅白戦を投げられたことを明かした森。その裏には日本体育大ならではのグローバルな現状があった。

[page_break:目指すは全大会とドラフトでの「金メダル」]

目指すは全大会とドラフトでの「金メダル」

大学代表候補・森 博人(日本体育大3年・投手) 多彩な落差を出す最速155キロ右スリークォーター | 高校野球ドットコム
キャッチボール中笑顔の侍ジャパン大学代表候補・森 博人(日本体育大3年・投手)

 大学院には体操競技の白井 健三。1学年上には柔道66キロ級の阿部 一二三。そして同学年には今季女子ゴルフレギュラーツアー参戦初年度ではJLPGA賞金ランキング6位に入り、2020年はアメリカ女子ツアーに進む河本 結……。森が学び、グラウンドで研鑽を積む日本体育大健志台キャンパスには、2020年東京五輪でメダルを狙い、世界トップへ挑むアスリートたちがひしめいている。

 

 「そうった世界で頂点を目指す人たちが身近にいるので、自分がすごいとは全く感じない。すごく刺激になっている」環境が森にとってさらなる高みへのモチベーションとなっている。

 だからこそ2020年に目指すものは決まっている。「チームが勝てば自分が貢献することになるし、全国で投げれば代表に近づくことになる」と日本体育大ラストイヤーでの目標を話し始めた森 博人は最後にこう言い切った。「松本さん、吉田さんの記録を途切らせるわけにはいかない」

 

 目指す場所は全日本大学野球選手権、明治神宮大会、さらにハーレムベースボールウィークでの優勝。そして個人でのドラフト1位指名。2020年、森 博人は「金メダル独占」への成長度をさらに速めていく。

(記事=寺下 友徳

関連記事
投手MVP・伊藤 大海(苫小牧駒澤大3年) 気合と冷静さを兼ね備えた「火の玉ストレート」
侍ジャパン大学代表強化合宿最終日 個の能力を高め「ONE TEAM」の2020へ
侍ジャパン大学代表強化合宿第2日 2試合・14イニング紅白戦で見えた「2020侍ジャパン大学代表」

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.27

【福岡】飯塚、鞍手、北筑などがベスト16入り<春季大会の結果>

2024.03.27

【神奈川】慶應義塾、横浜、星槎国際湘南、東海大相模などが勝利<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.27

青森山田がミラクルサヨナラ劇で初8強、広陵・髙尾が力尽きる

2024.03.27

中央学院が2戦連続2ケタ安打でセンバツ初8強、宇治山田商の反撃届かず

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.22

報徳学園が延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ち、愛工大名電・伊東の粘投も報われず

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】