大学代表候補・森 博人(日本体育大3年・投手) 多彩な落差を出す最速155キロ右スリークォーター
11月30日(土)から12月2日(月)まで愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行われた「侍ジャパン大学代表強化合宿」。50選手中37選手が2020年ドラフト対象選手となる3年生が占める中、24選手の参加が予定されている来年夏のハーレムベースボールウィーク出場選手選考と同時に「スカウト目線」から見ても注目の合宿となった。
そこで「高校野球ドットコム」では6回シリーズで3年生たちを紹介。第3回は2018年の松本 航(埼玉西武ライオンズ)、2019年の吉田 大喜(東京ヤクルトスワローズ2位指名)とドラフト指名が続いた日本体育大右腕「三本目の矢」。最速155キロ右スリークォーターの森 博人(もり ひろと・投手・右投右打・177センチ80キロ・豊川<愛知>)を本人や周囲の話を交えながら紹介していく。
スリークォーターから投ずる多彩な球種
最速149キロのストレートと多彩な縦変化でを見せた森 博人(日本体育大3年)
「上から投げているつもりなんですけど、高校時代からこの投げ方になりました」と本人は笑いながら語る独特のフォーム。だが、このスリークォーターこそが最速155キロ右腕・森 博人(日本体育大3年)最大の武器であり、アピールポイントである。
秋の首都大学リーグ戦で出した最速155キロ、今合宿初日紅白戦登板でも149キロを連発したストレートは左打者のインサイドへ切れ込み、右打者の内角をえぐるもの。カーブ、スライダー、縦に切れるカットボール、秋から投げ始めたツーシームという多彩な変化球も装備。加えて「いろいろな縦変化球を持っている」侍ジャパン大学代表・大久保 哲也監督が外国チームと対峙する上での要件を満たしていることも、2回1安打3奪三振1失点の結果以上に大きなアドバンテージとなった。
合宿最終日には「昨年合宿に参加された北山(比呂・4年)さんから流れは聞いて『がんばれよ』と言って送り出してもらった。ストライクも入ったし緊張せずバランスよく投げられた」と平常心で紅白戦を投げられたことを明かした森。その裏には日本体育大ならではのグローバルな現状があった。
目指すは全大会とドラフトでの「金メダル」
キャッチボール中笑顔の侍ジャパン大学代表候補・森 博人(日本体育大3年・投手)
大学院には体操競技の白井 健三。1学年上には柔道66キロ級の阿部 一二三。そして同学年には今季女子ゴルフレギュラーツアー参戦初年度ではJLPGA賞金ランキング6位に入り、2020年はアメリカ女子ツアーに進む河本 結……。森が学び、グラウンドで研鑽を積む日本体育大健志台キャンパスには、2020年東京五輪でメダルを狙い、世界トップへ挑むアスリートたちがひしめいている。
「そうった世界で頂点を目指す人たちが身近にいるので、自分がすごいとは全く感じない。すごく刺激になっている」環境が森にとってさらなる高みへのモチベーションとなっている。
だからこそ2020年に目指すものは決まっている。「チームが勝てば自分が貢献することになるし、全国で投げれば代表に近づくことになる」と日本体育大ラストイヤーでの目標を話し始めた森 博人は最後にこう言い切った。「松本さん、吉田さんの記録を途切らせるわけにはいかない」
目指す場所は全日本大学野球選手権、明治神宮大会、さらにハーレムベースボールウィークでの優勝。そして個人でのドラフト1位指名。2020年、森 博人は「金メダル独占」への成長度をさらに速めていく。
(記事=寺下 友徳)
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